法人カードのメリット
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中小企業の経営者や個人事業主の方は、年会費をかけずに法人カードを作りたい方も多いでしょう。
年会費無料の法人カードは、有料のものに比べコストがかからず審査も緩いというメリットがあります。
ただし、一口に年会費無料と言っても「永年無料」「実質無料」「初年度無料」の種類があることを忘れてはいけません。
年会費の種類を理解せずに契約してしまうと、かえってコストが発生してしまう可能性もあります。
そこで今回は、上記3つの種類をご説明し、おすすめの法人カードを3種類紹介していきます。
目次
法人カードとは、主に企業や法人が利用するクレジットカードのことです。企業のほか、個人事業主の利用も含まれます。
また、法人カード以外にも、ビジネスカードやコーポレートカードという呼び方もあります。基本的な機能はいずれも変わりませんが、個人事業主や中小企業はビジネスカード、大企業はコーポレートカードという言葉を使うことが一般的です。
基本的に法人カードでは、支払口座に会社名義の法人口座を登録します。
個人用のクレジットカードに比べ利用限度額が高めに設定されているため、1回あたりの決済額が高額になる企業にも使いやすいといえるでしょう。
ほかにも法人カードを利用するメリットはさまざまです。
法人カードのメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
法人カードはクレジットカードなので、もちろん年会費がかかります。
しかし、カードの種類によっては年会費無料のケースもあります。
ここでは、年会費無料の法人カードを利用するメリットについてお伝えしていきます。
年会費無料の法人カードはコストがかからず、さらに決済時のポイントやマイルまで獲得できるメリットがあります。特に「年会費永年無料」の法人カードについては、保有期間に関わらずいっさい維持費用がかかりません。
法人カードの特徴として、各従業員用に追加発行できることが挙げられます。しかし、年会費が3~5万円など高額な法人カードは、追加で発行するカードの年会費も高く、財務面を圧迫する要因になります。
ただ、法人カードの限度額が低く、高い年会費を払って追加発行している企業も多いのではないでしょうか。
年会費無料の法人カードの場合、追加発行するカードの費用もかかりませんので、コストを気にすることなく追加できます。
一方、年会費無料ということは、付帯サービスもそれなりの質になってしまいます。
障害保険や補償金額、付帯サービス(空港ラウンジの利用やビジネスサポート)も期待できませんので、この点には注意してください。
年会費無料の法人カードは、有料カードに比べて審査が緩めの傾向があります。
なかには信販会社や消費者金融系列の業者が発行する無料カードもあり、本人確認資料を提出するだけで審査に通ってしまうこともあります。
一方で、審査が甘いと金利が高くなりやすいことを気にする方も多いでしょう。
しかし、法人カードは個人事業主を除き、基本的に一括支払い以外(キャッシング)で利用することはできません。そのため、個人用のクレジットカードほど金利を気にする必要はなく、審査通過率が高いということは大きなメリットです。
特に設立から日が浅い法人や個人事業主にとっては、大変有利になります。
「できるだけ早く法人カードを手に入れたい」という方にとって、審査スピードの速さは大きなメリットでしょう。
年会費無料の法人カードは、ゴールドカードやプラチナカードなど有料タイプに比べて圧倒的に審査が早く済みます。
カード会社によって早さは異なりますが、およそ3~5日で発行するところが多いといえます。遅くとも1週間程度あれば法人カードを利用できます。
こちらも信販会社や消費者金融系列の業者が発行していることが、スピードが早くなる理由の一つです。
ここまで年会費無料の法人カードのメリットをお伝えしてきましたが、もちろんデメリットがない決済方法というわけではありません。
年会費無料の法人カードは、コスト不要で審査も有利という利点がある一方、次のようなデメリットもあります。
上記2点は、ゴールドカードやプラチナカードなど有料カードと比較した場合です。
つまり、年会費無料の法人カードのデメリットを裏返せば、そのまま有料法人カードのメリットへと変化します。
有料法人カードにもメリットは多いため、両者の長短をしっかり把握してカード会社を選ぶことが大切です。
有料の法人カードは年会費無料のものに比べ、ポイント還元率が高く、効率的にポイントやマイルを貯めていくことができます。
企業の場合は決済1回あたりの支払金額が高くなることもあり、還元率の高さをより実感できることでしょう。
また、年会費無料の法人カードのなかには、ポイントプログラムを提供していないケースもあります。この場合、いくら高額な決済を行ってもポイントは受け取れないため、よりお得に法人カードを利用するならポイント還元率にも注意してください。
平均的なポイント還元率は、年会費無料の法人カードで約0.5%前後、有料のものは約1.0%前後です。
企業の場合、従業員に法人カードを渡して海外出張してもらう場面もあるでしょう。
出張の頻度が高いなら、できるだけクレジットカードの付帯サービスが充実しているものが便利です。
たとえば、傷害保険がついている法人カードの場合、出張によって万が一のケガや事故に遭った場合、保険会社から保険金が支払われます。
保険金の最大額はカード会社によって大きな差があり、年会費無料の法人カードだと補償に対応していないこともあります。
また、付帯サービスには保険のほか、コンシェルジュサービスや空港ラウンジ利用、従業員の福利厚生サポート、経理業務のサポートなど、カード会社によって幅広いサービスを提供しています。
以下の比較表を見て分かる通り、こうした付帯サービスは圧倒的に有料の法人カードが優れています。
ライフカードビジネスライト | 楽天ビジネスカード | JCBゴールド法人カード | |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 2,200円(税込) | 11,000円(税込) |
最大ポイント還元率 | プログラムなし | 1.0% | 0.8% |
国内旅行傷害保険 | なし | なし | 最高5,000万円 |
海外旅行傷害保険 | なし | なし | 最高1億円 |
付帯サービス | ・弁護士無料相談サービス ・提携店舗での優待割引 |
・VISAビジネスオファー ・ETCカード1枚目無料 |
・ショッピング保険 ・遅延、紛失保険 ・ETCカード無料 ・ポイントアッププログラム ・提携店舗での優待割引 ・従業員福利厚生サービス ・空港ラウンジ利用 |
有料の法人カードのほうがいいなと思われた方はこちらの記事で有料の法人カードを紹介しています。
冒頭でお伝えしたとおり、年会費無料の法人カードにも種類があり、必ず維持コストがゼロになるというわけではありません。
法人カードの年会費無料は、次のように3つの種類があります。
ここでは、それぞれの違いをお伝えしていきます。
年会費永年無料とは、利用する期間に関わらず維持コストがまったくかからない法人カードのことです。
年会費無料の法人カードのなかでも、もっとも費用を安く抑えることができます。
もちろん、追加発行する法人カードについても年会費が発生しません。
ただし、保険サービスに対応しておらず、利用限度額も低めに設定されていることがほとんどです。
年会費実質無料とは、特定の条件に該当することで年会費が無料になる法人カードです。
よくあるケースとしては、「前年度に○○万円以上利用した場合は年会費無料」という条件が代表的でしょう。前年度の利用金額は低めに設定されていることも多いため、ほぼ年会費永年無料と変わりません。
入会した初年度のみ年会費無料という法人カードもあります。
2年目からは正式な年会費が発生しますが、数千円ほどの年会費のカード会社もあれば、年間数万円の年会費がかかるゴールドカードやプラチナカードのなかにも初年度無料のケースがあります。
年会費永年無料の法人カードに比べると、付帯サービスが豊富で、利用限度額も高めに設定されていることも珍しくありません。
年会費無料の種類については、先ほどお伝えした3種類から自社に最適なカード会社を選びましょう。
ここでは、種類別におすすめの法人カードを紹介しています。
ビジネクスト・法人クレジットカードは、従業員数の多い企業におすすめです。
年会費永年無料の法人カードは追加発行枚数が少ないカード会社が多いものの、ビジネクスト・法人クレジットカードは最大50枚までの追加発行に対応しています。
また、年会費永年無料の法人カードでポイントプログラムを採用しているのは、ビジネクスト・法人クレジットカードだけです。
ポイント還元率は0.25%と低いですが、複数のカードのポイントを一元化しておくことで一気に大量のポイントを獲得できます。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
最大ポイント還元率 | 0.25% |
追加発行枚数 | 50枚 |
限度額 | 300万円 |
国内旅行傷害保険 | なし |
海外旅行傷害保険 | なし |
付帯サービス | ・福利厚生サービス ・レンタカー割引サービス ・提携店舗での割引 |
P-one Business MasterCardは、年会費が2,200円(初年度無料・税込)必要ですが、前年度に一度でも決済に利用していれば年会費が完全に無料となります。
また、P-one Business MasterCardはゴールドカード扱いとなるため、年会費永年無料カードよりも非常に手厚いサービス受けることができます。
なかでも最大の特徴は、ポイント還元率の高さです。
P-one Business MasterCardは、1,000円につき2ポイントを獲得することができます。貯まったポイントは商品券などに交換することができ、もっとも還元率の高いものが「ユニー・ファミリーマートグループ商品券」です。
商品券1,000円を250ポイントで交換できるので、1ポイント4円分の価値があります。もともと1,000円につき2ポイント獲得できるので、「2ポイント×4円/ポイント÷1,000円」で0.8%の還元率ということです。実質無料で利用できて、ここまで還元率の高い法人カードは珍しいといえます。
年会費 | 2,200円(初年度無料・税込) ※年間利用で年会費無料 |
---|---|
最大ポイント還元率 | 0.8% |
追加発行枚数 | 6枚 |
限度額 | 300万円 |
国内旅行傷害保険 | なし |
海外旅行傷害保険 | なし |
付帯サービス | ・ショッピング保険(最大300万円) ・キャッシング可能(最大300万円) ・レンタカー割引 ・海外サポートサービス ・海外おみやげ宅配サービス ・ポケットカードトラベルセンター |
■入会のご案内
P-one Business MasterCard
オリコEXGold forBizは、初年度のみ年会費無料で、2年目以降に2,200円(税込)が発生する法人カードです。
無料で利用することはできませんが、有料ゴールドカードとして非常に手厚いサービスを受けることができます。
最大ポイント還元率は1.1%と、法人カードのなかでも極めて高い水準です。
また、傷害保険にも対応しています。
個人事業主であればキャッシングサービスにも対応しているなど、コストパフォーマンスの高さが際立っています。
あえてデメリットを挙げるとすると、最大3枚までの追加発行枚数の少なさです。従業員の多い企業より、個人事業主や小規模法人に向いているといえるでしょう。
年会費 | 2,200円(初年度無料・税込) |
---|---|
最大ポイント還元率 | 1.1% |
追加発行枚数 | 3枚 |
限度額 | 300万円 |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円 |
海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
付帯サービス | ・ショッピング保険(最大100万円) ・福利厚生サービス ・提携店舗での割引 ・経理業務サポート ・電子マネー機能 |
今回は、年会費無料の法人カードを3種類紹介しました。
もともとポイントやマイルが貯まりやすく、資金繰りがしやすい法人カードではありますが、年会費無料のカード会社を利用することで次のようなメリットが生まれます。
ただ、年会費無料の法人カードのなかにも、「永年無料」「実質無料」「初年度無料」という種類があります。
同じ無料サービスでも付帯保険や追加発行枚数、ポイント還元率が大きく異なるため、ご自身の目的に合わせて選んでください。