新型コロナウイルスで学費が支払えない大学生はどうしたらいい?
2020年2月ごろから猛威を振るっている、新型コロナウイルスの影響でアルバイト代が減少し、学費を支払うことができない…[続きを読む]
近頃猛威を振るっている「新型コロナウイルス」。この新型コロナウイルスの影響で、飲食店や観光業をはじめとする、様々な業界で影響が出ています。
一方、大学生や専門学生の子供を持つ方々はそんな状況の中でも必要となる学費に大きな負担を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子供の教育費を支払うことができない、もしくは一時的にでも負担を軽くしたいという方に向けて、どのようなサービスがあるのか、それぞれの特徴や注意点について解説していきます。
目次
今回の新型ウイルスの影響で、飲食店やサービス業を中心としたアルバイトの方々は休業を余儀なくされた方やシフトを大幅に減らされた方などが数多くいます。
これはフリーターの方だけの問題ではなく、自分で生活費や学費を負担していた大学生や専門学生も対象です。
そこで、現在そうした学生のお子さんをお持ちの方はぜひとも連絡を取り、現状の生活はどうなっているのか等を確認してあげてください。
上京している学生の中には、両親には迷惑はかけられないからと厳しい状況に立たされているにも関わらず、相談できない人もいるかもしれません。
学生団体である、「高等教育無償化プロジェクトFREE」が514人に行った調査によると、退学を検討している学生は20.3%とおよそ5人に1人いるというアンケート結果も出ています。
一緒に考えることによってどんな対策が最適なのかがわかるかもしれません。
ぜひこの機会に話し合ってみることをお勧めします。
※参考:高等教育無償化プロジェクトFREE|「新型コロナ感染拡大の学生生活への影響調査」
上記では、現状学生がどのような状況に立たされているのかについて紹介しました。
以降では「具体的にどのような対策があるのか」について紹介していきます。
結論からお話しすると、両親が学生である子供の教育費を援助、支援するのであれば「教育ローン」を利用するのがおすすめです。
ではなぜ教育ローンを利用するのがおすすめなのでしょうか。
そもそもローンとは、それぞれどのような目的で利用するのかが定められています。
例えば、住宅ローンであれば、住宅の購入資金やリフォーム資金。カーローンであれば車の購入資金といったように用途が決定しています。
利用する用途が明確なのであれば、目的にあったローンを利用することが大切です。
一部多目的ローンやカードローンなど、使用用途が定められていないローンもありますが、これらは使用用途が定められているローンより金利が高く設定されており、返済が大変になってしまいます。
これらの利用用途が定められていないローンは気軽に借りることができるというメリットもありますが、後々返済することを考えると利用しないことをおすすめします。
例として楽天銀行を挙げると仮に200万円を変動金利で借りた場合、カードローンだと年6.9%~14.5%なのに対して、教育ローンだと2020年5月時点で3.214%(変動)と非常に低金利であることがわかります。
参考:楽天銀行|カードローン
参考:楽天銀行|教育ローン
※こちらはそれぞれ変動金利のため、時期や市場の動きによって上下する可能性があります。
上記で教育費に利用するのであれば教育ローンを利用するべきという話をしました。
そんな教育ローンには、大きく分けて日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」と各種金融機関が提供する「民間の教育ローン」の二種類があります。
それぞれ特徴がありますので、以下にて詳細を解説していきます。
国の教育ローンとは、日本政策金融公庫(政府100%出資)が提供する教育ローンのことで、対象者は、子どもの人数に応じた世帯年収(所得)上限額を超えない方です。
目安として、子供一人の場合は世帯年収790万円、二人の場合は890万円までです。
使用用途としては、学校納付金、受験にかかった費用、自宅外通学に必要な住居費用、教科書代・パソコン購入費、通学費用、学生の国民年金保険料など今後1年間に必要となる資金に利用できます。
借入限度額は子ども1人につき350万円(6か月以上の留学資金450万円)以内、返済期間は最長15年、固定金利(保証料別)です。
借入には連帯保証人を必要としますが、(公財)教育資金融資保証基金による保証を利用する場合には連帯保証人は不要です。
しかし、この場合は別途保証料が必要になります。
返済方法としては元利均等返済の他、子どもが在学期間内は利息のみの返済とし、卒業後に元金と利息を返済する「元金据置」もできます。返済は、融資日の翌月または翌々月の返済希望日から開始します。
民間の教育ローンとの違いは、民間の教育ローンの金利は、変動金利が主流ですが、「国の教育ローン」は固定金利です。
そのため、景気が良くなると金利も上昇しますので、低金利の今、10年など長期で返済する場合は、借入時(融資契約時)の金利が完済まで変わらない固定金利は計画的な返済がしやすいといったメリットがあります。
なお、民間の教育ローンの返済期間は10年以内が多いのに対し、「国の教育ローン」の返済期間は最長15年と長期です。
このように「国の教育ローン」は銀行等の変動金利よりも低い水準になっています。
経済状況によって金利が変動しますが、2020年5月現在、1.70%で固定と各種ローンと比べても非常に低い金利であると言えます。
しかし、「国の教育ローン」の金利は保証料別なのに対し、民間の教育ローンは保証料込が多く、また、民間等の教育ローンは受験シーズンになるとキャンペーン金利を利用できる場合もありますので、単純に金利だけで比較できない点は注意しましょう。
また、教育ローンに共通したメリットとしては、入学前に入金される点でしょう。
後述する奨学金ですと、あくまで入学後の振り込みであるため、入学金や初年度の授業料等に利用することはできません。
しかし、教育ローンであれば、早ければ申し込みから数日程度で入金されるため、入学前に必要なのであれば教育ローンはメリットが大きいと言えます。
民間の教育ローンとは、文字通り、各種銀行が提供しているサービスの一つです。
民間の教育ローンは国の教育ローンと同様に、借り入れ金額を一括で受け取ることもできますし、あらかじめ設定した金額の範囲内で必要な都度借り入れをする方法を選択することも可能です。
借入額の上限は多くの金融機関で1,000万円~3,000万円となっているため、国の教育ローンの上限額である350万円を大きく上回っています。
そのため、学費だけではなく、その他諸経費や仕送りをしてあげたいといった方はこちらを選択するとよいでしょう。
しかし、金利などの条件は金融機関によって異なりますが、国の教育ローンと比べると金利は高い傾向にあるため、借りすぎには注意が必要です。
申し込みから資金の振込までの期間は最短で5日とうたっている金融機関もあり、審査が早いことも特徴として挙げられます。
また、民間の教育ローンの中には大学と提携しているものがあります。
この場合、金融機関の店頭で申し込む教育ローンよりも金利が低いケースもありますので、子どもの受験校が決まったら、学校提携の教育ローンがあるかを調べてみましょう。
例として楽天銀行ですと以下の通りです。
参考:楽天銀行|教育ローン
教育ローンと奨学金の大きな違いは「誰が借りるか」です。
教育ローンは親が借りて、親が返済することになりますが、奨学金は学生本人が借りて、学生本人に返済義務が生じます。
なお、例外的ではありますが、教育ローンであっても、就職するまでは親が返済し、就職後は学生が返済していく「リレー口座」を利用することにより学生本人が返済をしていくことも可能です。
奨学金の特徴ですが、大きく分けて二つに分けることができます。
一つ目は、返済の際に金利が発生しない、もしくは発生した場合でも非常に低金利であるということです。
教育ローンでは比較的安い国の教育ローンであっても、1.70%です。これに対して、第二種奨学金の固定金利の場合0.157%、変動金利の場合0.003%と非常に低金利です。
二つ目に、返済時期があげられます。
教育ローンでは原則借り入れの翌月から返済が始まります。それに対して、奨学金の返還は、貸与が終了した月の翌月から数えて7か月目から返還が始まります。
第一種奨学金とは、日本学生支援機構が提供する、無利息の奨学金です。
こちらの奨学金では、学力と収入の基準を満たしている場合に申し込むことができます。
申し込みは高在学中、もしくは大学進学後も行うことができます。
学力基準は高校の成績の平均値が3.5以上あること、収入基準は世帯人数によって異なり、世帯人数三人の場合は657万円、四人の場合は747万円です。
借りられる金額は進学する学校が国立か私立か、また自宅通学か下宿かによって異なります。たとえば私立大学に自宅から通う場合は2万円~5.4万円の範囲で貸与を受けることができます。
返済方法は2種類で、「所得連動返還方式」と「定額返還方式」があります。
所得連動返還方式では所得に応じて返済額が増減するため、返済期間が決まっていません。定額返還方式は、借り入れ金額から返済期間が決まります。
第一種の奨学金だけで足りないときは、後述の第二種奨学金との併用ができます。しかしながら、収入の要件はさらに厳しくなります。
第二種奨学金では先ほどの第一種奨学金とは異なり、返済時に利息が発生します。
こちらも第一種と同様に、申し込みには学力と収入の基準がありますが、第一種と比べると緩やかです。
学力基準は平均水準以上、収入要件は世帯人数三人の場合1,009万円、四人で1,100万円となっています。
借りられる金額は進学する学校の種類によって異なりますが、大学では2万円~12万円の範囲で貸与を受けることができます。また、私立の薬学部と獣医学部の場合には上限が14万円、医学部と歯学部の場合には上限が16万円となります。
なお、奨学金や大学独自の支援策(学費の延納・分納)ついてはこちらの記事で詳細を紹介しているので、気になる方はご覧ください。
新型コロナウイルスの影響を受け、自らの生活も苦しい中でお子さんの教育費を捻出するのはかなり苦しいかと思います。
しかし、手軽に借りることができる各種ローンは非常に高金利です。
文中にも記載しましたが、ローンにはそれぞれ目的があります。
教育費は家計の支出の中でも大きなウエイトを占めますが、その分非常に低金利でお金を借りることができます。
ローンなので後に返済しなければなりませんが、返済するときのことを考えると返済額は少しでも少ない方がいいはず。
また、いざというときは学生本人に奨学金を借りてもらうというのも手です。
教育ローン・奨学金のどちらにも共通して言えることですが、必要な額をしっかりと考え、必要以上に借りないようにしましょう。