【2024年版】配偶者控除でいくら戻る?年収別に計算

配偶者 夫婦

年末調整や確定申告で配偶者控除を受けると、払いすぎた税金(所得税)が戻ってきます(還付されます)。

配偶者控除が受ける条件は、配偶者の年収が103万円以下であること。(配偶者の年収が103万円以上201.6万円未満のときは、配偶者特別控除を受けられます。)

配偶者控除を受けると、いくら税金が戻ってくるのか、年収別に計算してみました。

1.年収別 配偶者控除で戻る所得税の金額

給与収入の場合の年収別に、配偶者控除なしのときの所得税と、配偶者控除ありのときの所得税を比べてみました。

差額が戻ってくる金額です。

年収 配偶者控除なし
のときの所得税
配偶者控除あり
のときの所得税
配偶者控除で
戻る金額
200万円 27,500円 8,100円 19,400円
300万円 55,100円 35,700円 19,400円
400万円 85,600円  66,200円 19,400円
500万円 140,600円 101,800円 38,800円
600万円 206,200円 167,400円 38,800円
700万円 314,100円 236,900円 77,200円
800万円 478,900円 401,300円 77,600円
900万円 663,100円 585,500円 77,600円
1000万円 856,300円 778,700円 77,600円
1100万円 1,056,600円 995,600円 61,000円
1200万円 1,283,000円 1,283,000円 0円

※社会保険料控除は14.74%(2024年10月時点の保険料率、協会けんぽ加入・東京・介護保険なし、雇用保険料率は一般の事業)で計算
※その他の扶養控除は考慮していません

これを見るとわかるように、ある程度、規則性があります。

年収200万円、300万円、400万円のとき

年収200万円、300万円、400万円のときは、所得税の税率は5%です(復興特別所得税も含めると、5.105%)。

配偶者控除の金額は38万円ですので、これに5.105%をかけると、19,400円になります。

正確にいうと、38万円に5.105%をかけただけでは、ちょうど19,400円にはなりませんが、最終的な所得税の金額は100円未満を切り捨てますので、結果的に、19,400円ちょうどになります。

年収500万円、600万円のとき

年収500万円、600万円のときは、所得税の税率は10%です(復興特別所得税も含めると、10.21%)。

配偶者控除の金額38万円に10.21%をかけると、38,800円になります。

年収700万円、800万円、900万円、1000万円のとき

年収700万円、800万円、900万円、1000万円のときは、所得税の税率は20%です(復興特別所得税も含めると、20.42%)。

配偶者控除の金額38万円に20.42%をかけると、77,600円になります。

※正確にいうと、令和5年時点の保険料率で計算すると、年収700万円のときは、税率10%と20%の境目にいますので、少し違った金額になります。

年収1100万円のとき

年収1100万円のときは、所得税の税率は23%です(復興特別所得税も含めると、23.483%)。

ところで、年収1095万円を超えると、配偶者控除の金額は26万円に減らされてしまいます。
(「配偶者控除の控除額」を参照)

配偶者控除の金額26万円に23.483%をかけると、61,000円になります。

年収1200万円以上のとき

年収1195万円を超えると、配偶者控除を受けることができません。
(「配偶者控除の控除額」を参照)

年収1200万円以上では、年収がいくらであっても、配偶者控除は適用されません。

2.配偶者控除の控除額

配偶者控除の控除額は、次の通りです。()内は、給与収入しかない場合の給与年収額です。

配偶者控除
納税者本人の合計所得金額
()内は給与年収
控除額
70歳未満 70歳以上
900万円以下
(1,095万円以下)
38万円 48万円
900万円超950万円以下
(1,095万円超1,145万円以下)
26万円 32万円
950万円超1,000万円以下
(1,145万円超1,195万円以下)
13万円 16万円

【引用】国税庁:配偶者控除|所得税

年収が1,095万円を超えると、配偶者控除は26万円に減らされ、
年収が1,145万円を超えると、配偶者控除は13万円に減らされます。

さらに年収が1,195万円を超えると、配偶者控除はなくなります。

3.配偶者控除で戻る金額の注意点

会社員や公務員の方は、実際には、年末調整や確定申告で上記の金額が戻ってくることは、あまりありません。

なぜかというと、毎月、源泉徴収で所得税が引かれるとき、該当する配偶者がいれば、あらかじめ配偶者控除も考慮されて引かれているからです。そのため、実際に戻ってくる所得税はもっと少なくなります。

ただし、年の途中で結婚したとか、配偶者が退職したとかで、扶養になったときは、今までは配偶者控除を考慮しないで所得税を引いていましたので、年末調整や確定申告で上記の金額が戻ってくる可能性が高いです。

4.配偶者控除で住民税はいくら戻る?

通常であれば、配偶者控除を受けても、住民税が戻る(還付される)ことはありません

住民税は、配偶者控除を受ける年末調整や確定申告が終わった後に、市区町村のほうで計算して金額が決まるからです。

ただし、配偶者控除を忘れていて、後から適用した場合は、すでに払った住民税が戻ってきます。
住民税の配偶者控除は33万円、税率は年収によらず一律10%ですので、33,000円が戻ってきます。

配偶者控除を後からやることを、「更正の請求」といい、確定申告の期限から5年以内であれば、税務署で手続きが可能です。税務署で、配偶者控除が認められると、所得税が戻ってきます。また、自動的に市区町村にも連絡がいき、住民税も戻ります。

5.配偶者控除でいくら戻るかを自分で計算してみよう!

年収手取り額計算ツール」を利用して、配偶者控除でいくら戻るかを自分で計算してみることができます。

手順① 配偶者なしで計算

まずは、配偶者なしで計算します。

あなたの給与収入、年齢を入力して、「計算する」ボタンを押してください。

年収手取り額計算

結果が表示されます。ここでは、「所得税」だけを利用します。これが、配偶者控除なしの場合の所得税です。

年収手取り計算

手順② 配偶者ありで計算

次に、「より詳細な情報を入力する」ボタンを押します。
「配偶者の有無」で「いる」を選択し、配偶者の年収、年齢を入力し、下のほうの「計算する」ボタンを押します。
(必要に応じて、都道府県を選んだり、保険料率を入力してください。)

年収手取り額計算

結果が表示されます。これが、配偶者控除ありの場合の所得税です。

年収手取り計算

手順③ 差額を計算

「配偶者控除なしの場合の所得税」から「配偶者控除ありの場合の所得税」を引けば、配偶者控除で戻ってくる金額がわかります。ここでは、

85,700円-66,300=19,400円

となります。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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