加給年金の計算ツール【2025年版】
厚生年金の加給年金の金額を計算するツールです。 利用方法 入力項目 本人の生年月日 年金を受給する本人の生年月日を選…[続きを読む]

会社員や公務員として働いていた人と、専業主婦・専業主夫や自営業者とでは、老後の年金額に差が出ることがあります。
「振替加算」は、一定の条件を満たすと年金にお金が上乗せされる制度で、こうした差を調整する仕組みの一つです。
この記事では、振替加算とはどのような制度なのか、なぜ作られたのか、そしてどのような場合に関係してくるのかをわかりやすく解説します。
目次
日本の年金制度は、以下の通り、2階建になっています。
| 自営業者 | 国民年金のみ |
|---|---|
| 会社員や公務員 | 国民年金+厚生年金 |
会社員や公務員は国民年金以外に厚生年金にも入っているため、将来もらえる年金が比較的多く、一方で、専業主婦・専業主夫や自営業者などは国民年金が中心になるため、年金額が少なくなりやすい傾向にあります。
そこで考えられたのが「振替加算」です。
厚生年金に加入できない専業主婦や専業主夫などが65歳になったとき、条件を満たしていれば年金にお金がプラスされる仕組みです。
振替加算は、本人が厚生年金を受給する配偶者より年上の場合を除き、原則として申請は不要です。
一方、配偶者が65歳になるまでに、年金を受け取ることができるようになった厚生年金加入者が一定の要件を満たせば、「加給年金」という上乗せがつくことがあります。
この加給年金は配偶者が65歳になると終了し、その代わりに、一定の要件を満たせば、振替加算制度が始まります。
このサイトには、本人の生年月日や、配偶者の有無、子供の人数などを入力するだけで、加給年金を計算できる「加給年金計算ツール」を無償で提供しています。ご自由にご利用ください。
なお、この加給年金をもらうには、申請が必要です。
今では共働きの家庭も多くなっていますが、昔は「夫が働き、妻が家庭を守る」という家庭が多く、会社員の夫は厚生年金に入ることができる一方、専業主婦の妻は厚生年金に入ることはできませんでした。
その結果、次のような問題が起こりました。
厚生年金をもらっていた会社員だった夫が死亡したりすると、妻の生活が苦しくなる可能性があります。
そこで国は、専業主婦などの年金が少なくなりすぎないようにするため、年金にお金を上乗せする制度を作りました。それが振替加算です。
つまり振替加算は、昔の働き方の中で生まれた制度ともいえます。
振替加算は、65歳になった配偶者が条件を満たせば年金に上乗せされます。
たとえば次のようなイメージです。
妻の年金は国民年金が中心になるため、金額が少なくなりがちです。
そこで、夫が65歳になって年金を受け取るようになると、条件を満たしていれば妻の年金に振替加算がつくことがあります。
つまり振替加算は、配偶者が65歳になることがきっかけになって、自分の年金にプラスされるお金と考えるとわかりやすいでしょう。
振替加算は、誰でももらえるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
主な条件は、次のようなものです。
老齢基礎年金の受給権がある
振替加算は、ご自分の老齢基礎年金に上乗せされる年金です。
そのため、原則として 65歳以上で、老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たしていなければなりません。
本人が1966年4月1日以前に生まれている
これより後に生まれた世代に、基本的に振替加算はありません。
配偶者が厚生年金の加入期間20年以上など、加給年金の対象となっていたこと
配偶者が厚生年金に20年以上加入していたなど、加給年金の対象でなければなりません。
振替加算の金額は一律ではなく、生まれた年によって決められています。そのため、同じ条件でも人によって加算される金額が異なります。
振替加算は、自分の老齢基礎年金に上乗せされる仕組みなので、実際に受け取る年金額は次のように計算されます。
受け取る年金額= 老齢基礎年金 + 振替加算
たとえば、老齢基礎年金が年間70万円で、振替加算が年間10万円の場合は、次のようになります。
老齢基礎年金70万円/年 + 振替加算10万円/年 = 受給する年金額80万円/年
このように、振替加算は自分の年金に追加される形で支払われます。
振替加算の金額は、法律で定められた基準額をもとに、生年月日によって次の通り段階的に設定されています。
振替加算額= 振替加算基準額 × 政令で定める率
例えば、昭和30年10月30日生まれの専業主婦に対する振替加算額(年額)は、以下の通りです。
振替加算基準額238,600円 × 政令で定める率0.227 = 54,162円/年
この金額をまとめたのが、下表です。
| 配偶者の生年月日 | 政令で定める率 | 年額(円) | 月額(円) |
|---|---|---|---|
| 昭和30年4月2日から昭和31年4月1日 | 0.227 | 54,162 | 4,513 |
| 昭和31年4月2日から昭和32年4月1日 | 0.2 | 47,860 | 3,988 |
| 昭和32年4月2日から昭和33年4月1日 | 0.173 | 41,399 | 3,449 |
| 昭和33年4月2日から昭和34年4月1日 | 0.147 | 35,177 | 2,931 |
| 昭和34年4月2日から昭和35年4月1日 | 0.12 | 28,716 | 2,393 |
| 昭和35年4月2日から昭和36年4月1日 | 0.093 | 22,255 | 1,854 |
| 昭和36年4月2日から昭和41年4月1日 | 0.067 | 16,033 | 1,336 |
| 昭和41年4月2日から | - | - | - |
【出典】「加給年金と振替加算」から抜粋|日本年金機構
2026年3月13日現在
一般的には、年間で数万円から十数万円程度が加算されることが多いですが、生まれた年が新しいほど金額は少なくなります。
これは、振替加算がもともと専業主婦が多かった時代の年金格差を調整するために作られた制度であり、社会の変化に合わせて対象世代が徐々に限定されているためです。
振替加算の金額は固定されているわけではなく、物価や賃金の変化に合わせた年金改定によって見直されることがあります。
そのため、同じ生年月日の人でも、年度によってもらえる金額が変わることがあります。
振替加算は年金額を増やす仕組みではありますが、老齢基礎年金そのものと比べると金額はそれほど大きくありません。
そのため、生活費のすべてを支えるものというよりは、年金額を少し補う役割を持つ制度と考えるとよいでしょう。
前述の通り、すべての夫婦が対象になるわけではなく、働き方や年金の加入状況によっては、振替加算がつかないこともあります。
さらに、年金制度は社会の変化に合わせて見直されることがあり、将来制度が変わる可能性もあります。
また、老齢基礎年金を繰り下げて受け取る場合には、繰り下げている期間中に振替加算を受け取ることができません。そのため、繰り下げを検討するときは、振替加算との関係も考える必要があります。
振替加算のポイントをまとめると、次の通りです。
年金制度は少し難しく感じるかもしれませんが、多くの人が将来受け取ることができます。
振替加算のような制度を知ることで、社会がどのように人々の生活を支えているのかを理解するきっかけにもなるでしょう。