消費税増税後も、うまい棒は10円で買える?実際に買って調べてみた

うまい棒
【更新情報】
2022年4月1日より、うまい棒の価格が10円から12円に値上げされます。(2022/1/28更新)

2019年10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられ、軽減税率8%も始まりました。当初、混乱が起こることが予想されましたが、新しい税率や軽減税率に慣れてきて、思ったほどの混乱は起きてはないようですね。

ただ、体感的に慣れてきたとはいえ細かい部分で「この場合の税率はどっち?」となることがしばしばあるかもしれません。

例えば、「うまい棒は増税でいくらになるの?」という疑問もその1つです。

今回は消費税増税によってうまい棒はいくらになるのかを解説していきます。消費税の仕組みを理解していきましょう。

1.消費税計算の仕組み

まずは消費税計算の仕組みを理解していきましょう。

仕組みは単純で、消費税は本体価格(税抜価格)に税率(8%または10%)を掛けたものです。

この場合、本体価格124円に対して、消費税率10%で消費税額12.4円という中途半端な計算になることもありますが、この小数点以下の端数は「切り捨て」とすることが多いです。

つまり、消費税額が計算上「12.4円」だったとしても、小数点以下は切り捨てられ消費税は「12円」です。

この切り捨てルールには、法律的な根拠があるわけではありませんが、消費者に対して、「四捨五入」や「切り上げ」が採用されることはほとんどありません。

2.軽減税率で、うまい棒1本なら10円のまま

消費税の税率は小数点以下「切り捨て」という慣習によって複雑な事態になることが防がれています。

このルールを理解した上で本題の「うまい棒の消費税額」に入っていきましょう。

10月1日から始まった新しい消費税率は10%です。

うまい棒の本体価格は1979年に誕生してからずっと変わらず「10円」となっています。
(今年で発売40周年なんですね!)

【参照】「うまい棒発売40周年記念キャンペーン特設サイト」

本体価格の10円に消費税10%を掛け合わせると「10円×0.1=1円」となり、税込価格は10円+1円=11円となってしまいます。

消費税が5%や8%だったころは切り捨てルールによって10円という価格を守り切っていたうまい棒でしたが、消費税率が10%になったことによってその牙城が脆くも崩れ去ってしまいました...。

ただ、ここで忘れてはならないのが「軽減税率」です。

「軽減税率」は飲食料品といった日用品の購入に対して消費税率を軽減するという措置で、うまい棒は軽減税率が定める「飲食料品」に該当するため消費税率は8%です。

となると、本体価格10円×0.08=消費税0.8円。
小数点以下は切り捨てになるので、消費税は0円。つまり、税込価格でも10円です。
今後も、うまい棒は税込価格10円で変えることになります。

うまい棒

実際にうまい棒を買ってみたところやはり消費税は0円となっていました。

うまい棒

「これからもうまい棒は1本10円のままかぁ...」としみじみ思いながらお馴染みの「めんたい味」をいただきました。

【追加情報】12円に値上げされても、1本なら消費税はかからない

2022年4月1日から、うまい棒の価格が、10円から12円に値上げされます。

原材料、運送費などが高騰している中で致し方のない値上げです。むしろ、今まで価格を10円で据え置いてくれたメーカーの努力に感謝したいところですね。

ちなみに、12円に値上げされても、1本だけの購入なら消費税はかかりません。

本体価格12円×0.08=消費税0.96円。
小数点以下は切り捨てになるので、消費税は0円。税込価格でも12円です。

ネットでは、「15円や20円に値上げしても誰も文句言わないよ」という意見もありますが、もしかしたら、消費税がかからないように配慮してくれたのかもしれませんね。

3.10円ではなくなる場合も!

うまい棒はこれからも(少なくとも今後数年間は...)10円で買えると安心できたわけですが、例外的に1本10円でなくなる場合があります。

(1)2本以上まとめて買うと...

うまい棒1本を買うのであれば、10円×0.08=0.8円となり、小数点以下切り捨てによって消費税は0円です。

しかし、2本以上まとめて購入した場合、20円×0.08=1.6円となってしまうため、消費税は小数点以下を切り捨てても1円となり合計価格は「21円」です。

うまい棒

この「うまい棒1本10円じゃなくなる問題」は消費税が5%のときから指摘されていました。その時代もうまい棒を2本以上買うと「本体価格20円」×「消費税0.05」=1円となってしまうため、合計価格は「21円」でした。

うまい棒

少し前の時代には、うまい棒の消費税を避けるために2本以上買うときでも別々に会計をしてもらった思い出もあります。

「1円ぐらいどうってことない」と思われるかもしれませんが、うまい棒となったら話は別です。1本=10円というアイデンティティの喪失に関わります。

(2)イートインコーナーで食べる場合

軽減税率によってうまい棒などの飲食料品は消費税8%となりますが、この軽減税率には例外があり、店内のイートインコーナーで食べる場合には「外食」としての扱いを受けるため消費税率は10%のままとなります。

そのため、うまい棒をコンビニで買ってイートインコーナーで食べる場合には1本だけ買ったとしても消費税は「10円×0.1=1円」かかってしまいます。

うまい棒を1本10円で買いたい時には

  • 1本ずつ買う
  • イートインコーナーを使わず持ち帰る

の2点を頭に入れておかなければなりません。

まとめ

今後消費税の増税が続いていけば否応なくうまい棒も10円で買えなくなってしまうと考えると少し悲しい気分にもなりますね。

今回はうまい棒をテーマにあれこれ解説していきましたが、実際のところAmazonのパントリー販売では、うまい棒30本入りが271円で売っていたりもします(1本あたり9円!)。

うまい棒

【参照URL】https://www.amazon.co.jp/dp/B07QYSCS6B

「10円だ、11円だ」と考えていたのが馬鹿馬鹿しくなってきましたが、消費税や軽減税率について少しでも理解を深めていただければ幸いです。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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