インボイス制度が廃止・延期になる可能性はあるの?

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに850以上作成(2021年時点)。
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  • インボイス制度を廃止してほしいが、どうなっているの?
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そんな切実な疑問をお持ちの方に向けて、現状の、インボイス制度の廃止・延期の動向について解説します。

1.インボイス導入は決定事項

インボイス制度は安倍政権時代、平成28年度税制改正でその導入が決定しました。その後、平成30年度税制改正において「消費税法施行令等の一部を改正する政令」(平成30年政令第135号)として詳細が決定されました。インボイスについては新消費税法第57条の4にその内容が定義されています。

インボイスの導入は決定事項であり、残念ながら、現時点では延期や取りやめの動きはありません。インボイスの記載内容や開始時期に関する法律は国会で議案が提案され、審議可決されています。したがってインボイス制度の実施を延期・廃止しようとするのであれば、法律改正が必要となります。

2.インボイス廃止(中止)・延期を求める声

インボイス制度には政党や各種団体、フリーランスや個人事業主から多くの反対意見があがっています。まずは各政党の見解を見てみましょう。

政党立場見解
自由民主党推進免税事業者への影響を最小限にするため、移行までの十分な準備期間と経過措置等の対策を講じる。
公明党推進消費税転嫁拒否を防ぐために必要な制度である。免税事業者への影響は経過措置や簡易課税制度の利用によって軽減できる。
社民党推進インボイス制度は歓迎。しかし、簡易課税制度の拡大や、経過措置の延長などの対策を講じるべき。
日本維新の会推進
(延期も検討)
インボイス制度は必要な制度である。しかし、新型コロナの影響を考慮し延期も検討すべき。
立憲民主党延期新型コロナウイルス感染症が収束し、経済状況が回復するまでの間、導入を延期すべき。
日本共産党反対免税事業者は消費税を転嫁できておらず、そもそも「益税」はほとんど発生していない。インボイスの導入は中止すべき。
国民民主党反対コロナ禍の影響が収束するまで事業者の消費税を免除。インボイス制度は導入しない。
れいわ新選組反対消費税自体を廃止すべきである。

これを見ると、自民党、公明党の与党に加え社民党が明確な賛成派と言えます。また、日本維新の会も延期を検討すべきとしつつもインボイス制度自体は必要であるとしています。

立憲民主党もコロナが収束するまでは延期すべきと主張しており、維新と同じスタンスであると思われます。

一方、明確に反対しているのは共産党、国民民主党、れいわ新選組の3党です。

また、各種団体からも反対意見が多数あがっています。日本商工会議所や日本税理士会連合会をはじめ、様々な業界団体がインボイス制度への反対を表明しています。

【反対を表明している主な団体】

日本商工会議所、全国建設労働組合総連合、日本税理士会連合会、全国青色申告会総連合、全国中小企業団体中央会、中小企業家同友会全国協議会、全国青年税理士連盟、全国商工団体連合会、東京税理士政治連盟など

インボイス制度導入によって影響を受ける可能性が高い業界団体はもちろん、税理士による団体からも反対意見が多く上がっています。

業界団体だけでなく、個人事業主やフリーランスの中にも声をあげている人は多数います。フリーランス協会が「インボイス制度導入によるフリーランスへの影響・不利益を最小限とするための取組み要請」を申し入れたほか、個人レベルでもSNSやブログで廃止を求める運動を行っている方もいます。

様々な方面から反対意見が噴出していることからも、インボイス制度が与える影響の大きさが分かります。

3.インボイスに反対するには?

インボイス制度を延期・中止するには、国会議員に意見書などを提出し、その結果として延期・中止の法案が提出され可決される必要があります。個人の力だけでは難しいですが、反対意見を集めて力を合わせれば可能性が生まれるかもしれません。

例えば「全国商工団体連合会」のサイトでは、インボイス制度反対の署名を募っています。このような署名に参加するのも一つの手段です。

【参照】全国商工団体連合会

また、世論を形成するために、SNSやブログで困った状況を発信していくという方法も有効かもしれません。実際にTwitterなどでインボイス制度反対の活動をしている方もいます。昨今ではSNSなどで国会議員に対して意見書のようなメッセージを送れば、それを受け入れてもらうことも期待できます。インボイス制度に反対したい方は身近なところでも行動してみてはいかがでしょうか。

法律が成立しても延期した例もある

消費税率8%から10%への増税が数年にわたって延期されたことを覚えている方も多いと思います。

消費税の増税は民主党政権時代の2012年に「消費増税法」として成立しました。消費増税法では「2015年10月に消費税を10%に引き上げる」との記載がありましたが、実際に消費税が10%に上がったのは2019年10月からです。その間、経済的な影響を理由に消費税増税が2回延期されました。

このように、法律に明記されたとしてもその後の景気動向や世論などによって実施が延期されることも有り得るのです。インボイス制度反対派の人は小さなことでもいいので反対意見を発信していくことが大事ではないでしょうか。

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