【博士課程の大学院生必見】生活費240万円を支給

今回、博士課程の方を対象に生活費を支援する制度が設けられることとなりました。

対象者や金額、条件などについて最新情報をまとめていきます。

情報が更新され次第、随時追加していきます。

1.今回の制度の概要

今回の制度は、日本の国際的な競争力の維持に欠かせない専門人材の育成につなげることを目的として、博士課程に進学することを後押しするために設けられます。

具体的には、生活費を賄える額として、大学を通じて一人当たり年間240万円を支給するといったものになります。

2.支給金額はいくら?対象者は?

(1)対象者

対象となるのは制度が適用されることが決定した、大学に通う博士課程の大学院生です。

現状で対象者は7800人ほどであるとされています。

なお、対象となる大学や学生になどの詳細情報については今後発表される見込みです。

現状人工知能(AI)や量子技術といった成長分野などに力を入れたり、就職支援の充実に力を注ぐ場合を想定しています。

(2)いくらもらえる?

詳細は発表されていませんが、概算で以下のように見積もられております。

  • 年間の生活費:240万円
  • 研究費の支援として(一部):平均50万円

今後発表され次第、追記してまいります。

3.今回制度を導入する背景とは

今回、支援制度を導入する背景として、博士課程への進学の後押しは日本の国際競争力を維持する観点からも重要であると判断したからです。

なぜなら、博士課程で専門分野を研究する学生が少なくなれば、先端分野などの研究を支える担い手も当然減ってしまいます。

諸外国との比較でも2000年の人口100万人あたり博士号取得者数は日本が127人であるのに対し、米国が141人、韓国が131人とほぼ同水準でした。

しかしが2015年度は米国は259人、韓国は256人と増加したのに対して、日本が118人にとどまってしまったことも今回制度を導入する背景として挙げられます。

4.博士課程への進学の実態

博士課程への進学の大きな足かせとなっているのが、経済面であるとされています。

科学技術政策研究所(現在の科学技術・学術政策研究所)によって2008年に理系修士学生へ調査を実施したところ、博士課程への進学検討に関し「一番重要」な項目の上位に「経済的支援の拡充」(23.6%)や「民間の雇用」(21.6%)があがりました。

現在、博士課程の学生は日本全体でおよそ7万4000人ほどいるとされていますが、JASSOの奨学金などによって、生活費を満たす水準の枠は7500人にとどまっています。

そのため、今回の支援制度でもすべての学生を救うことはできませんが、より多くの方を経済的に支援できる制度になることを期待したいと思います。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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