特別定額給付金、同棲・ルームシェア・寮生の場合の受け取りは?

ルームシェア 寮 シェアハウス

1人あたり10万円の特別定額給付金は、世帯主がまとめて受け取る形になりますが、「大家さんの家に下宿している」「家族以外と同居している」「ルームシェアをしている」「寮生」など、特殊なパターンの場合にはどうなるのでしょうか?

それぞれのシチュエーションに分けて、どのように給付金を受け取るのか解説します。

1.世帯主が申請して受け取る

今回の特別定額給付金は原則として「世帯主」が申請を行い、世帯人数分の給付金をまとめて受け取るという形になっています。

「世帯」という単位の解釈として、「同一の住所で起居し、生計を同じくする者」という意味があります。

ただ、同一の住所に住んでいても、住民票が別の場合は別の世帯と判断されます。

この「世帯」について、下宿やルームシェア、寮生などの場合は、解釈が難しい部分もあるでしょう。

どういった場合において、誰が世帯主となるのか、誰が給付金を受け取るのか把握するのが重要です。

2.住民票がある場所で受け取る

特別給付金の対象者は、基準日(令和2年4月27日)に、住民基本台帳に記録されている者となっています。

住民票に登録されている住所を基準に給付が行われるため、住民票と住んでいる家の住所が異なる場合には、住民票に記載の住所で受け取りを行う必要があります

では、それぞれのパターンごとに、給付金の受け取りがどのように変わるのか詳しく見ていきましょう。

3.パターン別、給付金の受け取り方

家族ではない人と一緒に暮らす人など、今回の給付金をどのように受け取るのかパターン別に見ていきます。

(1)一人暮らし、下宿

学生の方など実家を離れて一人暮らしをしているケースを考えます。

この場合、2つのパターンが考えられるでしょう。

  • 住民票は実家の住所のまま
  • 住民票を移している

住民票が実家にある場合は、実家の世帯主が給付金の受取者となります。
学生の方であれば、通常、親が自分の分の給付金を受け取ることになりますので、連絡をして送ってもらうようにしてください。

住民票を住んでいる場所に移している場合には、自分自身が世帯主となるため、給付金の受取者は自分となります。
郵送またはオンラインいずれかの方法で申請手続きを行ってください。

大家さんの家に下宿をしているような場合でも、通常、大家さんとは世帯は別であるはずですので、一人暮らしのパターンと同じです。

(2)同棲、同居

結婚はしていないけど、同棲や同居している場合について、以下のようなパターンが考えられます。

  • 世帯が一緒
  • 世帯が別々

世帯が一緒の場合には、世帯主がまとめて給付金の受取者となります
住民票には続柄「同居人」として記載されています。

同居でも世帯を分けて住民登録をしている場合には、それぞれの世帯主が給付金を受け取ることになります。

(3)事実婚

事実婚とは、法律的な夫婦ではない(戸籍は別である)が、同居して生計を共にし、互いに夫婦である意思を持って生活している状態をいいます。

事実婚では、手続きは特に必要はなく、世帯が同じでも別でも構いません。
ただし、夫婦であることを明確に示すためには、世帯を同じにして、続柄蘭は「夫(世帯主)」「妻(未届)」または「妻(世帯主)」「夫(未届)」とします。

事実婚の場合も、同棲・同居のパターンと同じです。

世帯が一緒の場合には、世帯主がまとめて給付金を受け取ります

世帯を分けて住民登録をしている場合には、それぞれの世帯主が給付金を受け取ることになります。

(4)シェアハウス、ルームシェア

シェアハウスやルームシェアの場合、同じ家(住所)に大勢で住みますが、それぞれ別々の世帯ですので、一人暮らしと同様のパターンになります。

住民票を移している場合は、個人宛に申請書が届きます
ルームシェアしている方の申請書も一緒に届きますが、勝手に開けて中身を見ないようしてください。

住民票を移していなければ、以前の住所に届きます。今の住所で受け取りたい場合は、郵便局の転送サービスを利用すると、今の住所に転送してもらえます。

(5)寮生・学生宿舎

寮生や学生宿舎についても、住民票によって給付金の受け取り方法が変わります。

住民票を寮の住所で登録している場合には、自分が世帯主となり給付金の申請を行います

しかし、新型コロナウイルスの影響によって寮が閉鎖され、実家に帰省している場合には、郵便局の転送サービスを利用して申請書を受け取ってください。

寮・宿舎によっては転送してくれる場合もありますので、まずは連絡してみると良いでしょう。

(6)別居、離婚協議中

別居や離婚協議中であっても同一世帯で登録してあるなら世帯主に申請書が送付されます。

しかし、DV被害者など、配偶者の暴力などで避難しており、給付金を世帯主から受け取るのが困難な場合には、証拠書類などを提出することで世帯主でなくても給付金の申請ができるようになっています。

それ以外のケースについては、あくまで個別相談レベルになると思いますが、市区町村に問い合わせてみてください。

(7)代理申請

世帯主が認知症などを患って申請書への記入ができない場合、他の家族による代理申請も可能です。

申請書は世帯主宛に送られますが、「世帯主が属する世帯構成者」「法定代理人」「親族その他の平素から申請・受給対象者本人の身の回りの世話をしている者で市が特に認める者」であれば代理申請が行えます。

代理申請を行う場合には、代理人の本人確認及び、原則として委任状の提出が求められます。

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服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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