介護保険サービスで医療費控除の対象になるのは何?

老人ホーム 介護

厚生労働省では、2021年度に行われる介護保険制度改正に向けた議論を開始しており、その中で、介護保険の利用者が支払う金額の増額を検討してます。このように改正されれば、みなさんの負担が増えることになります。

一方で、介護保険サービスを受けた際に支払う費用は、確定申告で医療費控除として申請すれば、その費用の一部が戻ってくる可能性があります。法律が改正されて負担が増えるのは致し方ないとしても、この医療費控除を活用して、なるべく介護保険サービス費を節約したいものです。

そこで、今回は、介護保険サービスの医療費控除対象について解説していきます。

1.介護保険サービスは医療費控除の対象になる? 

介護保険が適用される介護保険サービスの多くは医療費控除の対象となりますが、医療費控除の対象にならない介護保険サービスもあります。

介護保険制度のもとで介護保険サービスを利用した場合、以下の3種類があります。次の章からより、これら3種類のサービスについて解説します。

  • 医療費控除の対象になる居住サービス
  • 控除対象になる居住サービスと併用して利用した場合にのみ医療費控除の対象になるサービス
  • 医療費控除の対象にならないサービス

2.医療費控除の対象となる居宅サービス等

無条件に医療費控除の対象になる居宅サービスには、次のようなものがあります。

  • 訪問看護
  • 介護予防訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 通所リハビリテーション【医療機関でのデイサービス】
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 短期入所療養介護【ショートステイ】
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
    ※一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限る
  • 複合型サービス
    ※上記の居宅サービスを含む組合せにより提供されるものに限る
    ※ただし、生活援助中心型の訪問介護の部分を除く

3.居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス等

2章で紹介した居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となるサービスには、次のようなものがあります。

  • 訪問介護【ホームヘルプサービス】
    ※生活援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助)中心型を除く
  • 夜間対応型訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 通所介護【デイサービス】
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 短期入所生活介護【ショートステイ】
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
    ※一体型事業所で訪問看護を利用しない場合、および連携型事業所に限る
  • 複合型サービス
    ※上記2の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるものに限る
    ※ただし、生活援助中心型の訪問介護の部分を除く
  • 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
  • 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

4.医療費控除の対象外となる居宅サービス等

医療費控除の対象とならないサービスには、次のようなものがあります。

  • 訪問介護(生活援助中心型)
  • 認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護
  • 特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム等】
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 介護予防地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護の部分限る。)
  • 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスに限る。)
  • 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスに限る。)
  • 地域支援事業の生活支援サービス

5.介護保険料の医療費控除 申請手続

医療費控除とは、支払った医療費の一部が所得(給与や年金など)の合計から差し引かれる控除の一つで、この控除額が多ければ多いほど所得税などの税金が少なくなります

上記で見てきたとおり、この医療費控除に含むことができる「介護保険サービス」が多くありますので、介護保険サービス料を通常の医療費(病院で受けた診療、治療費、入院など)に合算して、確定申告により控除の申告を行います。

確定申告は、原則、毎年2月16日〜3月15日(曜日等により変動があります)に行う必要があります。

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6.介護保険の医療費控除に関するQ &A

受けている介護サービスが医療費控除の控除対象かどうか、判断に迷うケースが多々あると思います。ここでは、そのような判断に迷うケースや、よくある質問について見ていきます。

高額介護サービスは対象になる? 

高額介護サービスも医療費控除の対象になりますただし、月間で、自己負担の合計額が一定の上限を超えた場合、「高額介護サービス費」として払い戻される制度があります。

「高額介護サービス費」として払戻しを受けた場合は、「実際に支払った介護サービス料」から「払い戻しを受けた高額介護サービス費」を差し引いて、その差額を医療費控除に加えます。

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控除されるのは支払った医療費全額? 

介護保険サービス料として支払った金額が全て医療費控除になるわけではありません。医療費控除ができる金額は、次の式で計算した金額となります。なお、医療費控除ができる最高額は200万円です。

【実際に支払った医療費/介護保険サービス料の合計額】ー【下記①の金額】ー【下記②の金額】
①の金額

生命保険などから支給される入院費給付金、健康保険などで支給される高額療養費、高額介護サービス費など補てんされる金額

なお、この補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費や介護保険サービス費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じても他の医療費からは差し引くことはできません。

②の金額

10万円。なお、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を差し引きます。

医療費控除の計算(簡易シミュレーション)

医療費控除の申請に領収書は必要? 

領収書など支払いを証明できるものが必要です。

確定申告で提出する必要はありませんが、確定申告提出後に、税務署から問い合わせがある場合がありますので、確定申告から5年間程度、保管しておきましょう。

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ベッドのレンタル費は医療費控除の対象? 

「福祉用具貸与」や「介護予防福祉用具貸与」は医療費控除の対象になりません。車いすや電動ベッドなどの福祉用具は、医療費控除の対象外です。

有料老人ホームの料金は医療費控除の対象? 

一般的には、有料老人ホームは医療費控除の対象外です。ただし、有料老人ホームでも、医療行為が行われればその費用は控除対象となります。

医療費控除の対象かどうか、複雑でよくわからない

医療控除の対象かどうか、また、いくら医療費控除に加えて良いのか、迷うこと多々あります。

医療費控除の対象となるサービスについては、領収書に、その医療費控除額が記載されていますので、迷ったら領収書を確認しましょう。

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7.まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、介護保険サービスが医療費控除の対象になるケースについて解説していきました。

一言で言えば、医療費控除の対象になるのは、医療系のサービスである場合です。対象のサービスであれば、確定申告で医療費控除の申請を行うことにより、払いすぎた医療費が一部戻って来る可能性があります。医療控除の対象であれば、領収書に医療字控除額が書かれていますので、ご自分が対象になるかしっかり確認するようにして、その領収書などは保管しておくようにしましょう。

今回の記事は、下記の国税庁のホームページを参照にしてます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1127.htm

 

 

 

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