自動付帯と利用付帯とは?|クレジットカードの海外旅行保険

自動付帯

海外旅行を計画しているときは色々な不安があると思います。
そうした不安解消に役立つのが保険です。

クレジットカードにも海外旅行保険が付帯しているものがあり、カードごとに補償内容が定められています。
また、クレジットカードの保険には「自動付帯」と「利用付帯」というものがあり、それぞれ保険適用の条件が異なります。

この記事では、自動付帯・利用付帯の適用条件や、海外旅行保険の補償期間について解説します。

1.自動付帯と利用付帯の違い

自動付帯はクレジットカードを所持していれば自動で適用される保険であるのに対して、利用付帯はクレジットカードを旅行費用に利用した場合に適用される保険のことを言います。

この場合の旅行費用はカード会社によって定められていますが、基本的にはツアー代金や交通費のことで、例えば飲食等の利用では適用されません。

  メリット デメリット
自動付帯 ・クレジットカードを持っているだけで保険が適用される
・旅行中に意識してクレジットカードを使う必要がない
・補償期間が決められており、複数枚あっても延長はできない
・利用付帯に比べて補償額が少ない場合が多い
利用付帯 ・自動付帯より補償額が高い場合が多い
・複数枚使うことで補償期間を延長できる
・保険利用にはクレジットカードで旅行費用を支払う必要がある

2.自動付帯の適用条件

(1)クレジットカードの所持だけで適用される

海外旅行保険が自動付帯されているクレジットカードは、持っているだけで自動的に適用され、海外旅行前のカード会社への連絡も不要です。
クレジットカードを発行してから一度もカード決済がなくても適用されます。

しかし、年会費を払っておらず、気づかないうちにクレジットカードが自動的に解約されていたり、クレジットカードの有効期限が過ぎたまま更新していない場合は保険が適用されないため、注意が必要です。

(2)一部の補償内容が利用付帯のカードもある

海外旅行保険が自動付帯であっても、一部の補償内容は利用付帯となっているクレジットカードがあります。
自動付帯だからと安心せずに出発前にご自身のクレジットカードの適用条件を確認することが大切です。

(例)三井住友VISA ゴールドカード
傷害死亡・後遺障害:自動付帯1,000万円、部分的利用付帯4,000万円、最高5,000万円まで増額可

3.利用付帯の適用条件

(1)カードで旅費を決済することで適用される

海外旅行保険が利用付帯されているクレジットカードは、ツアー代金や交通費等にクレジットカードを利用した場合に適用されます。

例えば、以下のようなカード利用で利用付帯の条件を満たします。

  • 旅行会社へのツアー代金の支払い
  • 旅行で利用する公共交通機関の代金(航空機、船、電車、バスなど)
  • 自宅から空港までの電車・バス・タクシー料金
  • 渡航先での公共交通機関の利用(カードによって異なる)

※クレジットカード会社が付帯保険について説明する文では公共交通機関でなく公共交通乗用具という言葉を使います。

日帰り旅行は対象外

通常、利用付帯の適用条件を満たすには、宿泊を伴う旅行でなければなりません。
そのため、日帰りツアーや日帰りバス旅行は対象外です。

公共交通機関以外は対象外

利用付帯が適用される公共交通機関は飛行機、電車、バス、タクシー、船などを指しています。公共交通機関ではない自家用車のガソリン代やレンタカー代などは認められません。

電車を利用する場合も、電子マネーへのチャージは原則として公共交通機関での利用とは認められません。

したがって、空港に行くまでの電車に乗るためにSuicaにチャージするだけでは、利用付帯が適用されないカードが多いです。

そのため、電車利用での保険適用を考えている場合は、乗車券をみどりの窓口や新幹線や特急券購入用の自動券売機でクレジットカードで購入することで適用されます。

そんな中、三井住友カードの公式サイトには以下のような記載があります。

カード利用条件を充足したこととなります。保険金申請の際、保険会社に対し、当該カードでチャージしたことを証明する書類(売上票など)のほか、チャージした電子マネーで公共交通乗用具を利用した(または宿泊を伴う募集型企画旅行の代金を当該カードでクレジット決済をした)ことを証明する書類(搭乗証明・明細書など)の提出が必要になります。

※当該カードでチャージしていない場合は、カード利用条件を充足したことにはなりません。

【引用元】よくあるご質問:三井住友カード

つまり三井住友カードの場合、Suicaにクレジットカードからチャージした明細があり、Suicaで電車に乗車した明細があれば、利用付帯の海外保険が適用されます。

(2)交通費での適用が出国前のみのカードもある

利用付帯のクレジットカードの中でも、それぞれのカードによって条件が異なります。
大きな違いとして、海外旅行保険の適用条件が出国前のカード利用に限定されているか、出国前でも海外現地でのカード利用でも適用されるか、というものがあります。

(例)
楽天カード:日本出国前の交通費のカード支払い
三井住友カード:日本出国前もしくは海外での交通費のカード支払い

自分のクレジットカードがどちらなのか事前にチェックするようにしましょう。

(3)事前に手続きが必要なカードもある

通常は、利用付帯のクレジットカードであっても自動付帯と同様にカード会社への事前の連絡は必要ありません。
ただし、お持ちのクレジットカードによっては事前に手続きが必要なものもあります。

(例)JCB一般カード
カード利用明細書の郵送を停止するサービスである「Myチェック」の登録と、交通費の支払いが海外旅行保険の適用条件になる

4.海外旅行保険の補償期間

海外旅行保険には有効期限があり、カード会社によって補償期間が定められています。

補償期間とは加入している保険が適用される期間のことをいいます。

(1)保証期間は原則最大90日間

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険適用日から60日間または90日間となっています。
自動付帯でも利用付帯でも、原則として日本出国日(旅行開始日)が保険適用日となります。

ただし、最初の90日間は自動付帯のクレジットカードの保険を使い、出国してから90日後に渡航先でも有効な利用付帯のクレジットカードで公共交通機関の料金を支払うことで、保険適用期間を最大で180日間にすることも可能です。

(2)一度帰国した場合は保証期間が延長される

一度帰国してから再出国した場合は、海外旅行保険の保証期間がリセットされるため、最大90日間の保険が再度適用されます。

しかし、その際の旅行費もクレジットカードで支払わなければならないため、注意が必要です。

5.まとめ

クレジットカードの海外旅行保険は、自動付帯か利用付帯かだけでなく、クレジットカードによって適用条件も少しずつ異なります。

そのため、旅行の前に必ず自身が持っているクレジットカードの海外旅行保険について確認することが大切です。

海外保険が充実しているクレジットカードについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。

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監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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