d払いを店舗に導入するメリット・デメリット・費用を解説

d払い 事業者

画像引用元| キャッシュレスならd払い

【7/2更新情報】
メルペイとのQRコード共通化(9月初旬~)
メルペイ・d払い 共通QRコードリリースキャンペーンで実質手数料無料

キャッシュレスブームの火付け役となった「QR/バーコード決済」。さまざまな企業が参入し、激しい競争が繰り広げられています。そんな中で利用者数の多いdポイントを軸にした「d払い」は堅実な人気を誇っています。

キャッシュレス決済の導入を検討する上で、候補の1つとして考えている方は多いのではないでしょうか。

この記事ではd払いを店舗に導入するメリット・デメリットをはじめ、初期費用・手数料といったコスト面についても解説します。

1.法人向けに解説「d払い」「d払い加盟店」とは?

まずは、d払いがどのようなサービスなのか基本的な部分を把握していきましょう。「d払いを店舗に導入する」という視点でご覧になってください。

(1)d払いとは?

「d払い」はNTTドコモが提供する「QR/バーコード決済」です。

お店に設置したQRコードを利用者のスマホカメラで読み取るだけで決済が行える他、バーコードを店員が読み取る形での決済にも対応しています。

QRコードが記載されたスタンドを設置するだけで済むので、レジ周りのスペースも取りませんし、決済時に利用者が迷うこともありません。

現金決済よりも手間が少なく、時間もかからないので業務の効率化にも貢献します。

(2)d払いの加盟店とは?

d払いを店舗に導入するには「d払い加盟店」に入る必要があります。

「d払い加盟店」とは簡単に言うと「d払いが利用できるお店のグループ」という意味です。

あなたのお店がd払い加盟店に加入すると、来店するお客さんは次のようなことができるようになります。

  1. d払いの利用によって200円あたり1ポイントのdポイントを貯めることができる
  2. dポイントによる支払いができる

なお、dポイントカードを提示することでお客さんのdポイントが貯まる「dポイント加盟店」というものがありますが、こちらについては別途加入が必要です。

現在、d払いの加盟店舗数は約6,000店。ローソンやセブンイレブン、ファミリーマートといった大手コンビニを始め、ドラッグストアファッション飲食店など、さまざまなお店に導入されています。

さらに、街のお店だけでなく、ネットのお店でもd払いが導入されており、メルカリやAmazon、Jリーグチケットなどで利用されておりd払いの利用機会・利用者数は拡大しています。

(3)d払いとメルペイの協業で何が変わる?

【7/2更新】2020年9月初旬から、「d払い」と「メルペイ」のQRコードが共通化されます。「メルペイ」というのはフリマアプリであるメルカリで得た売り上げを使ってスマホ決済が行えるサービスのことで、QRコードの共通化によって変わるのは以下の4点です。

  1. 1つのQRコードを置いておくだけで、d払いによる決済にもメルペイによる決済にも対応できる
  2. d払いのユーザーだけでなく、メルペイユーザーの来店も見込めるようになる
  3. メルペイ・d払いの手数料を2.6%に統一
  4. 決済手数料が実質無料になるキャンペーンを実施

2.d払い導入にかかる費用・加盟店手数料

キャッシュレス決済を導入する上で気になるのが加盟店手数料等の「コスト」ですよね。

機器などの初期費用や売り上げに課される手数料などのランニングコストなど、導入するのにいくらかかるのか解説します。

QR/バーコード決済の魅力の1つに導入コストの安さが挙げられることも踏まえて、d払いの導入コストについて詳しくみていきましょう。

(1)d払いの導入コストQ&A

d払いの導入にかかる費用について、下記のようにまとめたのでご覧ください。

  • 初期費用はどのくらいかかる?→0円
  • 月額費用はどのくらいかかるの?→0円
  • 手数料は?→加盟店手数料:3.24%(税込)
    ※メルペイとのQRコード統一で2.6%に変更(8/1~)
    ※実質無料キャンペーン実施中
  • 入金手数料はかかる?→0円
  • 店側で用意する必要機材はある?→売上管理ツールにアクセスできる端末(PC、スマートフォン、タブレット)

「加盟店手数料」とは、d払いで決済された売り上げに対して支払う手数料のことです。例えば、d払いによる売り上げが10万円あったとしたら、その3.24%※の3,240円の手数料が発生します。

※メルペイとのQRコード統一で2.6%に変更(8/1~)

また、入金手数料については加盟店側が支払う振込手数料は発生しません。

導入時には加盟店用の売上管理ツールを使用しますが、特別な機器などは不要です。PC、スマートフォン、タブレットなどがあれば別途導入費用などはかかりません。

3.d払い導入のメリット

店舗にd払いを導入するメリットについて詳しく紹介します。

導入することでどのようなメリットが得られるのか、店舗の運営状況などを考慮しながらご覧になってみてください。

(1)d払いのメリットは何?

d払いのメリットは大きく分けて4つあります。

  1. 釣銭要らずでレジ業務を簡略化できる
  2. 集客UPが期待できる
  3. 客単価UPが期待できる
  4. 端末操作が簡単

(1)釣銭要らずでレジ業務を簡略化できる

d払いを含め、キャッシュレス決済の大きな利点の一つがレジ業務の効率化です。現金決済のようにお金の受け渡し釣銭の計算が発生しないので、

  • 会計にかかる時間を短縮できる
  • 釣銭の間違いなどのトラブルが発生しない
  • 現金決済が減る分レジ締めが楽になる

というように、レジ業務にかかる時間を減らすことができます。

また、決済データは全て売上管理ツールに記録されるため、データを分析して売上向上のために役立てることも可能です。

(2)集客UPが期待できる

d払いを導入して「d払い」と「メルペイ」の共通QRコードを設置すると、dポイントユーザーとメルカリユーザーがd払い・メルペイを通じて来店してくれることが期待できます。

■dポイント・メルカリのユーザー数

  • dポイントクラブ会員 7500万人
  • メルカリ月間利用者 1650万人

「dポイントを貯めたい・使いたい」と思っている7500万人のdポイントユーザーとメルカリで出た売り上げを便利に使いたいメルカリユーザーに対して、

  • dポイントを貯められること
  • dポイントで支払いができること
  • メルペイで支払いができること

は大きなアピールポイントとなります。

「d払いができるお店」「メルペイが使えるお店」はインターネットやアプリで検索することもできるため、d払いの導入によって「顧客の新規開拓」「利用者層の拡大」など、集客アップが期待できるのです。

(3)客単価UPが期待できる

d払いを導入することで「dポイントによる決済」「メルカリの売上金での支払い」が可能になることにも注目が必要です。dポイントによる決済がどれだけ行われているのか、メルカリユーザーがどれだけの売上を上げているのか見てみましょう。

■dポイント・メルカリユーザーの年間利用金額

  • dポイントクラブ年間利用料 2000億円
  • メルカリ年間売上金 5000億円

メルカリの売上金やドコモのdポイントを利用したいお客様を取り込めば、ポイント消費のための「ついで買い」なども含めた売上向上が期待できます。

(4)端末操作が簡単

決済データは全て売上管理ツールに記録されており、店舗の取引検索や売上データのダウンロード、取引のキャンセルとった操作も端末1つで簡単にできます。

(2)d払いをお得に導入できるキャンペーンはある?

d払いは、メルペイとの共通QRコードリリースキャンペーンとして期間限定キャンペーンを発表しています。

キャンペーンに参加すると2021年3月31日(水)まで加盟店手数料が請求されません。

  • キャンペーン期間
    加盟店における「d払い」利用開始~2021年3月31日(水)
  • キャンペーン内容
    キャンペーン期間中「d払い」の決済手数料が実質無料
  • キャンペーン対象店:
    加盟店登録審査が完了した加盟店
    (キャンペーン参加に特別な申し込みは不要です)

4.d払い導入にデメリットはある?

さまざまなメリットが得られる「d払い」ですが、唯一のデメリットとしては決済手数料が継続的にかかる点です。

d払いの決済手数料はクレジットカードや電子マネーなどと比較すると安価な水準ですがそれでもランニングコストがかかることに違いはありません。

また、決済手数料などの補助が受けられる「キャッシュレス・消費者還元事業」も2020年6月末で終了しました。

ただし、キャッシュレス事業者の様々なキャンペーンによってキャッシュレス決済が浸透した社会の現状や、コロナ禍による「金銭の手渡し」を避ける消費者の風潮などをふまえると、「キャッシュレス決済を利用できるお店かどうか」ということが消費者にとって一つ、お店を選ぶ上でのポイントになっていることは確かです。

5.d払いの申し込みから導入までの手順

d払いの申し込みから導入までの手順を詳しくまとめていきます。

(1)申し込み手順

まずは、d払い導入に向けた申し込みを行います。公式サイトから申し込みフォームにアクセスし、必要事項を入力してください。

(2)必要書類

d払いの申し込みには必要書類の提出が求められます。

個人事業主の場合は下記の書類を用意してください。

  • 本人確認書類
    (以下書類の場合いずれか1点):運転免許証、パスポート、運転経歴証明書、在留カード、住民票の写し、印鑑証明書、住民基本台帳カード
    (以下書類の場合いずれか2点):健康保険証、公共料金請求書、領収書、納税証明書
  • 店舗外観写真

法人の場合は「店舗外観写真」のみを提出するだけでです。

また、業種に応じて許可証など別途必要になる場合もあります。

小売店や外食業、サービス業など別途必要な書類の提出が求められるので以下から確認するようにしてください。

【参照】「ご提出していただく許可証」

(3)審査内容、審査機関

申し込みフォームへの入力と必要書類のアップロードが完了したら、ベリトランス株式会社による審査が行われます。

審査期間は申し込み完了後、約20日程度が目安となっています。

(4)機材の送付

審査に通過すると事務局からスターターキット(QRコード等)が送付されます。

(5)QRコードの設置・サービス開始

送付されたQRコードを店舗に設置し、売上管理ツールの初期設定などを完了させれば決済での利用が可能になります。

6.d払いでの決済方法

d払いを実際に導入した上での実際の業務の流れを紹介します。

利用時の具体的なイメージを確認してください。

  1. 客:アプリを起動
  2. 客:店のQRコードを読む
  3. 客:金額入力
  4. 店:画面を確認
  5. 客:支払いをタップ
  6. 店:支払い画面を確認
  7. 支払い完了

7.まとめ

導入店舗向けのd払いのメリット・デメリット、コストについて解説しました。

d払いはQR/バーコード決済の中でも利用者数が多く、dポイントの連携など充実したサービスを提供しているので、導入による集客効果はかなり期待できます。

スマホ決済をお考えのオーナーの方には、d払いも併せて検討されることをおすすめいたします。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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