【2025年版】ボーナス150万円の手取り・税金はいくら?

150万円のボーナスがでるとき、手取りはいくらになるのでしょうか。この記事では、ボーナスから差し引かれる税金や社会保険料の計算方法をわかりやすく解説します。

1.ボーナス150万円の手取り額一覧表

ボーナス150万の手取りは、個々人の条件にもよりますが、額面のおおよそ6~8割くらいになります。

以下の表は、ボーナス150万の手取り額を様々な条件で計算した結果の一覧表です。

※2025年6月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。

(1)39歳以下の場合

39歳以下の方は、下記の表からご自身の条件に近いものをご覧ください。

  扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
前月給与50万 1,071,046円 1,097,187円 1,123,328円 1,149,470円
前月給与70万 1,018,764円 1,044,905円 1,044,905円 1,044,905円
前月給与100万 888,058円 888,058円 914,199円 914,199円

(2)40歳以上の場合

40歳以上の方は下記の表をご覧ください。39歳以下と40歳以上で金額に差が出るのは、40歳からは介護保険料の天引きが始まるためです。

  扶養親族0人 扶養親族1人 扶養親族2人 扶養親族3人
前月給与50万 1,086,967円 1,086,967円 1,112,865円 1,138,762円
前月給与70万 1,035,172円 1,035,172円 1,035,172円 1,035,172円
前月給与100万 879,786円 879,786円 905,683円 905,683円

2.150万円のボーナスの手取り額の計算方法

この章では、ボーナスから天引きされる税金と社会保険料の金額を計算する方法について、モデルケースを使って解説します。

今回は、40歳以上で独身(扶養家族がいない)、前月給与100万円のケースで解説します。

(1)社会保険料の計算

最初に社会保険料から計算します。社会保険料は次の4つあり、次のような計算式です。

  • 健康保険料: [ボーナスの金額] × [健康保険料率] ÷ 2
  • 介護保険料:  [ボーナスの金額] × [介護保険料率] ÷ 2
  • 厚生年金保険料: [ボーナスの金額] × [厚生年金保険料率] ÷2
  • 雇用保険料: [ボーナスの金額] × [雇用保険料率]

このうち、上から3つは、会社が半分出してくれますので、引かれるのは半額です。

健康保険料

協会けんぽ・東京のケースでは、2025年6月時点で、健康保険料率は9.91%です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)

[ボーナス金額150万円] × [健康保険料率9.91%] × [1/2] =74,325円

介護保険料

介護保険料は40歳以上の方だけかかります。39歳以下の方にはかかりません。

協会けんぽのケースでは、2025年6月時点で、保険料率は1.59%(全国一律)です。(加入している健康保険組合によって保険料率が違います。)

[ボーナス金額150万円] × [保険料率1.59%] × [1/2] =11,925円

厚生年金保険料

社会保険料の中で一番高いのが、厚生年金保険料です。

ボーナス金額が150万円を超えるときは、150万円として計算します。つまり、厚生年金保険料の計算では、ボーナス金額の上限値が150万円であり、150万円を超える部分には厚生年金保険料はかからないのでお得です。

※正確には、4月1日から3月31日までの1年間のボーナス合計額が150万円を超えると、それ以上は厚生年金保険料は発生しません。

2025年6月時点で、健康保険料率は18.3%です。(加入している健康保険組合にかかわらず、保険料率は同じです。)

[上限金額150万円] × [健康保険料率18.3%] × [1/2] =137,250円

雇用保険料

ほとんどの人が該当する「一般の事業」では、2025年6月時点で、雇用保険料率は0.55%です。

[ボーナス金額150万円] × [雇用保険料率0.55%] =8,250円

社会保険料の合計

ここまでの社会保険料をすべて合計します。

74,325円 + 11,925円 + 137,250円 + 8,250円 = 231,750円

(2)税金(所得税)の計算

次に税金を計算します。ボーナスにかかる税金は所得税のみです。住民税はかかりません。

[所得税] = [ボーナスの金額 - 社会保険料の合計額] × [源泉徴収税率]

少しややこしいのですが、源泉徴収税率は、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額を元に「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」を見て決定します。

毎月の給与が100万円の人の場合、前月の給与50万円から社会保険料を控除すると約42万円(計算省略)です。扶養家族は0人ですので、この表を見て、税率は14.294%となります。

[所得税] = [ボーナス金額150万円 - 231,750円] × [14.294%] = 181,283円

あとは、税金と社会保険料を引けば、手取り金額が出ます。

[ボーナスの手取り額] = [ボーナス金額150万円] – [181,283円 + 231,750円] = 1,086,967円

(3)ボーナス150万円では、所得税が圧倒的に高い

ボーナス150万円のケースでの、税金と社会保険料を一覧にしました。所得税の源泉徴収額が圧倒的に高いことがわかります。

所得税は「累進課税」といって、所得(収入)が多いほど、税率が高くなります(詳細は「所得税の税率と速算表・早見表」をご覧ください)。

項目名 金額
健康保険料 74,325円
介護保険料 11,925円
厚生年金保険料 137,250円
雇用保険料 9,000円
源泉徴収額 181,283円
手取り額 1,086,967円

なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法もお話ししています。

3.ボーナス150万円はすごいのか?

1回でボーナス150万円をもらうケースはどのくらいあるのでしょうか?

日本経済新聞社が、2024年夏のボーナスのランキングを発表しています。

順位 会社名 2024夏季
ボーナス金額
1 ディスコ 4,352,985円
2 ショーボンドホールディングス 2,718,156円
3 商船三井 2,610,000円
4 テレビ東京 2,445,700円
5 積水ハウス 2,253,700円
6 鹿島 2,200,000円
7 東京エレクトロンデバイス 1,970,864円
8 東京自働機械製作所 1,890,385円
9 芝浦メカトロニクス 1,799,417円
10 大塚商会 1,665,470円
11 大林組 1,653,000円
12 JBCC 1,635,570円
13 MARUWA 1,630,000円
14 ソフトバンク 1,625,664円
15 オオバ 1,608,774円
16 ユニ・チャーム 1,605,710円
17 兼松エレクトロニクス 1,538,861円
18 荏原 1,537,000円
19 FCホールディングス 1,514,201円
20 大成建設 1,510,000円

【引用】日本経済新聞:ボーナス調査

これを見ると、ボーナス平均支給額が150万円を超えている会社は、20社です。上場企業だけでも、3937社(2024年6月5日時点)ですから、そのうちの上位1%以内です。

1回のボーナス150万円というのは、相当にレアなケースであることがわかります。一般的な会社員でボーナス150万円をもらえるのは、ごく少数の限られた人です。

ただし、会社の役員であれば、役員賞与として、150万円以上をもらうケースはそこそこあります。1回の役員賞与が150万円を超えると、厚生年金保険料は137,250円に固定され、それ以上、払う必要がありませんので、150万円を超える金額に設定することがよくあります。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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