Visaのタッチ決済の使い方|クレカをかざすだけで支払い完了!
最近ますます普及しているキャッシュレス決済。現金を使う場面が減ったという方も多いでしょう。 電子マネー、QRコード決…[続きを読む]
5%還元で話題満載だったポイント還元制度(キャッシュレス・ポイント還元事業)は2020年6月末に終了しました。
そして、9月から始まった「マイナポイント」に注目が集まっています。
先のポイント還元制度では、クレジットカードの大半が対象になりましたので、普通にクレジットカードを使って、「意外とお得だったな」と感じていた人が多いのではないでしょうか?
けれども、マイナポイントに関しては、対象となるクレジットカードが少ないですね。
楽天カードやイオンカードを持っている人以外は、えっ?と感じているのではないでしょうか?
クレジットカード会社がマイナポイントには参加しない理由は何でしょうか?ひも解いてみましょう。
目次
2020年6月末で終了したポイント還元制度では、多くのキャッシュレス決済手段が対象でしたので、「還元額が意外と多く、お得だった!」と感じている人が多いのではないでしょうか?
特に、クレジットカードについては、ポイントで還元されるのではなく、請求額を減額するキャッシュバックだったので、お得感が大きかったと思います。
2020年9月から始まったマイナポイントは、利用額またはチャージ額(上限額は20,000円)の25%、最大5,000円がお得になるので、比較的高額決済に使うクレジットカードだと確実に得するはず!と思っている人が多いはずです。
けれども、マイナポイント特設サイト(外部サイト)で対象決済一覧を見ると、クレジットカードが意外と少ない!と驚かれるのではないでしょうか。
実際に、皆さんにとってお馴染みのクレジットカード会社が、かなり少ないからです。
「えっ!私のクレジットカードは対象ではないの!」と、がっかりした人も多いと思います。
そして、「聞いたことがないような銀行の名前がたくさんある!」と思ったのではないでしょうか?
マイナポイントに関しては、メジャーなカード会社で参加するカード会社はかなり少なくなっています。おそらく、今後それらのメジャーなカード会社がギリギリになって対象決済に上がって来ることはないと思われます。少しがっかりですね。
クレジットカードの利用では、多くのカードで利用額の0.5~1.5%程度が、そのカード会社の独自ポイントで還元されます。
そして、そのポイント還元の計算ロジックは、「利用額200円に付き1ポイント」とか、「利用額1,000円に対して1ポイント」など、カードの種類やカード会社によって異なります、
また、1ポイントがいくらに相当するかは、そのポイントを何に利用するかによって異なります。
航空会社のマイルに変える人にとっては、そのマイルの使い方でその価値はかなり幅があります。
ですから、自分なりにどれがお得か考えて、人それぞれ、自分なりのポイントの利用の仕方を決めている人が多いと思います。
マイナポイントの還元額は5,000円と上限額が決まっていて、キャッシュレス決済を多く使う人にとって、金額的にはお得ではありませんが、25%という還元率はかなりお得です。
普段キャッシュレス決済はあまり使わないけれども、高額決済ではクレジットカードを使う人は、そのクレジットカードで大きなお買い物をすると確実に還元される!!と考えた人が多いと思います。
しかしながら、この事業は国が行う事業で、ポイント還元の価値は、1ポイント=1円相当と決められています。この条件に気が付いていましたか?
ですから、プリペイドカードのように、利用する前に予めチャージを必要とする決済はシンプルです。
まとめて20,000円のチャージをしてしまえば、あとは5,000円相当のチャージに使えるポイントが付与されるのを待っていれば良いのです。
けれども、プリペイドカードは紛失をして不正利用をされた場合の補償がない場合が多いので、2万円を一度にチャージするのはちょっと心配な人もいるでしょう。
さて、皆さんが普段使っているクレジットカードの1ポイントは幾らの価値がありますか?
直ぐに答えられる人は、恐らくアマゾンポイントなど換金性の高いものに交換しているか、キャッシュバックに使っている人だと思います。
1ポイントの価値は、クレジットカード会社やクレジットカードの種類によって異なっています。
クレジットカードの付与ポイントは、「利用額××円ごとに1ポイント」というロジックが大半であり、その××円のところが違うからです。
マイナポイントは、一つの決済手段を選ぶ必要がありますので、それぞれの決済手段を提供するサービス会社は、「マイナポイントに選んでくれたら、追加ポイントをプレゼント!」などと、熱心な販促を行っています。
当サイトでも、「マイナポイントのキャンペーンまとめ|何ペイが一番お得?」という記事で説明をしています(https://zeimo.jp/article/32708)。
そのため、5,000ポイントという数字に皆さんの注目が集まってしまい、25%という還元率は忘れ去られているようです。
マイナポイントのお得感は、本来は25%という高い還元率なのですが・・・
クレジットカードの場合、通常のポイントは、200円とか1000円とか利用額毎にポイントが付与されて、「利用額の1%還元」などと説明されていますが、利用額の端数は切り捨てられています。
ですから、クレジットカードのポイントは、付与基準額が小さいほど有利なのです。
けれども、マイナポイントは、利用累計額(最大2万円)の25%が付与されます。
つまり、端数を切り捨てることは許されていません。1円であっても、累計額に含める必要があります。
また、マイナポイント特設サイトに特に明記されていませんが、海外利用額は対象外となるはずです。
以上をまとめると、クレジットカードの場合、「海外利用額を除き、1円も切り捨てないで利用額を累計2万円まで特定期間内で積算するシステム」が必要となり、そのための機能を準備することが必要になるわけです。
一度だけのマイナポイントのためだけにシステム改修を行うのは、ポイント還元事業のためにシステム改修費用を負担したカード会社にとっては、負荷が大きいのです。
けれども、それが負荷にならないカード会社が2種類あります。
②は、分かり易いと思います、WAONを持っているイオンカード、楽天ペイを持っている楽天カードなどです。
では、①のVJAグループとは何なのでしょうか?
ここで、少しカードの歴史に触れたいと思います。
VISAカードは、アメリカで1976年に初めて発行されました。その後、1985年に、イギリスの次いでVISAカードが発行されたのが日本です。
今では三井住友カードとなっていますが、かつては住友カードであった時代、1985年に日本で初めて住友VISAカードとして、VISAカードが日本で発行されたのです。
その後、住友カードが中心メンバーとなって、日本のVISAカードが発展していった訳ですが、そのメンバーが設立したのが、VJA(Visa Japan Association)なのです。
かつては、住友カードと言えばVISAカードというイメージが強かった時代がありますが、正確には、住友カードが音頭を取り、日本でVISAカードを発行するために地銀に声を掛けて、VJAグループというものを作り上げたのです。
VJAは、Visaが日本に直接進出するまで、日本国内におけるVisaの決済ネットワークを整備していました。そして、今でも、VISAカードの発行者であり、Visa Worldwideの有力なメンバーの一員でもあります。
現在は、VISAカードだけではなく、マスターカードも発行している銀行もありますが、今でもVISAカードだけを発行している銀行もあります。
つまり、マイナポイントに参加している聞き慣れない銀行は、このVJAメンバーです。
彼らは、同じシステムを使っているので、システム費用についてスケールメリットを受けることが出来るわけです。
周知のとおり、Visaはオリンピックのオフィシャルスポンサーです。
2020年東京オリンピックを念頭に、Visa Japanも、VJAも大々的に最先端のカード関連テクノロジーを日本に浸透させようと準備していたのです。
そのため、マイナポイント事業構想が発表された段階で、システムの刷新を進めていた三井住友カードが音頭を取るVJAでは、マイナポイントに必要なシステム機能をタイミング良く取り込むことが出来たのだと思われます。
現在、日本ではマイナポイントが注目されていて、その上、三井住友カードでは、新規カード発行のポイント付与キャンペーンを大々的に打って出ています。
そのため、ポイントばかりに目が向いているようですが、実は、三井住友カードの新しいカードは、グローバル標準機能を搭載した新システムで運用されるので、その機能も注目をしてもらいたいところです。
具体的には、
それ以外にも、三井住友カードは、クレジットカード発行者としては日本でトップを争うセゾンカードと共に、カードの不正利用感知システムが大変優れています。
少し触れましたが、日本は、アメリカ、イギリスに並ぶクレジットカード業界の先駆者でもあります。
けれども、今までは、どちらかと言えば発行枚数に拘り、入会キャンペーンを大々的に行って発行枚数を拡大させてきました。
しかしながら、クレジットカードでは不正利用が深刻な問題となり、また、いわゆる休眠カード(発行されていても実際には利用されないカード)も増えてシステム負荷が重くなってきています。
今後は、三井住友カードとVJAグループが始めたように、安心してクレジットカードが利用出来るように、システム的にも最先端の機能を取り入れながら、カード会社は差別化を図っていくものと思われます。
本来2020年はオリンピックの年で、Visaがオリンピックのオフィシャルスポンサーであることから、日本においてもタッチ決済(非接触決済)を広げようと準備をして来ました。オリンピックが延期になっても、この流れは変わらないはずです。
タッチ決済が浸透をしていくと、休眠カードに対してはカードの更新をしないカード会社も出てくる可能性が高いです。
タッチ決済機能を搭載したカードは1枚当たりの発行コストも高いので、カードを使ってくれるユーザーに絞ってカードを発行したいというのが、カード会社の本音だからです。
そのため、カード会社は、自社のカードを利用してもらうために、ターゲットを絞ってサービスを差別化して、なるべく休眠カードを発行しないように戦略を変えてくると思われます。
その過渡期に打ち出されたのがマイナポイント事業だったというわけです。
ですから、残念ながら、クレジットカード会社の参加が少なくなる結果となってしまったと筆者は分析しています。