メルペイの店舗導入|手数料と加盟店のメリットと注意点
フリマアプリで有名なメルカリが、キャッシュレスサービス「メルペイ」を開始しました。
事業者向けのメルペイを導入すれば、メルカリで取引をしているユーザーが所定の設定又はポイント購入をすることで、あなたのお店で買い物をすることができます。
今回は具体的な導入方法とメリット・注意点について説明していきます。
目次
1.メルペイとは?|店舗用・事業者用
メルペイの基本情報についてまずご紹介します。
メルペイはiOS(iPhone,iPad)、Androidに対応したQRコード決済アプリで、株式会社メルペイが運営しています。メルペイユーザーはメルカリで売り上げたお金をスマホ決済に利用することができるサービスです。
メルカリ月間利用者数は1,650万人※1で、年間売上金は5000億円※2に上ります。全国のメルペイユーザーがメルペイを通じてあなたの店に来店してくれることで集客効果や売上向上を見込める点がメルペイ導入の大きなメリットだといえます。
※1 JP版メルカリ事業の通期決算概況(FY2019.6より)
※2 2019年3月時点実績
(Wikipediaより引用)
メルペイはQRコード決済アプリとしては後発組で、2019年2月13日にサービスを開始しました。その後KDDI株式会社が運営するau PAYと業務提携をすることを発表し、さらに2020年9月からはドコモのd払いとQRコードを共通化することが発表されました。
これにより、1つのQRコードを設置することでメルペイ・d払いの両方の決済に対応できるようになります。
2.メルペイの手数料は無料になるケースあり
メルペイの導入を考える上で気になる決済手数料、入金手数料、入金サイクルはどうなっているか確認していきましょう。
2-1.初期費用・決済手数料
キャッシュレス決済を導入する場合専用端末などの費用がかかってしまうのですが、メルペイは初期導入費、利用料・固定費用が無料というのが最大のメリットです。
メルペイはスマホを持っていれば導入することができるのです。
決済手数料は他のサービスよりも低い「1.5%」に設定されていましたが、先述の「d払いとのQRコード共通化」に伴い2.6%に変更となりました。
ですが現在、決済手数料が実質無料になるキャンペーンを実施しており、2021年6月末までは決済手数料が発生しません。
2-2.入金サイクル・入金手数料
運転資金のやりくりで気になる入金のタイミングですが、月1回と月2回を選ぶことが出来ます。
・月2回入金の場合:15日締め、当月25日入金と月末締め、翌月10日入金
となります。なお、ゆうちょ銀行を入金口座に選んだ場合は上記日より2営業日後となります。
入金手数料は下記の通りで、2020年7月末から「入金手数料無料」の条件が緩和されます。
■2020年7月15日締めまでの入金手数料
- 10万円以上のおまとめ入金:入金手数料は無料
- 10万円未満の入金:200円
■2020年7月 月末締め分以降の入金手数料
- 1万円以上のおまとめ入金:入金手数料は無料
- 1万円未満の入金:200円
2020年7月末より「加盟店への入金手数料(200円)の無料条件」が10万から1万に引き下げられるため、1万円以上の入金であれば入金手数料はかかりません。
なお、売上金が10万円未満の場合は入金を繰り越す設定も可能です。
2-3.端末
メルペイを導入するにはカメラ付きのスマホ、もしくはタブレットが必要です。以下のバージョンであることが必要です。
最新のタブレット・スマホを持っていれば特に問題はありません。
OS | iOS 10.0以上 Android 5.0以上 |
ブラウザ | Chrome 最新バージョン Firefox 最新バージョン Internet Explorer 最新バージョン Microsoft Edge 最新バージョン Safari 11.1以上 |
2-4.注意点
メルペイを導入する上でいくつか注意点があるのでご紹介します。
- お客様が操作に慣れていないと逆に時間がかかってしまう可能性あり
- 1万円未満の入金は、入金ごとに200円の入金手数料がかかるので注意
- 入金先口座にゆうちょ銀行を指定すると、通常より入金が遅くなる
3.キャッシュレス消費者還元事業とは何だったのか
2019年10月から2020年6月30日まで行われていた「キャッシュレス消費者還元事業」とは何だったのか、「キャッシュレス消費者還元事業」の終了によって何が変わるのかを確認しましょう。
3-1.消費者に与えた影響
「キャッシュレス消費者還元事業」とは、増税後9ヶ月間に限って、登録した中小・小規模事業者での決済に対してポイント還元を支援するというものでした。
この事業における「消費者側のメリット」は、対象店舗でクレジットカードやQRコード決済、電子マネーなど指定されたキャッシュレス決済を行うとポイント還元が受けられること。ポイントの還元率は中小事業者で原則として5%で、フランチャイズチェーンやガソリンスタンド等の店舗の還元率は2%となっていました。
決済事業者が積極的にキャッシュレス決済によるキャンペーンを打ち出したこともあり、キャッシュレス決済は消費者にとって日常的で当たり前の存在となりました。
3-2.事業者側が得られたメリット
事業者にとってのメリットはキャッシュレス消費者還元事業の還元対象であることにより、キャッシュレス決済を導入する上での資金的な支援が受けられたことでした。
同事業では加盟店手数料の1/3の補助が受けられるほか、端末導入費用の補助も受けることが出来ました。
また、決済事業者がキャッシュレス消費者還元事業に参加する際「加盟店手数料率を3.25%以下にする」という規定がありました。同事業が終了したことで、今後各決済事業者で決済手数料を値上げする可能性はゼロではありません。
キャッシュレス消費者還元事業を経て消費者の間でキャッシュレス決済が浸透した一方、事業者側では支援の終了・決済手数料の値上がりなどによるコストの問題が発生しうる状況になっています。
4.メルペイ導入のキャンペーンについて
メルペイでは、「d払いとの共通QRコードリリースキャンペーン」として、通常の決済手数料が『実質無料』になるキャンペーンを発表しています。
■キャンペーン期間
- メルペイ:2020/9/1(火)~2021/6/30(水)
- d払い:共通QRコード提供開始日~2021/3/31(水)
■キャンペーン参加条件
下記の条件を両方満たした全ての事業者が、本キャンペーンに参加可能なメルペイ及びd払いの加盟店として自動的に登録されます。(キャンペーン参加に特別な申し込みは不要です)
- メルペイが提供する「店舗用アプリ」または「お客さま読み取り式」でメルペイ・d払い 共通QRコード決済を導入している加盟店
- 2020/7/1(水)以降、2021/6/30(水)までに加盟店登録の申込を完了した加盟店※
※2020/6/30以前に申し込みが完了している場合でも、新規約に同意する場合は本キャンペーンの対象となります。
こちらのキャンペーンには以下の注意点があります。
※POSシステムや決済ゲートウェイ、決済専用端末を利用した決済取引は対象外
※ネット決済・メルペイ電子マネー (iD)決済取引は対象外
※d払いのネット決済・iD決済での利用は対象外
*詳しくはキャンペーンページにてご確認ください
5.申し込み時に準備すべきものや開始までのスケジュール
実際にメルペイの導入を申し込んだときの手順やスケジュールを見ていきましょう。
5-1. 申し込みの手順
メルペイ公式ホームページの加盟店フォームに事業者情報を入力し申し込みます。
必要書類は以下のとおりです。
必要書類 |
---|
運転免許証(表裏面の両方) |
パスポート(日本国発行のみ、顔写真付きのページと住所が記載されているページ) |
住民基本台帳(マイナンバーカードは不可) |
健康保険証(表面裏面の両方) |
住民票(発行日から半年以内) |
在留カード |
外国人登録証明書 |
特別永住証明書 |
特別永住者証明書 |
なお個人事業主の場合は、代表者のいずれかの本人確認書類の画像(有効期限内の身分証等の画像(運転免許証、パスポートなど))を申込み時に添付します。
法人の場合は、登記謄本に記載の情報が必要です。謄本の原本は不要です。
5-2. 審査内容やかかる時間
必要書類や申し込み内容に不備がないか確認し、不備があればメルペイから事業者に連絡があります。
申し込みは審査なので以下の基準を満たしていない場合は通過しないこともあります。
- 加盟店規約への同意
- 未成年の場合、事前に親権者からの許可を得ていること。
- 過去にメルカリグループが提供するサービスの利用規約違反等により、メルカリグループからサービスの利用停止処分を受けていないこと
- 申告内容に虚偽の情報が含まれていないこと
5-3. メールが届く|初期キットが届く
内容に問題がなければ、数日で審査が完了します。
メールで結果が通知され、審査OKであれば登録したメールアドレスとパスワードで管理画面が利用できるようになります。
店舗用アプリは管理画面から手順に従い、手持ちのスマホやタブレットでダウンロードできます。
決済の準備はこれで完了です。審査通過後に郵送でスターターキットが送られてきます。
内容は店舗で使えるメルペイの説明書や店舗用ステッカーなどです。
6.メルペイでの決済方法
最後に、念のためメルペイで決済するときの流れを紹介します。
お客様の操作
先にお客様に操作してもらいます。
▼メルカリアプリを起動します。
▼下部のメニューから「メルペイ」を選択します。
▼コード払いを選択してコードを表示します。
店舗側の操作
次にお店側です。
▼メルペイ店舗用アプリを起動します。
▼会計を押して、金額を入力します
▼QR読み取り画面へを押し、お客様のスマホに表示されているQRコードを読み取ります
7.加盟店へのサポートはどうなっている
導入が不安な方やわからないことがある場合は、メルペイでは導入相談のフリーダイヤルで対応しています。
さらに加盟店向けにお問い合わせフォームによるサポートも行っており、わからないことは直接問い合わせることが可能です。
詳しくは「加盟店さま向けFAQ」をまずご覧ください。
*「加盟店さま向けFAQ」
まとめ
いかがでしょうか?店舗用のメルペイの手数料は、他のキャッシュレス決済よりも水準が低く設定されています。
導入自体も初期費用ゼロで審査もスピーディです。また、キャンペーンやキャッシュレス消費者還元事業などもあり、これを機にキャッシュレス決済を導入しようと考えている事業者の方には、良いタイミングと言えるでしょう。
提携先、ユーザー数が増えるポテンシャルの高いメルペイを今のうちに導入してみてはいかがでしょうか。