GビズIDプライムの作成方法、社会保険や補助金の手続きに便利
社会保険の手続きや、補助金の申請など、オンラインで手続き(電子申請)が行えるようになってきていますが、このオンライン申請に必要なのが「GビズID」です。
GビズIDの概要や、取得方法、対象サービス等について紹介します。
【参照】gBizIDサイト
目次
1.GビズIDとは?
GビズIDとは、ある一つのIDとパスワードで、いろいろな行政サービスを利用できるようにするサービスのことです。
各種補助金の申請や、従業員の社会保険・雇用保険の手続きでは、従来は申請するたびに会社や社員の証明書などを取得し提出する必要がありました。GビズIDを利用すれば、個別に取得する必要がなくなります。
GビズIDを利用した電子申請には、このようなメリットがあります。
- いつでも(24時間)、どこでも(WEBで)申請が可能
- 書類を窓口に提出する必要がなく、時間もコストも削減
- 会社や個人の情報など、何度も同じことを記入する必要がない
2.GビズIDで利用できるサービス
GビズIDで利用できる行政サービスをいくつか紹介します。
ほかにもたくさんありますが、主なものだけ掲載しています。
サービス名 | 内容 |
---|---|
jGrants | 補助金申請システム |
社会保険手続き | 社会保険 |
ミラサポplus | 中小企業向け補助金、支援サイト |
e-Gov | 行政情報の総合的な検索・案内サービス 各府省に対するオンライン申請・届出等 |
IT導入補助金 | ITツールを導入する経費の一部を補助 |
事業再構築補助金 | コロナ禍で事業転換等をすう経費の一部を補助 |
社会保険の手続きは、従業員を雇用する企業であれば、必ず発生する手続きですので、オンライン申請が便利です。
IT導入補助金、事業再構築補助金など、支給率・支給額が多いことで話題の補助金の申請も行うことができます。
まだ、すべての行政サービスが対応しているわけではありませんが、今後も対象サービスが増えていくことが予想されます。
3.GビズIDプライムの取得方法
(1)アカウントの種類
gビズIDには次の3種類のアカウントがあります。
アカウント名 | 内容 |
---|---|
gビズIDエントリー | オンラインで即日作成可能なアカウント 誰でも作成可能 対象サービスが少ない |
gビズIDプライム | 法人代表者または個人事業主のアカウント 印鑑証明書と押印した申請書を郵送して審査される 全サービスを利用可能 |
gビズIDメンバー | 組織の従業員用のアカウント gビズIDプライムの利用者がマイページで作成する 許可したサービスのみ利用可能 |
社会保険手続きや補助金申請では、gビズIDプライムが必要になります。
発行までに3週間程度の時間がかかりますが、すべてのサービスを利用できます。
単純に、ミラサポplusで補助金を検索したりするだけであれば、gビズIDエントリーで良いでしょう。
誰でもすぐに作成可能ですが、利用できるサービスは限られます。
gビズIDメンバーは、企業の従業員が利用するアカウントで、gビズIDプライムアカウントで作成します。
ここでは、すべてのサービスを利用可能なgビズIDプライムの取得方法を解説します。
(2)GビズIDプライムアカウントの取得方法
GビズIDプライムアカウントを取得するには、
- GビズIDサイトで情報を入力
- 申請書をダウンロードして記入・押印し郵送
という流れになります。
申請内容入力
gBizIDのページにアクセスします。
真ん中あたりの「gBizIDプライム作成」ボタンをクリックします。
法人および代表者の情報(個人事業主は自身の情報)、アカウント利用者の情報を入力します。
一番下の「SMS受信用電話番号」は申請時には利用しませんが、ログイン時に二要素認証用に利用します。
最後に「申請書作成」ボタンを押します。
確認画面が表示されますので、入力内容が合っているか確認し、「OK」ボタンを押します。
完了画面で「申請書ダウンロード」ボタンを押します。
申請書を郵送
これで申請が終わりではなく、必要書類を郵送する必要があります。
印鑑証明書(個人事業主は印鑑登録証明書)が必要になりますので、法務局で取得してください。オンラインによる印鑑証明書の請求も可能です。
ダウンロードされたPDFファイルは次のような構成になっています。
- 1ページ目:申請書(情報入力済み)
- 2ページ目:印刷後の手順
- 3ページ目:申請後の郵送手順
- 4ページ目:チェックシート
1ページ目と4ページ目を印刷します。
1ページ目の申請書に、作成日を記入し、印鑑登録された印鑑(代表者印)を押します。
申請担当者がアカウント利用者と異なる場合には、「連絡先担当者情報」欄に記入します。
※申請書を手書きで修正すると無効となります。申請書に間違いがある場合は、再度、gBizIDサイトから申請し直してください。
4ページ目のチェックシートを読み、チェックします。
宛先が印字されている部分を切り取り、封筒に貼ります。
申請書と印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内)、チェックシートを同封し、郵送します。
(3)GビズIDプライムアカウントの申請状況の確認方法
gBizIDプライムアカウントが発行されるまで、申請してから約3週間程度かかります。
申請状況は、gBizIDサイトの真ん中あたりの「申請状況確認」ボタンから行うことができます。
申請状況を確認するための画面が表示されます。
申請時のアカウントID(メールアドレス)を入力します。
また、代表者の生年月日またはSMS受信用電話番号を入力します。
「確認」ボタンを押すと、申請状況が表示されます。
申請状況が「現在審査中です」と表示されていれば、審査中です。
「登録申請が承認されました」と表示されていれば、お知らせメールが送信されています。
「申請は否認されています」と表示されていれば、書類に不備があり返送されてきますので確認します。
(4)メール本文から最終手続き
登録申請が承認されると、アカウント(メールアドレス)宛に、「gBizIDプライム登録申請の受付のお知らせ」メールが送信されます。
申請書類を送付して、だいたい2~3週間程度で、こちらのメールが届きます。
そのメールに記載されているURLをクリックします。
※URLは有効期限がありますので、ご注意ください。
登録したSMS番号宛にワンタイムパスワードが送付されます。
そのワンタイムパスワードを入力して「OK」ボタンを押します。
パスワードを設定して「OK」ボタンを押します。
完了画面が表示されます。
これで登録手続きがすべて完了です。
(5)ログイン
gBizIDのページにアクセスし、右上端の「ログイン」ボタンを押します。
アカウント(メールアドレス)と設定したパスワードを入力して「ログイン」ボタンを押します。
設定したSMS番号にワンタイムパスワードが送信されますので、そのパスワードを入力して「OK」ボタンを押します。
ログイン後のメニュー画面が表示されます。
4.暫定GビズIDプライムアカウント
GビズIDプライムアカウントの発行には時間がかかり、補助金の申請に間に合わない可能性もありますので、その場合は「暫定GビズIDプライムアカウント」の発行が可能です。
この暫定プライムアカウントは、下記の2つの補助金の申請に限って利用可能です。
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
申請方法は、通常のプライムアカウントの申請方法とほぼ同じですが、
記載事項のうち「部署名」欄に「特定補助金専用」という文言を記入します。
この時点では、申請書や印鑑証明書を郵送しなくても、申請から最大48時間程度でアカウントが発行されます。
ただし、暫定プライムアカウントはあくまでも一時的なものであり、採択発表後の交付決定までに通常のプライムアカウントを取得する必要があります。
そこで、通常通りに申請書を印刷して記入・押印し、必要書類を郵送してください。
GビズIDプライムアカウントが発行されると、暫定アカウントから自動的に切り替わります。