年金繰り上げ受給のメリット・デメリット|何歳からもらうべき?
老齢年金は基本的に65歳から受給しますが、60歳から前倒しして受け取る「繰り上げ受給」という制度もあります。 ただし…[続きを読む]

年金の繰り上げ受給のメリットには以下の4つがあります。
ここでは、この年金の繰り上げ受給の4つのメリットについて解説します。
目次
繰り上げ受給の一番のメリットは、65歳より前に年金をもらえることです。貯蓄が少なく生活が厳しい場合、年金をもらえば、生活費や医療費の一部に充てることができます。
2025年4月から施行された高年齢者雇用安定法では、企業に65歳までの雇用確保が義務化されました。ただし、これは定年を65歳まで延長しなければならないという意味ではありません。60歳を定年とし、その後は雇用契約を延長するか、または再雇用して、雇用を確保すればよいのです。一度、60歳で定年になることで、給料が大きく下がるケースが多いです。
60歳というと、まだ住宅ローンが残っていたり、子どもが大学(大学院を含む)に在籍していたりと、大きな出費がある人もいるでしょう。貯蓄が少ない場合は、やむを得ず、繰り上げ受給という選択になることもあります。
繰り上げ受給をすると、もらえる年金の金額は減りますが、早くから年金をもらい始める分、累計受給額は当初増えていきます。
たとえば、65歳からの本来の年金額が月額16万円の場合、80歳になった時点の累計受給額は、60歳繰り上げだと2,918万4,000円、65歳受給開始だと2,880万円で、60歳繰り上げのほうが多いです。80歳11カ月で逆転されます。
男性の平均寿命は81.09歳ですから、平均より寿命が短い場合には、繰り上げ受給をしたほうがお得になります。
もちろん、人はいつ亡くなるかわかりませんので予測は難しいですが、もしご自分があまり長生きできないのではと感じているのであれば、繰り上げ受給という選択はありだと思います。
貯蓄に余裕がある場合は、繰り上げ受給でもらったお金を、旅行や趣味などに使って人生を楽しむことができます。
日本人の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.13歳(2024年時点)と少しずつ伸びています。
一方で、厚生労働省の「健康寿命の令和4年値について」によれば、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を示す「健康寿命」は、男性が72.57歳、女性が75.45歳(2022年時点)です。それ以降は、病院や自宅で行動が制限されて過ごすことが多くなります。
年金に関するYouTube動画でいただいたコメントを見ると、若くて健康なうちにお金を使って楽しもうと考える人が増えてきているように感じます。「お金が足りないから」「得をしたいから」という理由での繰り上げ受給ではなく、人生をもっと楽しむためという目的での繰り上げ受給が、これから増えていくのではないかと思います。
ちなみに、これは私の勝手な予測ではありますが、高度経済成長以降に生まれた現在50代以下の人たちは、あまり長生きできないのではないかと考えています。なぜかというと、現在の若い世代は高齢者よりも心身ともに生きる力が弱いのではと思うからです。
日本人の平均寿命は年々少しずつ伸びていて、人生100年時代と呼ばれていますが、平均寿命を伸ばしている80代、90代の人たちは、第二次世界大戦の前か最中に生まれた人たちです。
当時は、戦争と貧困で、明日死ぬかもしれない、食べ物も着るものも十分にないという状況でした。病気になっても治療も受けられず亡くなった人も多いでしょう。その中をなんとか逃げ延び、貧困と病気にも勝って生き残った人たちが今の80代、90代です。ある意味、生きることに対して最強な人たちです。
それと比べて、高度経済成長以降に生まれた世代は、物質的に豊かで医療技術も発展した中で育ちました。食べるものに困ることはありませんし、病気になっても治療を受ければたいていの病気は治ります。それぞれ苦労はしていると思いますが、戦争の中を生き延びた人たちの苦労からすると、やさしいものかもしれません。
だから、現在50代以下の人たちは、生き抜く力に欠けるために、高齢になって体力が衰えたら、案外、早く亡くなってしまうのではないかと勝手ながら予想しています。
人生100年というのは現在の高齢者の話であって、これからは人生80年くらいが現実的なところであり、そう考えると、繰り上げ受給という選択肢もありではないかと個人的には考えています。
繰り上げ受給をすると年金が減額されますが、それが逆にメリットになることがあります。それは、住民税非課税になることで、たくさんの優遇措置を受けられることです。
たとえば、現役時代の40年間の平均年収が500万円で、65歳からの年金の月額が16万円、年額が192万円の場合、60歳繰り上げだと、月額12万1,600円、年額で約146万円に減額されます。
すると、65歳以降は住民税非課税になります。65歳以上で住民税非課税になる年金収入のボーダーラインは、東京都23区など都市部の場合、独身の方は155万円、扶養している配偶者がいる方は211万円です。独身の方は、通常通り年金をもらった場合は住民税非課税になりませんが、60歳繰り上げだと住民税非課税になります。
住民税が非課税だと、単純に住民税の支払いがなくなるだけでなく、次のようにさまざまな優遇措置を受けることができます。
これだけの優遇措置を受けると、実質的に少なくとも年間10〜20万円以上のメリットはあるでしょう。しかも一生続くわけです。繰り上げ受給で減額されると住民税非課税になることが判明しているのであれば、繰り上げ受給を検討してみるのも一つの選択肢でしょう。住民税非課税になるボーダーラインは自治体によってやや異なりますので、お住まいの自治体に確認してください。参考までに、いくつかのパターンを掲載しておきます。
なお、ここで紹介したのは、65歳以降は仕事をしないで収入は年金だけの場合です。仕事をして給料をもらうと、ほとんどのケースで住民税非課税のボーダーラインを超えてしまいます。65歳以降は仕事をしないと決めている人であれば、繰り上げ受給はありでしょう。
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