住民税非課税世帯10万円給付金は世帯分離・失業中・貯蓄があっても貰えるの?
この記事では「住民税非課税世帯等への10万円給付金」について、
- 世帯分離をしている人は給付金もらえるの?
- 収入がゼロ円/失業中でも給付金をもらえるの?
- 貯蓄があっても給付金をもらえるの?
というような疑問を解決していきます。
動画版
目次
1.住民税非課税世帯10万円給付金、世帯分離をしている場合はどうなる?
まずは世帯分離をしているケースについてお話ししていきます。
世帯分離という手続きをすると、同じ住所に住民登録をしていても世帯を分けることができます。
例えば、お父さんお母さん娘さんの3人暮らし・3人世帯で、娘さんだけ令和3年度文の住民税の支払いがある場合、世帯分離をすることで、同じお家に住んで同じ住所に住民登録をしたまま、
①お父さんお母さんの世帯
(二人とも令和3年度の住民税が非課税の世帯)
と
②娘さんの世帯
(令和3年度の住民税が課税の世帯)
というふうに世帯を分けることができます。
このように世帯分離をしている場合に給付金がもらえるのかどうかについてですが、二つ、ルールがあります。
(1)2021/12/10以前に世帯分離をしていれば給付金の対象
まず一つ目のルールは、
2021年12月11日以降に世帯分離をしていても、同一世帯とみなされる
ということ。
例えば、同じ住所に住民登録をしている家族が世帯分離をして、
お父さんお母さんの世帯(住民税非課税世帯)
と
息子さん夫婦の世帯(住民税課税世帯)
というふうに世帯を分けるとして、世帯分離をしたのが2021年12月10日以前であれば、お父さんお母さん世帯は「令和3年度の住民税非課税世帯」として給付金を受け取ることができます。
一方、世帯分離をしたのが2021年12月11日以降であれば、今回の給付金の対象にはなりません。
(2)住民税を支払っている人の扶養親族のみで構成される世帯は給付金の対象外
上記の通り、2021年12月10日以前に世帯分離をしているのであれば、給付金を受け取ることができるということになるのですが、ここで一点注意があります。
それが、「二つ目のルール」に関わる部分です。
もし、上記の例え話で出した「お父さんお母さんの世帯(住民税非課税世帯)」のお二人が、二人とも、息子さんの扶養親族の場合は、世帯分離の時期に関係なく給付金の対象とはなりません。
というのも、今回の給付金のルールとして
住民税が課税されている人の扶養親族等のみからなる世帯は給付金の対象外
=ご家族の扶養親族として、年末調整書類や確定申告書類に記載されている人のみからなる世帯は給付金の対象外
となっているからなんですね。
ということで、世帯分離をしているご家庭の場合、2021年12月10日以降に世帯分離をしていれば給付金の対象になりますが、住民税が課税されている人の扶養親族等のみからなる世帯の場合、世帯分離の時期には関係なく給付金の対象外となります。
2.住民税非課税世帯10万円給付金、失業中・収入が0円の場合はどうなる?
続いて、収入がゼロ円・失業中でも給付金をもらえるの? というテーマでお話しします。
令和3年1月以降に収入が下がった「家計急変世帯」の場合、令和3年1月以降に「新型コロナの影響で住民税非課税世帯と同等以下の月収になった月」が一つでもあれば支給の対象になります。
なので、コロナ禍で仕事がなくなって月収が0円になったのであれば、今回の給付金の支給対象ということになります。こちらは内閣府コールセンターで確認済みです。
ここで気になるのは
- 申請書類への記載内容
- 申請書類に添付する、月収を証明する書類
ですね。
家計急変世帯用の申請書には、
令和3年1月以降の任意の一か月の月収
を記載し、
その月収を証明する書類
を添付します。たとえばアルバイトの方なら、給与明細のコピーなどが該当します。
ですが、収入が0円となったら、それを証明する書類と言われても何を用意していいのか迷ってしまいますよね。
また、収入がゼロ円になったことがコロナ禍の影響だということも、どう証明すればいいのか悩んでしまうのではないでしょうか(なにせ、申請書には「コロナ禍による減収であること」を誓約し、誤りがあれば給付金を変換するという同意項目がありますし、リーフレットには「コロナ禍に関係ない減収をもとに給付金を受け取ったら最悪詐欺罪になりますよ」というちょっと怖い一文も書いてありますしね)。
それぞれ確認していきましょう。
収入がゼロ円ということを証明するための書類
「収入がゼロ円」ということを証明するための書類ですが、まず、内閣府のコールセンターに問い合わせてみました。
その結果、
- 収入がゼロ円ということを証明するためにどのような書類が必要になるのかは自治体による
- なので、どんな書類が必要なのか(あるいは何も用意しなくていいのか)は自治体に確認してみてほしい
- 国で規定をしているわけではない
という回答をいただきました。
ということで、お住まいの地域の自治体で既にコールセンターが開設していたり申請の受付が開始しているようであれば一度お電話で確認してみると良いかと思います。
例として、既に申請の受付を開始している江戸川区さんのコールセンターにも問い合わせてみました。
そこでお話をうかがったところ、
収入がゼロ円になったことを証明できる書類というのは難しい
なので、
例えば雇い止めにあったり失業してしまったと言うのであれば、申請書の収入を記載する欄にはゼロ円と記載した上で、余白などに「令和XX年XX月から新型コロナの影響で雇い止めにあってしまい、現在も失業状態です」というように記載をしたり、失業手当を受け取っているようであればその関係書類のコピーをつける
など、
「今どんな事情でこの給付金に申請したのか」をできる限り説明したり関係しそうな書類を添付してくれれば、改めて事情をおうかがいするために役所からお電話をします
というふうにお答えをいただきましたので参考にしていただければと思います。
収入がゼロ円になったことがコロナのせいというのをどう証明するのか
続いて「収入がゼロ円になったことがコロナのせいというのをどう証明するのか」についてですが、同じように江戸川区さんのコールセンターで確かめてみました。
その結果次のようなお答えをいただきました。
「新型コロナのせいで収入がゼロになった」というのを証明する書類というのは実質ありませんので、何か書類を添付しなくてはいけないということではありません
この他、岐阜県岐阜市では「収入がゼロ円の月を基準に給付金の申請をした人」のための専用書類を用意していて、
- いつから収入がないのか
- 新型コロナの影響がどういう形で出たために収入がゼロになったのか
を申請者に記載してもらう形をとっています。
お住まいの地域の自治体HPを要チェック
ということで、失業中だったり収入がゼロ円の場合の申請内容・添付書類については、自治体によって多少対応の差があります。
申請の際はお住まいの地域の自治体HPをチェックしていただければと思います。
3.住民税非課税世帯10万円給付金、貯金があっても貰えるの?
最後に、「貯蓄があっても給付金をもらえるのか」という話をしたいと思います。
今回の給付金が支給されるかどうかは
令和2年の年収
(令和3年度の住民税非課税世帯)
または
令和3年1月以降の月収
(家計急変世帯)
で判断されます。
あくまで「収入」が条件になっているので、貯金の金額は審査の対象となっていません。