iDとクレジットカードの違いとは?|お得さ・便利さ比較

画像引用|iD公式

iDはとても広く利用されている電子マネーで、使ったことはなくても聞いたことがある・ロゴを見たことがある人は多いでしょう。

この記事では、iDの特徴と使い方についてクレジットカードと比較しながら解説していきます。

1.そもそもiDとは?

iDとクレジットカードの違いをお伝えする前に、iDとはなんなのか基本的な特徴を確認しておきましょう。

①iDは「電子マネー」の一種

iDとは、ドコモが運営する「電子マネー」です。

SuicaやPASMO、nanacoなどのように、専用のカードかスマートフォンをレジにかざすことで現金がなくても買い物ができます。

②iDの始め方とチャージ方法

Suicaは駅で、nanacoはセブンでやヨーカドーなどでカードを発行し、すぐに利用することができますね。それではiDはどうやって始めればよいのでしょう?

iDの始め方には以下の3つがあります。

  • iD機能が付いているクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードを用意する
    →カードをレジにかざして支払う
  • iDに対応しているクレカ・プリペイド・デビットカードをスマホに登録する
    →カードを登録したスマホをレジにかざして支払う
  • LINE PayまたはメルペイでiDの設定をする
    →アプリの入ったスマホをレジにかざして支払う

クレジットカードやデビットカードを利用する場合はチャージ不要で、カードや設定の準備ができればすぐにiDでお買い物をすることができます。

プリペイドカードやLINE Payを利用する場合は、お買い物の前にチャージ(入金)をしておく必要があります。

メルペイを利用する場合は事前にチャージした残高から支払うこともできますが、翌月にまとめて支払うこともできるので事前にチャージをしなくてもiDでのお買い物ができます※。

※「メルペイスマート払い」という機能をつかうとメルペイの利用料金を翌月にまとめて後払いすることができます。

2.iDとクレジットカードの違い

iDとクレジットカードについて6つの点から比較していきます。

比較ポイント① 始め方・作り方

クレジットカード

クレジットカードの申し込みをすると、入会審査が行われます。審査に通るとクレジットカードが発行されます。申し込みから発行までの期間は、早ければ数日、長ければ1ヶ月ほどかかります。

iD

iDの始め方は先ほどお伝えした通りで、以下の3つのうちのどれかを用意すれば始められます。

  1. iD機能が付いているクレジットカード・プリペイドカード・デビットカード
  2. iDに対応しているクレカ・プリペイド・デビットカード+スマホ
  3. LINE Payまたはメルペイをインストールしたスマホ

①②ではクレジットカードが必要で、③の場合はクレジットカードがなくても始めることができます。

比較ポイント② レジでの使い方

普段の買い物で利用するものであれば、「使いやすさ」は重要なポイントです。レジで実際に使う際の、具体的な方法と手順を比較してみましょう。

クレジットカード

皆さんご存じの通り、店員さんにカードを渡すか自分で端末に挿入して支払います。

コンビニやスーパーなどでは多くの店でサインや暗証番号が不要になっていますね。

また、Visaのタッチ決済、マスターカードのコンタクトレス決済に対応しているお店ではクレジットカードをレジの端末にタッチするだけでお会計ができます。この場合はiDの使い方と違いはありません。

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iD

レジで店員さんに「iD払いで」と伝え、カードまたはスマホをレジの端末にかざして支払います。

Androidスマホの場合、スマホを起動したりする必要はないのでそのままスマホをレジの端末にかざしましょう。「タントン」という音が鳴れば支払い完了です。

iPhoneの場合は本人認証が必要なのでスマホをレジ端末にかざす前にFace iDかTouch iDで認証を行います。

Face iDに対応したiPhoneの場合はサイドのボタンをダブルクリック、Touch iDに対応したiPhoneの場合は、Touch iDに指を載せます。画面上にWalletアプリに登録したカードが表示されるので、iD払い対応のカードを選びましょう。カードを選んだらiPhoneを端末機にかざします。音が鳴れば支払い完了です。

iD決済では基本的にサインや暗証番号は不要ですが、高額決済の場合は、暗証番号やサインが求められることがあります。

比較結果

  • iDではカードの挿入・サイン・暗証番号入力などが不要でスピーディー
  • タッチ決済、コンタクトレス決済を利用する場合はiDもクレカ払いも変わりはない
  • iDでも高額決済では暗証番号・サインが必要

比較ポイント③ 使えるお店や用途

クレジットカード

使える店舗の数はiDと比較しても多く、クレジットカードはほとんどが国際カードブランドに属しているため、海外でも利用できます。

また、ネット決済に対応しているほか、公共料金や税金の支払いにも利用することができます。

ただし、ランチタイムの飲食店、百均、低額のファーストフード店などではクレカ払いができないことも多いため万能というわけではありません。

iD

iDの端末設置数は全国に100万台以上(2021年現在)で、コンビニやスーパー、ドラッグストアはもちろん、高島屋などの百貨店でもiDを導入しています。

ただし、ネット決済に関しては1店舗(さくら観光)を除き、利用することができません(2021年現在)。

一方、クレカが使えない自販機やファーストフード店でもiDは利用可能という事もあります。

比較結果

  • クレカの方が使えるお店が多い
  • クレカはネットショッピングや海外でも使える
  • クレカがNGでも電子マネーが使える場面もある

比較ポイント④ ポイント還元

決済方法を選ぶ際に、ひとつの基準となるのがポイントの還元です。ポイント還元の有無、そしてポイントの還元率を比較してみましょう。

クレジットカード

クレジットカード決済では利用額に応じてポイントが還元されます。

還元率はクレジットカードによって異なりますが、平均すると0.5%程度で、還元率1%以上であれば高還元率のクレジットカードと言えるでしょう。

iD

iDには独自のポイントプログラムがありません。同じ電子マネーでも、「nanaco」を使用すれば「nanacoポイント」が貯まり、「楽天Edy」を使用すれば「楽天ポイント」が貯まりますが、iDを使用してもiD独自のポイントが貯まるわけではありません。

ただし、以下のケース(ポストペイ型といいます)ではクレジットカードで買い物をするのと同じだけのポイントが貯まります。

  • iD機能が付いたクレジットカードでiD払いをする場合
  • クレジットカードをスマホに登録してiD払いをする場合

プリペイドカードやデビットカードを利用してiD払いをする場合も、プリペイドカード決済、デビットカード決済と同様のポイントが貯まります。

また、カード会社がiD決済のキャンペーンを実施していたり、独自のポイント還元ルールを設定している場合はクレカよりもお得になるケースもあります。

比較結果

  • iD(ポストペイ)とクレカ決済はどちらを使ってもポイント還元率は一緒
  • Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDではiD利用時に還元率がアップするのでiDの方がお得
  • dカードのiDは「スーパー還元ブログラム」が利用できるのでクレカよりお得になるケースがある

比較ポイント⑤ 支払いの上限と分割の有無

クレジットカード

使用限度額はクレジットカード会社が算出します。iDと比較すると高額の支払いも可能で、リボ払いや分割払いにも対応しています。

iD

店舗によっては1回あたりの支払いに「上限額」を設けている場合もあります。
支払いは「1回払いのみ」で、リボ払いや分割払いはできません。

比較結果

  • iDでは高額な買い物ができないお店もある
  • iDでは分割払いができない

比較ポイント⑥ 年会費・利用費

クレジットカードの種類によって年会費の有無が異なります。永年無料のものから、数千円から数十万円かかるものもあります。

一方iDの場合、iDそのものには年会費や利用費は発生しませんが、iDの利用にあたってクレカを用意する場合はクレカによって年会費がかかるものもあります。

比較ポイント⑦ チャージ/引き落とし

クレジットカード

クレジットカードの場合、カードで買い物をした代金が、翌月の指定日にひと月分まとめて銀行口座から引き落とされます。

一月の利用限度額は、クレジットカード会社によって設定されます。

iD

iDは以下の3つのタイプに分けられます。

  • 事前にチャージして買い物をするプリペイドタイプ
    =プリペイドカード、LINE Pay、メルペイでiDを利用するケース
  • iDで買い物した代金が、即時、銀行口座から引き落とされるデビットタイプ
    =デビットカードでiDを利用するケース
  • iDでお買い物した代金が翌月にまとめて銀行口座から引きとされるポストペイタイプ
    =クレカでiDを利用するケース

あらかじめチャージして使う「プリペイド型」は、チャージした金額分だけ使用することができます。使い過ぎが怖い方や、計画的に使いたい方におすすめです。

デビット型はチャージが不要で、かつ預金残高以上の買い物はできないので使いすぎを防止しやすくなります。

ポストペイ型もチャージが不要で、クレジットカードの利用限度額の範囲内でiDを使用することができます。

3.iDとクレジットカードのメリット・デメリット

ここまでの比較結果をまとめてみましょう。iDとクレジットカードでは、以下のようなメリット・デメリットがあげられます。

(1)クレジットカードと比べたiDのメリット・デメリット

iDのメリット

  • クレカよりスピーディーに決済することができる
  • クレカよりもお得にポイントが貯まるケースもある
  • 自販機でも利用できることが多い
  • LINE Pay、メルペイを利用すればクレカを持っていなくても利用できる

iDのデメリット

  • クレジットカードと比較すると、使える店舗が限られている
  • ネット決済が対応していない(さくら観光を除く)
  • 既に持っているカードがiDに対応していない場合、新たにiD対応のカードを契約する必要がある
    ※メルペイ、LINE Payを利用する場合はクレジットカード不要
  • 高額な買い物はできない可能性がある・分割払いができない

(2)iDと比べたクレジットカードのメリット・デメリット

クレジットカードのメリット

  • 使える店舗が多い
  • 公共料金や税金の支払い、ネット決済など、幅広い用途で使うことができる
  • 高額での支払いや分割払いに対応している
  • 優待店などで割引などの優待を受けることができる
  • タッチ決済・コンタクトレス決済ならiDと同じくらいスピーディーに買い物できる

クレジットカードのデメリット

  • 端末へのカード挿入など支払い時にiDよりも時間がかかる

4.iDとクレジットカードはどう使い分ける?

iDとクレジットカードは、生活シーンに合わせた使い分けをするのがおすすめです。

普段のちょっとした買い物や、急いでいる時やレジが混んでいる時に、支払いを早く済ませたい場合はiDを利用すると便利です。

高額の買い物やネットでの買い物、分割での支払いをしたい時にはクレジットカードを使うとよいでしょう。

一方で、クレジットカードさえあればiDは必要のない場合もあります。例えば、普段利用するお店でiDが使えない場合、iDを持つメリットは少ないでしょう。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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