マイナンバーカード・通知カードはコピーの提出でもOK?

コピー

会社や税務署などでマイナンバーの提出を求められる機会がありますが、マイナンバーカードを普段持ち歩くのは何とも不安ですよね。

運転免許証や住民票のように、原本ではなくコピーで提出できるなら、そちらの方が手軽です。

マイナンバーカードはコピーの提出でも認められるのか、シチュエーションごとに解説していきます。

1.マイナンバーはどんなときに提供するの?

マイナンバーは主に以下のような場合に提出が求められます。

  • 入社時、雇われる時(バイトを含む)
  • 確定申告
  • 個人事業主で源泉徴収をされている時
  • 株、投資信託などの証券取引する場合

会社に入社する際、給与所得者の扶養控除等申請書にマイナンバーを記入しますし(次のような書類)、記入しない場合にも原則、マイナンバーの提出が求められます。

令和2年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 記入例

確定申告を行う際にも申告書にマイナンバーを記入します。

その他にも、個人事業主で契約先から源泉徴収されている際には、支払い元にマイナンバーを提出しますし、証券取引をされる場合に金融機関などへマイナンバーを提供することもあります。

一般的には上記のような場面でマイナンバーを提供が求められます。

2.マイナンバーの番号確認と身元確認

企業や税務署などが個人からマイナンバーの提供を受ける場合、必ず本人確認を行わなければなりません。

確認方法としては「番号確認」と「身元確認」が必要となり、原則として下記の3つ方法のうちいずれかの提出が求められます。

  1. マイナンバーカード(番号確認、身元確認)
  2. 通知カード(番号確認)+運転免許証(身元確認)など
  3. マイナンバーが記載された住民票の写し(番号確認)+運転免許証(身元確認)など

また、2020年5月25日以降から通知カードは廃止されているため、通知カードに記載の氏名、住所が住民票に記載の内容と一致している場合のみ番号確認書類として使えます。

通常はこれらの書類を直接提示するか、またはコピー(写し)を添付することで提出をします。

e-Taxなどオンライン上で申請を行う手続きの場合は、電子証明書が本人確認となります。

3.コピーの提出でもOKなのか?

マイナンバーを提出する機会はさまざまありますが、「原本」「コピー」のどちらを提出する必要があるのか迷いますよね。

これに関しては提出または提示する方法によって異なります。

対面の場合

まず、対面の場合は原則として「原本」の提示が必要です

原本の提示が困難な場合には、会社側でコピーでの提出を許可してくれる可能性もありますが、本来は認められていません。

原則に従うのであれば、別の日に提示するよう求められるでしょう。

また、マイナンバーカードや通知カードを持っていなくても、「マイナンバーが記載された住民票の写し」であればすぐに入手できるので、そちらを提出するといいでしょう。

郵送の場合

郵送でマイナンバーを提出する場合は、「コピー」を提出します。原本のカードを送ることはありません。

銀行や証券会社などの金融機関にマイナンバーを提出する際は、こちらの方法がよく行われます。

その他にも、原稿料や講演料の支払元や、フルリモートワークで会社にマイナンバーを提供する際はコピーによる対応が認められます。

4.カードケースに入れたままコピーしても良い?

マイナンバーカードは専用のカードケースが付属しており、ケースに入れることでカード上に記載の一部の情報が隠されます。

例えば、表面(顔写真側)であれば「性別」や「臓器提供意思」が隠されますし、裏面だと「マイナンバー(個人番号)」が隠されます。

マイナンバー カードケース

マイナンバーカードのコピーを提出する場合、カードケースに関する対応は表裏で異なります。

表面の場合、臓器提供意思表示欄という高度な個人情報が含まれていることからケースに入れたままでのコピーが認められます

裏面はマイナンバーを提出する必要があることから、ケースから外してコピーをする必要があります

5.レンタル店やスポーツクラブで、コピーを求められたら

マイナンバーカードは「身分証明書」としても利用可能です。

上記で紹介した使い方以外でも「レンタル店」や「スポーツクラブ」といった民間団体での登録手続きで身分証明書として使うことができます。

ただし、身分証面書として使えるのはマイナンバーカード表面の「顔写真」や「住所」「氏名」「生年月日」といった情報のみでマイナンバー自体は利用してはいけません。

そのため、身分証明書として使う場合は、カードケースに入れて表面だけを見せるという対応になります。

お店によって身分証明書のコピーをとる場合もありますが、その際もカードケースに入れた状態で表面だけをコピーさせるようにしてください。

マイナンバーが記載された裏面については提出してはいけませんし、店側も提出を求めてはいけないルールとなっています。

マイナンバーは「税」「社会保障」「災害対策」という3つの分野手続きでの利用しか法令で認められていないので注意してください。

なお、通知カードは表面にマイナンバーも記載されているため、そもそも身分証明書としては利用できません

6.コピーも大切な個人情報であることを忘れずに

マイナンバーカードはコピーによる提出も可能であることがわかりました。

しかし、コピーだとセキュリティ意識が希薄になって、置き忘れや紛失など管理が雑になってしまう可能性もあります。

コピーとはいえ、原本と同じ情報が記載された大切な個人情報であるため、自分の個人情報をしっかり守るよう管理は徹底しておきましょう。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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