年収103万円の壁、廃止はいつから?【2025年改正】

年収の壁が引き上げられて、今後「年収103万円の壁」はなくなります。この記事では、年収103万円の壁がいつから廃止になるのか、解説します。
目次
1.年収103万円の壁、廃止はいつから?
法律の運用は12月1日から
結論から言うと、103万円の壁が廃止されるのは、2025年12月1日からです。
細かい言い方をすると、改正された所得税法が実際に施行されるのが、12月1日ということです。
逆に言うと、2025年11月30日までは、「103万円の壁」が生きているということになります。
2025年分の年末調整・確定申告はどうなる?
11月30日までは「年収103万の壁」があり、12月1日からは壁が撤廃される、といいましたが、今年の年末調整や確定申告はどのようにすればいいのでしょうか。
年末調整は10月から11月頃に行いますので、法律の改正前に年末調整の手続きを終える会社も多いでしょう。
それでは、2025の年末調整までは「103万円の壁」にのっとった深刻になるのでしょうか?
混乱させてしまったかもしれませんが、法律の施行が12月1日でも、2025年分の収入については、新しい法律が適用されます。
ですから、2025年分の年末調整・確定申告では、年収103万円の壁を考慮する必要はないのです。
所得税は、最終的に、12月31日時点での、年収や家族の状況によって決まります。そして、その12月31日時点の状況で、所得税の税額を計算し直します。
後述の通り、年収103万円の壁は、年収123万円の壁と年収160万円の壁に引き上げられます。
そうすると、11月30日までは、税金を余分にとられすぎた(源泉徴収された)状態になっていますので、12月の年末調整で、例年より多い金額が戻ってきます(還付されます)。
個人事業主・フリーランスの方は、翌年、確定申告をする際に、改正後の所得税法で計算しますので、123万円の壁・160万円の壁になります。
年収103万円の壁がなくなるとどうなる?
年収103万円の壁が撤廃になった後には、新たに以下の二つの壁ができます。
- 年収123万円の壁……親等の扶養に入れる給与
- 年収160万円の壁……所得税がかからない給与
親等の扶養の範囲内で働きたい人は2025年からは年収123万円以内に収め、所得税がかからない範囲内で働きたい人は、年収を160万円以内に収める必要があるということです。
一方で、「パートやアルバイトの収入を103万円以内に収める」ことの意味は、2025年以降はありません。
2.123万円の壁、160万円の壁は、さらに変わる可能性もあり
前述の通り、103万円の壁は2025年から撤廃となり、以下の2つに分裂しました。
- 所得税がかからない:103万円→160万円
- 税金の扶養に入れる:103万円→123万円
この2種類のうち、より大きな影響力を持つのは123万円の壁の方でしょう。
多くの人が、年収123万円以内に抑えてアルバイト・パートをすることが予想されます。そうなると、人手不足の解消につながりません。
高市内閣では引き続き年収の壁引上げについて議論を進めると説明しており、来年以降の年末調整や確定申告では、また壁が引き上げとなる可能性があります。






