世界の消費税がない国

日本の消費税はとうとう10%の大台にのってしまいました。日本は世界有数の「赤字国家」なので、消費税を上げて穴埋めをしようというわけです。
ところが海外には、消費税がない国があります。そのような国は、どのように「やりくり」しているのでしょうか。
1.中東には消費税どころか教育費無料の国もある
中東の産油国のクウェートは、消費税がかからず、そのうえ教育費も無料です。クウェートが国民の負担を軽くすることができるのは、石油埋蔵量世界7位の資源大国のためです。国が潤っているので、税金を多く集めなくてよいわけです。
中東では、カタール、オマーン、バーレーンも消費税がない国です。
ただ、中東の大国であるサウジアラビアとアラブ首長国連邦は最近、消費税に似た付加価値税を導入しています。消費税ゼロでのやりくりは、やはり大変なようです。
2.アメリカには消費税のない州がある
アメリカでは消費税とはいわず、売上税と呼んでいます。アメリカは州によって売上税を課したり課さなかったりします。
売上税を課さない州があるのは、税金が安いと住民に喜ばれるので、人口流出を抑制したり、住民を集めたりすることができるからです。
デラウェア州は小さい州なので税収に困りそうですが、売上税を課していません。それは、同州が首都ワシントンD.C.に近いからです。売上税ゼロにすれば「ワシントンD.C.に住むより、デラウェア州のほうがよい」と考える人が増えることを期待できます。人口が増えれば、その他の税金を徴収することができるので「元は取れる」わけです。
その他、ニューハンプシャー州、オレゴン州、モンタナ州も売上税がありません。
3.マレーシアは消費税を廃止した
アジアでは、マレーシアが消費税を廃止しました。しかしその穴埋めとして、富裕層向けの税金を増やしました。また、ガソリン税も増額されました。
ある税を取らなければ、別の税を増やすことになります。誰かの負担が軽くなれば、別の誰かの負担が増える、というわけです。
4.香港にも消費税はない
香港は、制度としては消費税はありません。しかし、レストランやホテルでは10%のサービス料が加算されます。出国税や空港保安税といった税もあり、観光客には「消費税がない恩恵」は小さいかもしれません。
5.少し事情が違う北朝鮮
北朝鮮も消費税がない国ですが、その他の消費税ゼロ国とは事情が違います。
北朝鮮には消費税どころか一切の税金がありませんが、その代わり「強制募金」という仕組みがあります。
国民にとって「税より不快なもの」になってしまっています。
まとめ
世界の消費税ゼロ国をみると、石油で潤っている、他の州と差別化する、他の税金でまかなう、といった「やりくり」をしていることがわかりました。
消費税ゼロは簡単には実現しないようです。