法人カードの選び方とは|あなたに合った一枚をご提案
初めて個人事業主になった、法人登記をして法人化した。そんな方が気になるのが、資金繰りや経費精算の脳雑さかと思います。…[続きを読む]
経費精算の事務処理は社員・役員だけでなく、経理担当者にも負担がかかります。定期的に発生するものが多いだけに経費精算を簡略化出来れば事務処理のコスト削減効果は大きいです。
実は、法人カードを利用することで経費精算そのものをなくしてしまうという方法があります。その方法を具体的に紹介していきます。
目次
経費精算とは社員・役員が個人的に立て替え払いした経費を、後日精算することです。
通常は社員・役員が領収書や必要書類と引き換えに経理担当者から経費の支払いを受けます。金額が大きくなると立替の負担が増してしまうので場合によっては、事前に仮払いを行う場合もあるでしょう。
現金の出納を伴う場合もあるため経費精算の作業はかなり煩雑で事務コストがかさみます。
実際の経費精算の業務フローですが、社員が出張で東京⇄新大阪の新幹線代を精算する場合を考えてみましょう。
社員は出張の際に新幹線の切符を買う際に領収書をもらいます。
出張後に社員が会社指定フォーマットの出張旅費精算書などを記入し、新幹線の領収書を証憑として添付して、上長に提出し確認・押印をしてもらいます。その後経理に提出します。経理担当は経路や定期券との重複、料金など、その内容を確認し、内容に問題が無ければ仕訳入力を行い、証憑として領収書をファイリングします。経理担当は締め日で交通費の精算を締めて、該当の社員に支払います。
なぜこのような手続きになるかというと、出張旅費は原則、所得税が非課税で出張に使う交通機関では領収書をもらわないケースも多く、悪用するとカラ出張や経費の水増しに使われる可能性があるためです。いざ税務調査をされたとき、税務署に対して、正当な経費であることを証明するために普段からきちんと領収書や出張の記録などを管理する必要があるのです。
実際の経費の種類はどのようなものがあるのでしょうか?
主な経費精算の種類は以下の通りです。
個人事業主・役員の場合は本人が会社の現金を管理していることも多いですが、個人的な支払いと混ざりがちです。たとえば、飲食、物品購入、ガソリン代などです。
個人事業主のスーツの購入代金は経費としては認められません。その他にも、出張の交通費精算において、出張先で業務と関係のない観光やレジャーにかかる部分は同様に経費として認められません。
このようなケースでは個人利用と会社経費は明確に区別すべきですが、後から分けるのは大変な作業となります。
経費の精算をなくしたり、減らすにはどのようにすればよいのでしょうか?そもそも経費精算が必要になるのは、社員・役員が経費を立て替えるからなので、立て替えをやめれば経費精算をなくせるはずです。
それでは、立て替えを止めるためにはどのような方法が考えられるのでしょうか?
まず思いつくのが、会社の小口現金を各担当者・役員毎に用意して利用させる方法です。
この方法は簡単ですぐにでも出来ますが、管理が意外と大変です。
小口といっても金額によっては数十万円以上となる場合もあります。
現金の過不足を防ぐために業務終了後に手元の現金を数えて金庫に納める必要があるので、業務への負担も増してしまいます。横領や盗難などを防ぐために小口現金を扱う担当者だけではなく、上長や経理担当者の立ち合いや確認が必要になることから会社全体でみてもかなりの事務コスト負担となってしまいます。
そこで登場するのが法人カード(法人向けクレジットカード)です。
法人カード利用なら、経費精算も小口現金もなくせるため、事務コストを大幅に削減できます。
少しでも法人カードが気なっているという方にはこちらの記事が参考になります。
実際に法人カードを使うとどのようなメリットがあるのか詳しくみていきましょう。
法人カードを利用する事によって社員・役員と経理の双方の事務作業がなくなります。
社員、役員は経費精算の書類作成の手間がなくなる上に、立替払いによる負担もありません。
経理担当者は社員への振り込み作業や書類などの確認作業の事務処理の負担が軽減されるほかに、口座振込による精算を行っている場合は振込手数料を削減できます。
法人カードの利用によって小口現金を用意する必要がなくなります。現金の取り扱いを無くすことで金庫などのセキュリティコストがかかるほかに毎日の現金残高の確認の手間を削減できます。
経理担当者の経費精算の事務処理として領収書を見ながらの仕訳入力があります。内容の確認や入力の間違いが無いようにするため、大変な作業ですが、法人カードを利用すれば、利用明細を会計ソフトに取り込めば事務処理は完了です。
決済の日時や場所や精算金額が自動的にデータ化されて会計ソフトが暫定的に勘定科目ごとに割り振ってくれるのであとは必要に応じて、勘定科目や消費税区分、摘要欄を適切に入力したり、チェックするだけで大丈夫です。
法人カードを会計ソフトとクラウド連携すれば、利用した履歴は自動的に毎日クラウドにデータ化されます。
利用明細もWEBですぐに確認できますし、金額の入力も必要ないためミスのチェックの手間もありません。利用明細データはCSV形式で一括ダウンロード出来ますので、従業員と経理担当者双方の業務時間が大幅に削減できます。経費の請求忘れや不正行為なども防止することができ一石二鳥です。
法人カードを渡すのは通常は経理担当社員や役員などです。一般社員までは持たせないので、細かいところで経費精算が発生してしまいます。
そこで、業務フローを改善して、なるべく経費精算をなくしていきましょう。以下は改善出来そうな業務フローの一例です。
クレジット支払いが選択できるなら、経理担当者が会社の法人クレジットで支払うようにします。振り込みなら会社の口座から振り込むようにしましょう。
近年は、WEBからクレジット支払いで申し込み可能な資格試験が多いですので、クレジットカード入力画面だけ経理担当者に入力してもらえば大丈夫です。
今は何でもネットショッピングで購入できます。会社の購買担当がまとめてネットで購入するようにするとよいでしょう。会社としてポイントを獲得でき、まとめ買いによるコストダウンにもなります。
交通機関やホテルの予約・決済もネットでできるため会社の経理担当がまとめて行うようにしたり、法人契約に変えることによりコストを削減できます。高速道路代金は法人ETCカードを利用するとよいでしょう。
法人カードを利用する上で気になることをQ&A形式でまとめました。
法人カードの決済の証明には領収書は要らないのでしょうか?
法人カードの利用明細が、条件を満たしていれば、支払いの証拠にはなります。利用明細に書類の作成者の氏名や名称、課税資産等の譲渡を行った年月日、課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、課税資産の譲渡等の対価の額、書類の交付を受ける者の氏名や名称などの必要事項が記載されている必要があります。
仮にこれらの事実が明細に記載されていたとしても、内容が不明なものは税務調査で突っ込まれる可能性があります。
たとえば百貨店の日本橋高島屋で贈答品を購入した場合、明細には「タカシマヤニホンバシテン」のように記載されますが、これだけでは、どんな商品を誰のために購入したのか全く不明ですね。
そのため、支払先から発行された領収証(レシート)は保存しておいたほうが良いでしょう。
法人カードといえどもカードには名義人が記載されています。カードに記載された名義人だけの利用が原則のため、一枚のカードを社内で使いまわしは出来ません。使い回しはカードの利用規則違反となってしまいます。法人カードは利用する社員・役員ごとにカードを発行するようにしましょう。
法人カードの仕訳はどのように行なったら良いのでしょうか?
以下のようにいろいろな方法があります。
どれが正解という決まりはありませんので、仕訳の方法は変えたりせずに、一貫して同じ方法で仕訳していれば良いでしょう。不安なら顧問税理士に相談をおすすめします。
経費精算は、社員/経理担当者ともに大変な作業ですが、法人カードを利用すれば、経費精算そのものをなくして、経理処理を効率化できます。法人カードで決済した内容は、利用明細としてCSVファイルでダウンロード可能であり、会計ソフトに取り込むことができます。
まだ法人カードを利用されていない方は、一度、検討してみてはいかがでしょうか。