【毎月勤労統計調査-2023年5月】実質賃金が14ヶ月連続減少

毎月勤労統計調査 結果の概要

厚生労働省が、2023年7月7日に発表した、毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)の令和5年(2023年)5月分結果速報によると、物価変動を考慮した実質賃金は、前年同月比1.2%の減少でした。

全産業・全労働者の1人当りの現金給与総額は283,868円で前年同月比2.5%増加しましたが、消費者物価指数が3.8%増加となっており、賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、実質賃金が減る状況となっています。

実質賃金がマイナスとなるのは、2022年4月から14ヶ月連続です。

現金給与総額の内訳

現金給与総額について、一般労働者は368,417円(3.0%増)、パートタイム労働者は102,303円(3.6%増)であり、どちらも高い伸びとなっています。

一般労働者の、基本給にあたる所定内給与は323,676円(2.2%増)、残業代にあたる所定外給与は25,589円(1.1%増)でした。

労働時間

労働時間について、一般労働者は前年同月比2.6%増、パートタイム労働者も0.9%増となりました。

雇用者

雇用者数について、一般労働者は前年同月比0.9%増、パートタイム労働者は3.9%増となり、パートタイム労働者の伸びが目立ちました。全体的に人手不足であり雇用が増えています。

パートの時間給

パートタイム労働者の時間当たり給与は1,269円(2.5%増)です。

毎月勤労統計調査 結果データ

毎月勤労統計調査 賃金の月別推移
  現金給与総額 実質賃金 消費者物価指数
2021年4月 1.4 2.9 -1.3
2021年5月 1.9 3.1 -0.9
2021年6月 0.1 0.5 -0.6
2021年7月 0.6 1.0 -0.4
2021年8月 0.6 1.1 -0.5
2021年9月 0.2 0.0 0.2
2021年10月 0.2 0.1 0.1
2021年11月 0.8 0.1 0.7
2021年12月 -0.4 -1.3 0.9
2022年1月 1.1 0.5 0.6
2022年2月 1.2 0.0 1.1
2022年3月 2.0 0.6 1.5
2022年4月 1.3 -1.7 3.0
2022年5月 1.0 -1.8 2.9
2022年6月 2.0 -0.6 2.8
2022年7月 1.3 -1.8 3.1
2022年8月 1.7 -1.7 3.5
2022年9月 2.2 -1.2 3.5
2022年10月 1.4 -2.9 4.4
2022年11月 1.9 -2.5 4.5
2022年12月 4.1 -0.6 4.8
2023年1月 0.8 -4.1 5.1
2023年2月 0.8 -2.9 3.9
2023年3月 1.3 -2.3 3.8
2023年4月 0.8 -3.2 4.1
2023年5月 2.5 -1.2 3.8

【出典】厚生労働省:毎月勤労統計調査 結果の概要

よくある質問

毎月勤労統計調査とは何ですか?

主に5人以上の事業所を対象に、毎月の賃金、労働時間および雇用の変化を把握するために、厚生労働省が実施している調査です。

統計調査結果の用語を教えてください

  • 現金給与総額:支払われた給与の総額
  • きまって支給する給与:労働協約、就業規則などで定められた、毎月、必ず支給する給与
  • 所定内給与:基本給、通勤手当、家族手当、住宅手当など
  • 所定外給与:残業手当
  • 特別に支払われた給与:賞与、報奨金など
  • 実質賃金:現金給与総額から物価の変動を考慮したもの
服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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