【専門家が教える】初心者のクレジットカードの本当の選び方

執筆
荒井薫
労働省→公認会計士→コンサルタント→事業会社CFO&国際ブランド付きプリペイドカード事業の立ち上げをやりました。子供の頃から物書きになりたかったため、書く感性を磨きながら、皆さんに様々な情報をお伝えしていければと思っています。
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『今なら10,000ポイントをプレゼント!』『初年度はポイントが2倍!』など、ネットを見ていると、もらえるポイントばかり強調したクレジットカードの宣伝が目に付きます。
クレジットカードの作り方を説明している多くのサイトでも、そのような魅力的なクレジットカードを推奨しているようです。

けれども、クレジットカードには審査があり、必ずしも審査に通るとは限りません。
審査基準は一般に公開されていません。審査がないクレジットカードというものは存在しないですし、審査が甘いクレジットカードというのもないのです。

では、初心者はどんな基準でカードを選ぶべきなのでしょうか?
それは、各カード会社が用意している「クレジットカード初心者向けのカード」です。

今回は専門家の視点から、初心者が安心して申込み出来るクレジットカードの本当の選び方を提案したいと思います。

1.初心者向けクレジットカードの選び方

キャッシュレス決済が急激に浸透する中で様々な決済手段が登場していますが、やはりクレジットカードを使えるようになると、私達の生活は便利になります。
具体的には、以下のようなメリットがあります。

  1. 比較的高額なキャッシュレス決済が簡単にできるようになる
  2. クレジットカードは後払いなので、手持ちのお金がない時でも欲しいものが買える
  3. 海外旅行や海外のECサイトでも使える

社会人になって収入が安定した人、学生でアルバイト収入を相応に得ている人であれば、欲しいものがあれば、手持ちのお金がなくても買い物をしたくなるものです。その場合には、クレジットカードがやはり一番便利です。

ただ、クレジットカードには多くの種類があり、何を選べばいいかわからないかもしれませんので、ここでは、初心者向けのカードの選び方を解説していきます。

(1)本当の初心者向けのクレジットカードとは?

日本では、比較的簡単にクレジットカードを手に入れることが出来ます。

けれども、多くのカード会社があり、カード会社は多種多様なクレジットカードを発行しているので、初めてクレジットカードの申込みをする人や、まだクレジットカードに慣れていない人は、どれを選んでいいか悩みますね。
カード会社では、そのような人のため、クレジットカードビギナー向けのカードを発行しています

社会人で、お取引がある銀行などからクレジットカードを勧められる場合には、大抵、その人に合ったクレジットカードが選ばれているはずです。
そのように提案されなくても、カード会社のサイトを見れば、「クレジットカードを初めて作る人向け」というように分かり易く説明をしています。

ただし、カード会社によって申込み条件は違いますので、複数のカード会社の初心者向けカードを比較して選ぶのが賢明です。
ポイントキャンペーンなどを行っていると、一般的にゴールドカードの方がポイントはお得ですが、クレジットカードに慣れていない方には、やはりゴールドカードをいきなり作ることはお勧め出来ません

(2)初心者向けクレジットカードの特徴

クレジットカードは、カード会社が一時的に支払いを立替えするため、利用者に合った適切な与信枠を設定します。
クレジットカードを初めて持つと、ついつい使い過ぎてしまったり、安易にキャッシングをしてしまう人もいるので、カード会社は一般的に、最初は与信枠を低めに設定します。

きちんと利用をしていくと、与信枠は増やしてもらえますので、最初の与信枠が大き過ぎないクレジットカードで、クレジットヒストリー(以下、クレヒスとします)と呼ばれている健全な利用履歴の実績を作ることが初心者には大切です。

(3)初心者向けクレジットカードをピックアップ

ここでは、申込み条件に「収入」を明示していない3つのカード会社を紹介します。

  • ①三井住友カード(スタンダード)と三井住友カードデビュープラス
  • ②ライフカード(スタンダード)と学生専用カード
  • ③セゾンカードインターナショナル

ほぼすべてのカード会社が、初心者向けのカードを用意していますので、いくつかのカード会社のサイトを見て比較検討することをお勧めします。

初心者向けのクレジットカードについては、カード会社によっては、「安定した収入」を条件にしていないものがあります。
収入がまだ少ない、就職や転職をして間もない人は、そのようなカードを選ぶと審査に落ちる確率が低くなります。

もし「安定した収入」が条件になっている場合、勤続年数1年は欲しいところです。

なお、すべてのカード会社で、『申し込みをした人と確実に連絡が取れること』が必須の条件となっていますので、携帯番号や住所は正しく書きましょう。

①三井住友カード(スタンダード)と三井住友カードデビュープラス

大手カード会社の代表格である三井住友カードでも、初心者向けのクレジットカードが用意されています。

この2つのカードは、収入要件が設定されていませんので、収入が低い方や、転職したばかりの人にお勧めです。
なお、三井住友カードデビュープラスは、18歳から25歳の方に限定されていますが、ポイント付与率が比較的高いので、年齢が該当すれば初心者にお勧めのカードです。

【参照】三井住友カード
https://www.smbc-card.com/nyukai/card/classic.jsp

②ライフカード(スタンダード)と学生専用カード

スタンダードカードの条件として「日本国内に住所がある18歳以上(但し高校生を除く)で、電話連絡が可能な方」とあり、信用情報(後述)が特に問題がなければ、正社員でなくても審査に通る可能性が比較的高いカードとして認知されています。

また、ライフカードでは、学生専用カードも用意されています。学生専用カードは、専門学校生でも申し込みが出来るカードです。

【参照】ライフカード
http://www.lifecard.co.jp/card/credit/lifemsr/3-02.html

③セゾンカードインターナショナル

三井住友カードに並ぶ大手カード会社のセゾンカードでも、初心者向けのカードが用意されています。

このカードは、申込条件の中で、「専業主婦でも学生でもお申し込み可能」と明記されています。
ただし、「18歳以上(高校生は除く)で連絡が可能な方で、当社の提携する金融機関に決済口座をお持ちの方に限り」とあります。
提携する金融機関はかなりありますので、銀行口座をアクティブに使っている方にはお勧めしたいカードです。

【参照】セゾンカードインターナショナル
https://www.saisoncard.co.jp/lineup/cp/?tp001=RecommendCard

(4)正しいクレジットカード申込方法

多くのカード会社で、クレジットカードの申込みには、ネットでの申込みと申込書を使う紙ベースでの申込みがありますが、審査に差はありません。

初心者向けのカード申込みに関しては、「正しい申込み方法とは、申込書の全ての欄を正確に記入すること」になります。

実は、審査に落ちるかなりの理由は、申込書にミスや記入漏れがあることなのです。
慣れていないので、うっかりして…ということがあるようですが、支払いを一時的に立替えてくれるカード会社にとっては、そのような「うっかり」が「きちんと支払いをしてくれないかもしれない」と判断する根拠になり得るということなのです。

なお、ネット申込みの方が早く審査結果が出ます(早ければ即日結果が分かります)。
ただし、後日申込み内容を電話で聞かれることもあるので、申込内容はコピーを取っておくことをお勧めします。

カード申込書で特に注意すべき記載事項としては、

  1. 住所は住民票と同一であることが望ましいので、実家などに住民票を置いてある人は、住民票を移してから申し込みをする
  2. 連絡先電話番号は必ず連絡が付く電話番号を書く
  3. 年収や職場に関しては、絶対に嘘を書かないこと

などが挙げられます。

2.初心者向けクレジットカードの審査

クレジットカードの審査はスコアリング制といって、顧客の情報を点数化し加点していく方式です。
申込書の記載内容で一定のスコアに届いていたら、ネット申込みの場合は即時で審査OKの回答が来ることもあります。

先に説明をした通り、スタンダードカード(初心者向け)の申し込みでは、申込書に嘘を書かない、きちんと書くことが一番大切です。
スタンダードなカードである限り、年収なども気にし過ぎないことです。

(1)信用情報に問題がある人について

しかしながら、申込み条件を満たしていても、別の理由で審査に落ちる人がいます。それが、信用情報会社が管理している信用情報です。

いわゆる「ブラック」と呼ばれる事項に該当する場合には、すぐに解消することは難しいです。ですから、落ちる理由に心当たりがあれば、クレジットカード以外の、デビットカードやプリペイドカード(後述)が選択肢になります。

以下に、主な信用情報におけるブラック情報を説明します。

①携帯電話の割賦販売の延滞履歴がある人

携帯電話の割賦販売は、信用取引となりますので、延滞をしてしまった場合、クレジットカードの審査に使われる信用会社に、「この人は過去に割賦販売を延滞したことがあります」という記録が原則として5年間記載されてしまいます。この場合、クレジットカードの審査に落ちることがあります。

特に大学生の方がうっかりしてしまうことです。
なお、最近では学生時代に借りた奨学金の返済遅延が多くなっているようです。こちらも信用情報に瑕がつく場合がありますので注意が必要です。

②自己破産をした人は最低5年間クレジットカードを作れません

自己破産とは、払うべき債務を払えなくなって支払いを免除してもらう法的手続きです。
この債務免除を受けた人に関しては、すべての信用会社で、自己破産者として登録がされています。自己破産は、信用情報に致命傷です。

また、自己破産をした人は、自分の収入の範囲で身の丈に合った生活をすることが大切なので、そもそもクレジットカードを持つことはお勧め出来ません。

③今持っているクレジットカードの支払いを延滞している人

クレジットカードの支払いに関する延滞は、即座には信用情報に反映されませんが、既に持っているクレジットカードで延滞をしている状態で、新しいクレジットカードを作ることはお勧め出来ません。

クレジットカードを複数枚使いこなすのは、1枚を使いこなすよりも管理が大変になりますので、初心者は複数枚持つことは慎重になるべきです。

(2)審査に通り易やすくするため、クレジットヒストリーを上げよう!

若い時は、クレジットカードの審査に落ちることは珍しくありません。
年齢を重ねていくとクレジットカードが複数枚必要になることが多いので、スムーズに審査に通るために、持っているクレジットカードを使って、きちんと支払いをすることが一番重要です

クレジットカードは、持っているだけでは何も実績を作れません。継続的に無理がない範囲で使って、毎月きちんと支払いをすることで、クレジットヒストリーと呼ばれる信用履歴を積み上げることが出来て、審査にスムーズに通るようになるのです。この通称「クレヒス」が、カード審査では一番重要になります。

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3.デビットカードとプリペイドカード

前述した通り、過去の履歴により、どうしてもクレジットカードを作れない人がいることは事実です。
このような人のために、カード会社では、別の種類のカードを用意しています。それが、デビットカードプリペイドカードです。

どちらも与信が必要ないので、信用情報に問題があっても作ることが出来ます。
電気代やガス代の支払いのように毎月継続して発生する支払いには使えないカードもありますが、カードの機能はクレジットカードとほとんど変わりません。

どちらのカードも使える限度額を自分で決めることが出来るので、お金を使い過ぎてしまう人にはお勧めです。

デビットカード、プリペイドカードについては、「審査がないカード」とか「審査が甘いカード」として説明をしているサイトがあるようですが、カードの種類そのものが違います。
下記の比較表で、その違いを確認してください。

  決済タイミング キャッシュレス決済 加盟店で使える範囲
クレジットカード 後払い 可能 原則すべて
デビットカード 即時払い 可能 一部の取引不可
プリペイドカード 前払い 可能 一部の取引不可

4.クレジットカードは若いうちに作ろう!

カード会社もビジネスなので、新しい顧客を囲い込むために、18歳以上の学生の方には、かなり優遇したクレジットカードを発行しています。
クレヒスをブラッシュアップするには、実は学生時代からクレジットカードを正しく使いこなしていることが有利になります。

最近では、「クレジットカードは怖い」と言って、20代の間にクレジットカードを作らない人も多いと聞きますが、若いうちに作った方が、クレヒスの積み上げにも有利ですし、カードの審査も通り易いのです。
40歳近くになってから、初心者向けクレジットカードを作ろうとすると、逆に難しいと言われています。
つまり、身の丈に合ったクレジットカードが、一番審査に通り易いということなのです。

また、カード初心者ほど休眠カードを作らないようにすることも大切です。
そして、日本ではリボ払いは、極力避けるべきであり、初心者であれば、リボ払い専用カードは絶対に作るべきではありません。

ポイント狙いで新しいカードを作り、古いカードを解約するという行為を繰り返しすることもお勧め出来ません。ポイント狙いのクレジットカード申込はほどほどにしましょう。
要は、身の丈に合ったカードをコツコツと無理のない範囲で使うことが、将来的にゴールドカードやプラチナカードを使いこなせるための近道なのです。

見栄でゴールドカードを持っていても、クレジットヒストリーには一切プラスになりません。
何事もステップを踏むことが一番です。見栄を張らないように、ポイントに誘惑されないようにして、クレジットカードを使いこなして欲しいと思います。

執筆
荒井薫
労働省→公認会計士→コンサルタント→事業会社CFO&国際ブランド付きプリペイドカード事業の立ち上げをやりました。子供の頃から物書きになりたかったため、書く感性を磨きながら、皆さんに様々な情報をお伝えしていければと思っています。
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