新型コロナで大変な今だからこそ、働く学生に知って考えて欲しいこと

アルバイト カフェ 店員

新型コロナの感染者数は、どうにか底打ちが見られてきました。
けれども、治療薬もワクチンもない新型コロナは、一旦収束はしても、今後第2波、第3波が来ると予想されています。

このような状況の中、働きながら学んでいる学生を取り巻く環境も一変しました。
昨年までの恒常的な人手不足の状況は激変して、「働きながら学生を続けていけないかもしれない」という不安で、頭の中でやるべきこと、考えるべきことが整理できないでいる学生さん達も多いことと思います。

そんな今だからこそ、是非働く学生の皆さんに知っておいて欲しいことがあります。それは、「働いているのであれば労働者である」という自覚を持たなければならないということについてです。

1.働く必要がある学生の方に考えてほしいことは3つ

この記事を読む学生の方は、何かしらの事情で学生を続けるために働く必要がある方であることを想定しています。そのような学生の方々には、今、改めて3つのことを考えて欲しいと思います。

  1. 学生を続けるために毎月いくらの収入が必要か、きちんと考えましたか?
  2. 1.で必要であると計算された収入はどのようにしたら税務上有利か調べましたか?
  3. 働くということは、学生であり労働者でもあるということをきちんと考えましたか?

この3つのことを考えた場合に、知っておくべき最低限のことを、この記事では網羅したいと思います。最後まで読んで頂き、「そんなこと全然知らなかった!」ということがあったら、そのことは今からでもきちんと考えて欲しいと思います。

2.アルバイトをするということは労働者になるということ

高校を卒業して、大学なり専門学校に進学をしようと思ったけれども、学費、生活費の全て、または一部は自分で賄う必要があると分かった時、2つの選択肢があったと思います。

一つは奨学金を使うこと、もう一つはアルバイトをして自分で稼ぐことです。
2つの手段を使っている人もいれば、片方だけの人もいると思います。ここでは、「アルバイトをして自分で稼ぐこと」について、知っておくべきことを説明します。

2-1.アルバイト先を選ぶ時、何を基準に決めましたか?

日本では昨年まで人手不足であったので、学生の方がアルバイト先を見つけるのは苦労しなかったと思います。そして、多くの学生の方は、手っ取り早く見つかったアルバイト先を選んだと思います。

「友達の紹介、時給が高い、賄い食が美味しい等々」

けれども、学生を続けるために自分で働く必要があるということは、その仕事がなければ生活が出来なくなるということであると、その時考えたでしょうか?
つまり、皆さんは学生であっても、アルバイト先を選ぶ時は、「自分は労働者になる」という自覚を持たないといけないのです。

アルバイトであっても、立派な労働者ですから、国は、労働基準法という法律を設けていて、皆さん達を最低限守るルールを定めています。
学生でアルバイトをする方に特に関係があるルールは次の通りです。

① アルバイトであっても、雇用者は、労働者に対して具体的な就労条件を書いた書面を必ず渡すことになっています。そのような書面は貰いましたか?そして、その内容を確認していますか?

※雇用通知書はこのようなものです。
【参照】厚生労働省:雇入通知書(労働条件通知書)サンプル
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/library/tokyo-hellowork/top/pdf/koyo013.pdf

②  アルバイトも含めてその賃金について、「賃金の支払いの5原則」というルールがあります。アルバイト代は、①通貨で、②全額を、③労働者に直接、④毎月1回以上、⑤一定の期日に支払われなければなりません。

③ そして、アルバイトの時給は都道府県ごとに定められた最低賃金以上でなければいけません。
【参照】厚生労働省:令和元年度 最低賃金一覧表
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000537302.pdf

④ アルバイトでも、残業をした場合には、労働基準法に定められた残業代を受取れます。

⑤ アルバイトでも、会社都合で自由に辞めさせることはできません。
雇用者は、会社のルール(就業規則)に労働者を解雇することができる場合を記載しておかなければならないことになっています。そして、どのような合理的な理由があっても、解雇するときには、少なくとも30日前に解雇の予告をしておく必要があります。
予告なしで解雇する場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。

3.労働基準法では、非常時の給与の前借り・前払いの制度がある

日本では多くの場合、当月分の給料は翌月に支払うことが多いですが、労働基準法では、緊急非常時には、雇用者は給料の前払いに応じなければならないと定めています。

労働基準法第25条
使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

そして、上場している大企業などでは、この労働基準法よりも幅広く給料の前払を福利厚生の一環として整備しているところがあります。

3-1.給料前払制度が充実している日本マクドナルドやスカイラークグループ

大々的に宣伝をしているわけではありませんが、学生の方々や主婦の方が多く働いているこのような外食チェーン企業では、アルバイトやパート社員を戦力として必要としているので、そのような人達が必要とする福利厚生が充実しています。その中の一つが、給料前払制度になります。日本マクドナルドは会社のHPできちんと明示されています。

【参照】日本マクドナルド:クルーの特典
https://www.mcdonalds.co.jp/recruit/crew_recruiting/benefits/

その他、きらぼし銀行の仕組みを使って労働者は振込み手数料だけを負担することで既に働いた分の一部の給料の前払を受け取ることが出来る企業が多数あります。
きらぼし銀行のサービス導入企業一覧表はこちらになります。

【参照】きらぼし銀行:前給導入企業一覧
https://www.kiraboshibank.co.jp/hojin/fukurikousei/maekyuu/donyuukigyou.html

現在、給料の前払サービスを提供する企業がたくさん出てきていますが、中には金利換算すると違法金利となるような悪質なサービスも多数存在しています。給料の前払は決して珍しいサービスではなく、信用のおける大企業では、このように銀行を使ってきちんと運営されていますので、アルバイト先を探す時は、このような福利厚生の仕組みがあるかどうかを調べることが必要です。

3-2.外資系企業では給料を週払いする企業もあります

一般の求人で見つけることは難しいかもしれませんが、外資系企業では、アルバイトの給料は、週払いをするところもあります。すでに日本から撤退してしまったアメリカ資本のアパレル企業では、アルバイトには週単位で給料を支払っていたところもありました。

外資系と聞くと、なんとなく仕事が厳しいような先入観を持っている人も多いと思いますが、実は、日本以外のほとんどの先進国では、アルバイトのように時間給で働く労働者への給料は、週単位、又は2週間単位で支払わなければいけない国が大半なのです

3-3.海外では、アルバイトは、週に1回または2週間に1回給料を貰えるのが常識

日本では、学生のアルバイトは、根拠もなく軽んじて扱われている傾向がありますが、それは、学生の多くのが労働基準法は知らないと高を括っている雇用者が実は多いからです。

その理由として、多くの学生が、友達や先輩の伝手を使ってアルバイト先を探してしまっているということがあると思います。このような紹介でアルバイト先を選ぶと、すでに説明をした雇用通知書も交付しない雇用者もいますので注意が必要です。

けれども、海外では、学生も普通の労働者と同様に、雇用者と対等に交渉をすることを知っています。それは、親が子供にそのように教育をしているということが大きい要因です。

アメリカやイギリスなどでは、小学生の頃から、お金について学ぶ時間を学校で設けているところが多いですし、親も、子供に何かお手伝いをする対価としてお小遣いを渡すようにしている人が多いのです。文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、日本のように、高校生までは子供扱いで、高校を卒業した途端にいきなりアルバイトで生計を立てなければならない環境に置かれるという落差があるという点で、日本の大学生などは労働者としての理論武装が不足しているというのが現状です。

3-4.ILO条約を知っていますか?

ILOは、International Labor Organizationの略で、国際的に労働者の権利を定めて労働者の地位向上を図っている国際機関です。そして、先進国の中で、日本は批准していないILO条約が多い後進国と言われているのが実態です。

その中で、時間管理される労働者の賃金保護を定めたILO第95号条約というのがありますが、日本は批准をしていません。この条約では、時間管理をされている労働者の賃金は、遅くとも労働日から16日後には支払うようにすることと定められています。

そのため、多くの海外の国々では、時間管理で労働をしているアルバイトの給料は、1週間単位や2週間単位で支払われているのです。

4.親の扶養範囲で働くか、勤労学生控除を使って働くか?

調べたところによると、学生の方が自分で稼がないといけないのは、概ね生活費(大学で必要な教科書代なども含む)のようです。学費は、親が出すか、又は奨学金を利用しているようです。従って、首都圏で一人暮らしをしている学生は、概ね月額8万円から10万円は稼ぎたいと思って働いているようです。

この場合ですが、学生の皆さんは、親の所得の扶養範囲に収まる収入である年額103万円以内で働いていますか?
それとも、勤労学生控除を使って、税金がかからないギリギリの年額130万円を念頭に置いて働いていますか?
もしかしたら、そのようなことは全然考えないで働いていますか?

学生は、通常の労働者の雇用保険や社会保険の加入条件である、「週20時間以上、1か月以上継続して働くこと(社会保険については1年以上)等」の条件を満たしていても、学生であるということで、雇用保険や社会保険は原則として加入できないことになっています(夜間大学の学生などは除きます)。

つまり、学生の本分は、あくまでも勉強であり、働くことが生活のメインであることは想定されていません。けれども、中には自分の生活費以上の額を稼がないといけない苦学生もいるということで、「勤労学生控除」という制度があり、大学が発行してくれる証明書を使うことで、年収130万円までは所得税が掛からないようにすることができるのです。ただし、年収が103万円を超えると、親の所得の扶養家族には入れません。

大学や専門学校に入る時、生活費等で月額10万円近くを自分で稼ぐことを条件に進学した時、本来は、ご両親と話し合って、いくらまで働くのかを決めておく必要があるのです。

5.まとめ(労働基準法はあなたを守るためにあります)

働きながら学生を続けるという選択肢を選んだ学生さん達には、ぜひ労働基準法を理解してから働いて欲しいと思います。なぜならば、ここで説明をした通り、働いている時は学生ではなく、労働者であるからです。そして、学生である労働者ということで優遇されていること、制約されていることがあるのです。

そして、いつか社会人になって働き始める時に、企業(雇用者)と労働者の正しいパワーバランス感覚を身に付けて欲しいと思います。

5-1.それでも、今、働きながら学生を続けるのが難しいと思う人へ

海外では、高校を卒業して学費を貯めてから大学に行く人が多くいます。日本でも、数年働いて最低限学費を貯めてから大学に入るというのも選択肢の一つです。コロナ不況が懸念されているとはいえ、世の中には人手不足の業種は未だたくさんあります。

働くことの意味を知ってから学生をすることで、学生として有意義な時間を過ごせる人もいるのです。

最後に、今の世の中の価値観は、皆さんが社会の中堅として働くようになる20年後の価値観とは全く違うものであるはずだということを頭の片隅に常に入れておいて欲しいと思います。そう理解することで、今の困窮した状態を変える選択肢も見えてくるかもしれないからです。

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