確定申告が必要な人／不要な人／必要はないがするとお得な人

確定申告が必要になるケース、しなくていいケースについてそれぞれ条件を解説します。

この記事で解ること

1. 確定申告が必要な人（しないといけない人）の条件
2. 確定申告が不要な人（しなくていい人）の条件
3. 確定申告をする必要はないが、するとお得な人（還付金をもらえる人）の条件

なお、本記事で掲載した人以外にも、該当するケースがありますので、詳細は税務署にお問い合わせください。

1．確定申告が必要な人

一定の収入（所得）がある場合には、原則として確定申告を行い納税をする（または還付を受ける）必要があります。

確定申告の必要がある人をケース別にあげていきます。

会社員や公務員

• 会社員や公務員などの給与所得者で、給与による年間収入が2,000万円を超えている人
• 2カ所以上から給与を受け取っていて、年末調整されていない給与とそれ以外の収入が20万円を超えている人
• 給与所得と退職所得以外の所得（副業による収入など）が20万円を超える人
• 年末調整を行っていない人
• 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに、退職金を受け取った人

公的年金を受け取っている人

• 公的年金の年間収入が400万円を超えている人
• 受け取った公的年金が源泉徴収されていない人
• 年金以外の所得額が20万円を超える人

利益が発生した人

• 不動産を売却して利益が出た人
• 満期保険金や解約返戻金を受け取っており、払込保険料を差し引いた金額が50万円を超える人

個人事業主（自営業者やフリーランサー）

• 事業を行っており、事業所得がある人
• 賃貸経営をしており、不動産所得がある人

他

• 同族会社の役員などで、会社から貸付金の利子や貸付資産の賃貸料を得ている人
• 災害減免法が適用されていて源泉徴収税の猶予を受けている人

2．確定申告が不要な人

所得税がかからない所得（非課税所得）がある人は、確定申告をする必要はありません。
（ただし、「1．確定申告が必要な人」にも該当する場合を除きます。）

収入が少ない人

• 所得が48万円以下（給与収入の場合は103万円以下）の人

公的な給付金（手当）等をもらった人

• 遺族年金・障害年金をもらった人
• 健康保険による給付金（傷病手当金・出産育児一時金・出産手当金など）をもらった人
• 雇用保険により失業給付金（手当）をもらった人
• 児童手当をもらった人

非課税の収入を得た人

• 損害保険金、損害賠償金、慰謝料などをもらった人
• 扶養義務のある人から、学費や仕送り（生活費）をもらった人
• 祝い金、香典、見舞金などをもらった人
• 会社員・公務員の出張手当や月15万円以下の通勤手当をもらった人
• ノーベル賞やオリンピックメダル受賞等で、報奨金をもらった人
• 宝くじ、スポーツ振興くじ（サッカーくじ）による当せん払戻金を得た人
• オープン型証券投資信託の特別分配金を得た人

3．確定申告をする必要はないが、するとお得な人

会社員・公務員で、年収2,000万円以下の給与収入しかない場合には、基本的には、確定申告は不要です。

ただ、寄付をした場合、医療費を多く支払った場合など、確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ってくる（還付金を受け取れる）こともあります。

医療費関連

• 年間で支払った医療費が10万円を超える人
  （年間の所得が200万円未満の場合は、年間で支払った医療費が所得の5％を超える人）
• 指定の市販薬を12,000円以上購入した人

住宅関連

• 住宅ローンを組んで、住宅を購入・建築・増築した人
• バリアフリーや省エネ、耐震に関わる改修工事をした人

寄付をした人

• ふるさと納税をした人
• 国や自治体が認める機関に寄付をした人

源泉徴収により税金を引かれた人

• 複数の会社でアルバイト・パートで働いていて、源泉徴収により給与から税金を引かれた人
• ライター、デザイナー業務などで、源泉徴収により原稿料や報酬から税金を引かれた人
• 株式の配当を受け、その際に源泉徴収された人

損失があった人

• 台風・地震・火災・盗難などによって自宅や家財に被害を受けた人
• 株式やFXなどの投資で損失があった人
• 住宅を売却して損失（譲渡損）があった人

他

• 年末調整で、生命保険料や地震保険料の控除の申告をしなかった人
• 本人以外の社会保険料を支払っている人
• 年末調整をした後に、家族関係に変化があり、扶養対象となる人が増えた人

まとめ