独身から結婚へ、税金面でどう変わる?

結婚

結婚は人生な大きなライフイベントです。
独身生活から結婚へ新しい生活を迎えるにあたって税金面では、どう変わるのでしょうか?

この記事では、「配偶者控除」などの用語は聞いたことがあるけれどもよくわからないという方に、結婚後の税金や社会保険料にまつわる疑問を解決していきます。

基礎控除額、給与所得控除額について、令和2年度から改正されました。本記事では令和2年分以降の金額を基に記載しています。

1.税金は人生選択で大きく変わる

税金は人生選択で大きく変わります。

結婚という人生の大きなイベントではどのように変わるのか、ケースごとに具体的に見ていきましょう。結婚後に現在の仕事を続ける場合は改姓や結婚届けなどの社内手続きが必要になります。

また、結婚を機に退職して転職をした場合は、失業保険や健康保険、年金などで手続きが必要になります。

結婚を機に退職して、会社員の夫(妻)の扶養家族になる場合は、扶養控除が受けられるため、これらに加えて扶養の手続きが加わります。
扶養に入る際に夫(妻)が会社員でなく、自営業の場合は国民年金や国民健康保険の手続きが必要になります。

このように結婚後のケースに応じてそれぞれ必要な手続きが変わります。

2.結婚後に適用されるお得な控除

独身時代には適用されない、結婚後に追加で適用されるお得な制度について説明します。

(1)配偶者控除

納税者(所得のある夫(妻))に、所得が少ない配偶者がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられます。これを「配偶者控除」といいます。

配偶者控除は所得に制限があり、配偶者の合計所得金額が48万以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)、控除を受ける納税者本人の合計所得金額(※1)が1000万円以下の場合、13万円〜38万円(※2)の控除を受けることができます。

配偶者控除を受けるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。条件の判定日はその年の12月31日です。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係・事実婚の人は該当しません。)
  2. 納税者と生計を一つにしていること。
  3. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。

たとえば結婚する本人の所得が40万円、夫の所得が600万円だとすると上限の38万円の配偶者控除を受けることが出来ます。
夫の所得から38万円を差し引くことが出来ますので、夫の所得税率が10%だとすると38万円✕10%=38,000円分の夫の所得税を減らすことが出来ます。

※1 合計所得金額とは事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)などを合計したものです。
※2 控除対象配偶者が70歳以上の方は老人控除対象配偶者となり、48万円の配偶者控除が適用されます。

(2)配偶者特別控除

次に配偶者特別控除です。

配偶者に48万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときに、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得税の控除を受けることが出来ます、これを「配偶者特別控除」といいます。

似た単語に扶養控除がありますが、扶養控除の対象は、生計を一つにする16歳以上の親族となっており、配偶者は対象とすることが出来ません。

配偶者特別控除は配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1000万以下の場合、1万円〜38万円の控除を受けることができます。条件は配偶者控除の条件と同じです。

(3)  社会保険料

結婚すると社会保険料もお得な制度が適用される場合があります。
結婚後に退職して配偶者の扶養に入る場合は、配偶者の職業によって適用される制度が異なります。

配偶者が自営業の場合

配偶者が自営業の場合は、国民健康保険・国民年金(第1号)に加入するため、それぞれ変更手続きが必要になります。

手続きをしないと無保険の状態になってしまい、病気やケガはもちろん、妊娠して受診するときも保険証が使えなくて困ることがありますので忘れず手続きしましょう。

配偶者が会社員の場合

配偶者が会社員の場合は配偶者の会社が加入している健康保険や国民年金(第3号)に加入することになります。
この場合は健康保険料や国民年金保険料の支払いが免除されます。

加入の手続きは配偶者の勤務している会社を通じて行います。また、氏名変更及び住所変更の手続きは、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則として届出は不要です。

3.結婚後の具体的な手続き

それぞれのケースごとにどのような手続きをすればよいかを順に確認しましょう。

(1) 現在の仕事を続ける場合

配偶者の夫(妻)の扶養に入らず仕事を続ける場合は、税金や社会保険料は特に変わりません。

主に勤務先での結婚や改姓の手続きを行います。直属の上司に結婚を報告して、勤務先の総務部や人事部に連絡して必要書類を入手し、結婚の届け出の方法を確認して手続きを行います。

(2) 結婚を機に退職して、転職をする

直属の上司に結婚を報告して、退職届を提出し退職の引き継ぎなどを行います。

退職後は、住所地のハローワークで失業給付の手続きをします。

住所地の役所で国民健康保険・国民年金(第1号)の手続きをします。

失業保険の手続きをしても、失業手当を受け取っていない期間中は、夫の扶養に入ることができます。つまり一時的に「健康保険・国民年金(第3号)の手続き」をします。

※要件を満たせば、「健康保険の任意継続被保険者手続き」という方法で退職前の会社の健康保険を継続する方法もあります。収入によっては国民健康保険よりも保険料が安くなる場合があります。継続できる期間は最長2年間です。資格喪失日から20日以内の手続きが必要なので、加入していた健康保険協会へ早めに手続きしましょう。

転職後は、転職先の会社を通じて健康保険、厚生年金の手続きをします。入社時の手続きと一緒にする場合が多いです。

その年に再就職をしなかった場合は、住所地の税務署で確定申告が必要になります。

(3)  結婚を機に退職して、会社員の夫(妻)の扶養家族になる

直属の上司に結婚を報告、退職届を提出します。

退職後に配偶者(扶養者)の勤務先で、国民年金(第3号)の手続きをします。「国民年金第3号被保険者該当届」と年金手帳と一緒に配偶者が勤務している会社へ提出して手続きをしてもらいます。配偶者の加入する健康保険へ被扶養者として加入する手続きも会社を通じて行います。

翌年には、住所地の税務署に確定申告をして、還付金を受け取るか納税の手続きを忘れないようにしましょう。

(4)  結婚を機に退職して、自営業の夫(妻)の扶養家族になる

直属の上司に結婚を報告して、退職届を提出します。

退職後に住所地の役所で、国民健康保険・国民年金(第1号)の手続きを行います。各市町村の窓口や年金事務所などで手続き出来ます。

翌年には、住所地の税務署に確定申告をして、還付金を受け取るか納税の手続きを忘れないようにしましょう。

まとめ

結婚後の税金や社会保険について、ご案内しました。

ご覧頂いたように日本の社会保障制度は意外と手厚いことがおわかりいただけたと思います。結婚すると配偶者(特別)控除などの所得税の控除を受けることが出来ます。

また、健康保険や年金では配偶者が会社員であれば、保険料の支払いが免除される第3号被保険者の仕組みが利用できます。

制度や仕組みをよく知っておけば結婚後に戸惑うこともなくなるでしょう。

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