2020年よりマイナンバーで年末調整が簡単に!

年末調整

年末の忙しい時期にいつも行われる「年末調整」ですが、2020年分の年末調整よりマイナンバーを利用して電子化がされ、大幅に簡単になります。

ここでは、マイナンバーを利用した年末調整の電子化について、簡単にご紹介します。

1.年末調整は電子化でこう変わる!

年末調整の電子化では、従業員が自ら政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」というサービスを通して年末調整に必要な生命保険料などの控除証明書、住宅ローンの残高証明書を取得することができます。

控除証明書などのデータを国税庁より配布される「年調ソフト」に取り込み、扶養親族などの情報を入力することで従業員が作成しなければならない年末調整関連書類を簡単に作成することができます。

年末調整 電子化

【画像引用】国税庁

2.マイナンバー活用による年末調整電子化のメリット

マイナンバーを利用して年末調整を電子化することで、年末調整の対象になる従業員、年末調整を行う会社の双方にとって大きなメリットが生まれます。

2-1.従業員が受ける電子化のメリット・デメリット

メリット①会社に書類の作成・提出の必要がない

従来は、会社から配布される「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」に手書きで記入し、押印し会社に提出しなければなりませんでしたが、電子化することにより国税庁から配布される「年調ソフト」に入力し、データを会社に送るだけになります
申告書に手書きで記入する必要も、給与担当者に直接申告書を提出する必要もありません。

また、年調ソフトはスマートフォンのアプリにも対応予定ですので、手軽に年末調整のデータを作成することができます。

メリット②一度初期設定を行えば翌年から設定不要

導入時に作成したデータは、翌年以降も利用可能です。扶養家族等に変更がなければ再度データを入力する必要はありません。

メリット③控除証明書を紛失することがなく再発行を依頼する必要がない

従来の年末調整では、「生命保険料の控除証明書を紛失して生命保険料控除が受けられなかった」「再発行に時間がかかるため確定申告をして下さいと会社から言われた」など控除証明書の紛失による問題はたびたび起こっていました。

電子化することで、従業員へ控除証明書がデータで届くため紛失することはありません

デメリット①インターネット環境が必要不可欠

年末調整の電子化では、従業員がパソコンやスマートフォンを利用してデータを作成しなければなりません。

そのため、インターネット環境が整っていない場合や、パソコンなどのデジタル機器を持っていない場合、デジタル機器の取扱いが得意ではない場合は、電子データを作成することが困難です。

2-2.会社が受ける電子化のメリット・デメリット

メリット①データで申告書を受け取れる

従業員から年末調整関連の書類をデータで受け取ることができます。年末調整の電子化に対応したソフトを導入している場合は、そのままデータを取り込むことができます。直接データを取り込むことで、従来よく起こっていた入力ミスなどの問題が発生しません。

メリット②事務作業が効率化

従業員から送信されたデータを直接取り込むため、入力作業が必要ありません。また、今まで添付された控除証明書を確認しなければなりませんでしたが、電子化により控除証明書が給与ソフトと連動するため書類を確認する手間が省けます。

メリット③書類の保管場所が必要ない

年末調整関連書類の電子化により、紙の書類を取扱う必要がなくなります。そのため、書類を保管する場所は必要ありません。

デメリット①従業員への配慮

年末調整の電子化は、従業員がインターネットを通じて行う作業が多くあります。そのため、インターネット環境がない従業員や、デジタル関係に強くない従業員へのフォローが必要になります。

デメリット②情報漏えいリスク

年末調整のデータは重要な個人情報のため、セキュリティの強化を行い、情報漏えいについて十分気をつける必要があります。

デメリット③システム改修費用

年末調整の電子化には、新たに給与システムの改修が必要になります。導入にあたってはシステム改修費用が発生する場合があります。

3.年末調整手続きは電子化で4つのステップに!

年末調整の電子化は、従来の手続きに比べ大きな作業効率化につながります。手続き全体のプロセスも少なくなり、通常は次の4つのステップで年末調整が完了することになります。

  • ステップ①従業員がマイナポータルにより生命保険料等の控除証明書のデータを受け取る。
  • ステップ②従業員が年調ソフトにマイナポータルの控除証明書のデータを取り込み、扶養親族などのデータを入力して年末調整用のデータを作成する。
  • ステップ③従業員が作成した年末調整のデータを勤務先に送信する。
  • ステップ④勤務先で従業員の年末調整データを給与ソフトに取り込み、年末調整による年税額を確定させる。

4.マイナンバー活用の年末調整に必要なもの【従業員編】

マイナンバーを活用した年末調整を行うためには従業員側、会社側どちらともに必要になるもの、事前に設定を行わないといけない項目があります。

ここでは、まず、従業員側に必要なものと導入手順をご紹介します。

4-1.従業員が準備するもの

従業員が年末調整の電子化に必要になるものは、次の3つです。

①マイナンバーカード

年末調整に必要になる控除証明書は、政府のオンラインサービス「マイナポータル」と連携して取得します。マイナポータルと連携するには、マイナンバーカードに搭載されている利用者証明用電子証明書(ICチップ)が必要です。

②ICカードリーダライタ、スマートフォン

マイナンバーカードを読み取るために、PC+ICカードリーダライタまたは、対応するスマートフォンが必要になります。

対応するスマートフォンの機種は次のURLで確認することができます。(Android端末とiPhone端末どちらとも対応)

【参照】マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧

③生命保険などの証券番号の分かるもの

マイナポータル連携には生命保険などの証券番号が必要です。契約書など証券番号が分かるものを準備しましょう。

4-2.控除証明書などのマイナポータル連携手順

従業員側の年末調整の電子申告の導入手順は、2つの手順に分けられます。

1つ目は「控除証明書などのマイナポータル連携」、2つ目は「年調ソフトによる年調データの作成」です。まずはマイナポータル連携手順をご紹介します。

①マイナポータルサイトで利用者登録、民間送達サービスの開設

「マイナポータルサービストップ」(下記URL)から案内に従って利用者登録を行います。登録後にメニューから民間送達サービスの開設を行います。民間送達サービス機能の「MyPost」もしくは「e-私書箱」を利用して控除証明書を受け取ることになります。

【外部リンク】マイナポータルサービストップ

②保険会社と民間送達サービスの紐づけ

加入している生命保険等の保険会社の「マイナ手続きサイト」にアクセスし、加入している保険情報とマイナポータルの民間送達サービスを紐づけます。
マイナ手続きサイトの探し方は、「○○生命保険 マイナ手続き」のように検索することでアクセスすることができます。

保険会社の手続きサイトにマイナンバーカードの登録、保険の証券番号の登録を行うことでマイナポータル連携が完了します。
保険会社へは、マイナンバーカードの電子証明書を登録するだけで、マイナンバーカード情報を提供するわけではありません。一度、設定を行った保険会社については翌年以降の作業は必要ありません。

4-3.年調ソフトによる年調データの作成

年末調整に必要な書類をデータで作成する手順をご紹介します。

マイナポータル連携を行っていない場合には、年末調整関連書類データを作成することは可能ですが、別途、紙の控除証明書または保険会社のホームページより取得した控除証明書のデータを勤務先に提出する必要があります。

①年調ソフトのダウンロード

国税庁が無償配布する「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」のダウンロードを行います。2020年10月にWindows版、Mac版、Android版、iOS版がリリースされる予定です。

②基本項目を入力

氏名・住所などの個人情報を入力します。マイナポータル連携を行っている場合は、ここでマイナポータルから控除証明書のインポート処理を行います。

③年末調整関連書類データの作成

各種申告書の記載事項を入力していきます。入力の順番は、次の通りです。

  1. 扶養控除等(異動)申告書(当年分)
  2. 扶養控除等(異動)申告書(翌年分)
  3. 基礎控除申告書
  4. 配偶者控除等申告書
  5. 所得金額調整控除申告書
  6. 保険料控除申告書
  7. 住宅借入金等特別控除申告書

マイナポータル連携を行っている場合は、6.と7.は自動で連動されるため入力の必要はありません。

④提出データの作成、提出

提出用のデータ(zipファイル)を作成し電子署名または、パスワードを付けて勤務先にデータで提出します。

5.マインナンバー活用の年末調整に必要なもの【会社編】

会社では、従業員が作成した年末調整関連書類データの受入れを行うための準備が必要になります。

5-1.会社が準備するもの

①給与システムの改修

従業員が年調ソフトで作成した年末調整関連書類データの取り込みを行い、自動チェック、所得税の年税額を計算する機能が必要になります。

団体(扱)保険に加入している場合などは「従業員が入力する画面に団体(扱)保険料データを表示する機能」などを追加で改修する必要があります。

②税務署への届出書

従業員が年調ソフトを利用して作成したデータを会社で受け取るためには、あらかじめ所轄の税務署へ「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出する必要があります。

承認申請を行った翌月末から適用されるため、遅くとも年末調整が始まる12月に合わせて10月末までに申請書を提出した方がいいでしょう。

<届出書の書き方>

源泉徴収 電磁的提出承認申請書

①会社の基本情報を記入します。

②年末調整の電子化は一番上段の「第198条第2項(給与等関係)」に該当しますので、チェックを入れます。

③従業員の年末調整関連書類のデータをメールなどで受け取る場合は「1」を選択します。USBメモリなどの媒体で受け取る場合は「2」を選択します。

源泉徴収 電磁的提出承認申請書

④従業員が年調ソフトで書類データを作成し、そのデータにマイナンバーによる電子署名を求める場合は「1」を選択します。電子署名ではなく、パスワードを求める場合は「2」を選択します。

⑤その他事項には、申請書の提出時にシステムの導入が行われていない場合、いつ頃にシステムを導入する予定か記入します。「例:令和2年11月システム対応予定」

5-2.従業員への周知の徹底

マイナンバー利用の年末調整の電子化は従業員が準備、設定する項目が多くあります。従業員の中にはマイナンバーカードを持っていない人もいるため、早めから年末調整の電子化を周知徹底する必要があります。

目安としては、年末調整を行う2ヵ月前までにマイナポータル連携方法や年調ソフトの導入方法などを従業員へ周知しましょう。

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