衆院選・参院選(選挙区・比例代表制)の仕組み
現在の日本では、衆議院選挙・参議院選挙のどちらも、次の2つを混合した仕組みがとられています。 選挙区選挙:候補者名で…[続きを読む]
昨日7月10日、第24回参議院選挙が行われ、開票結果によると各政党ごとの獲得議席数は下記のようになりました。
政党名 | 選挙区 | 比例 | 合計 |
---|---|---|---|
自民 | 36 | 19 | 55 |
公明 | 7 | 7 | 14 |
民進 | 21 | 11 | 32 |
共産 | 1 | 5 | 6 |
維新 | 3 | 4 | 7 |
社民 | 0 | 1 | 1 |
生活 | 0 | 1 | 1 |
改革 | 0 | 0 | 0 |
こころ | 0 | 0 | 0 |
諸派 | 0 | 0 | 0 |
無所属 | 5 | 0 | 5 |
合計 | 73 | 48 | 121 |
与党である自民・公明の獲得議席が70議席と今回対象の121議席の約6割近くを占めており、現政権が多くの国民から認められた形となりました。
改憲勢力3分の2という話題ばかりが先行しているようですが、今回の選挙では、経済政策/税制/社会保障/原発などと他にも多くの論点がありました。その中でも税制について、自民党は次のような公約を掲げていました(公明党は自民党と同じ)。消費税については、2019年10月に10%に引き上げられ、軽減税率制度が導入されることが、より確実となってきました。所得税・相続税・金融課税などについては具体的にどのように強化されていくのかが注目されるところです。
・消費税率10%への引き上げを2019年10月まで延期。
・消費税増税と合わせて軽減税率制度を導入。
・消費税の増税分は社会保障に限定(税と社会保障の一体改革)。
・所得税の配偶者控除の見直し。
・企業版ふるさと納税で地方を支援。
・所得税、相続税、金融課税などの強化。
【出典】自民党:2016年参院選特設サイト
https://special.jimin.jp/
参議院選挙の当選の仕組みは、下記記事で詳しく説明しています。
2016年参議院選挙の比例代表選挙での各政党の得票数と獲得議席の関係を確認してみます。
なお、大きな表になりますので、下記のURLを別ウィンドウにてお開きください。
ドント方式の被拘束名簿式で行います。
手順① 各政党の総得票数を計算
→正党名での記入票と候補者名での記入票の合計を計算します。
手順② ドント方式により、各政党の総得票数を1,2,3・・・で割った表を作成し、数値の大きい順に定数の48議席分を選び出します。選んだセル(黄色の網がけ)の数が各政党の獲得議席です。
手順③ 各政党内で候補者の得票数の多いほうから、獲得議席数の人数が当選します。ここでは、各候補者の得票数は掲載しませんので、他サイトをご覧ください。
比例代表で当選するには、所属する政党の総得票数が多いことと、政党内で他の候補者よりも得票数が多いことの2つの条件が必要になります。そのため、自分の得票数が少なくても当選したり、自分の得票数が多くても落選するパターンが出てきます。
たとえば、今回、比例代表の当選者の中で最も得票数が少ない人の得票数は18,467票ですが、所属する公明党の総得票数が多く7議席獲得できており、公明党内で7位以下は得票数が少ない人が多かったため当選しています。一方、落選者の中で最も得票数の多い候補者の得票数は288,780票ですが、所属する新党改革の総得票数が少なく議席をまったく獲得できなかったため落選しています。
参議院比例代表選挙では政党名または候補者名のどちらを記入しても良いのですが、全体では政党名を記入した人の割合が75%でした。支持したい政党はいるが具体的に支持したい候補者はいなかった、あるいは、候補者名を記入できることをしなかったという人が多いと考えられます。
各政党ごとに見てみますと、共産93%、支持政党なし92%と多く、具体的な候補者名はあまり認知されていないものと思われます。一方で、公明51%、改革35%と少なく、比例代表でも具体的な候補者が支持されている政党であることがわかります。