クレジットカードの少額利用をお店に拒否された!これってあり?
ポイントやマイルを貯められるクレジットカード。
現金のようにただ支払うだけでなく今後のことを考えてお得に活用できるようクレジットカードで支払いをする方は多いです。キャッシュレス化によってポイントの還元が受けられることもあり、さらに利用する方は多くなると想定されます。
しかし、ランチタイムや少額の決済では、お店側がクレジットカードの利用を拒否するケースもあるのが実状です。
そこで今回は、お店側がクレジットカード払いを拒否する理由や、そもそも使用に関して制限をかけることは可能なのか解説し、拒否されたときにどのような対処法が取れるかなどを紹介していきます。
目次
1.店舗がクレジットカード払いを拒否する理由
キャッシュレス化が進んでいることにより、ここ最近では特にクレジットカードによる支払いを選択する方が多くなっています。
そして、クレジットカードのポイント獲得や、2019年10月1日からの増税に伴い実施されている2%もしくは5%のポイント還元は、クレジットカード払いにすることで消費者が得られるメリットの一つです。
利用する側にとってはメリットが多いクレジットカード払いですが、店舗によっては嫌がることも珍しくありません。もちろん時代的にキャッシュレスへの対応は必要不可欠とも言えますが、なぜクレジットカード払いを拒否するのでしょうか。
ここからは店舗側がクレジットカード払いを拒否する理由について紹介していきます。
(1) 手数料を取られるのが嫌だから
店舗側がクレジットカード払いを拒否する代表的な理由として挙げられるのが、手数料を取られるのが嫌だからという理由です。
クレジットカード会社は加盟店(店舗)からの手数料で利益をあげています。店舗側は、カード会社への手数料を支払うことで売上金の全額を得ることができなくなるため、クレジットカードでの支払いを嫌う傾向にあります。
クレジットカード会社によって手数料は異なりますが、現金払いの場合だと支払う必要のないお金が出ていってしまうことから、店舗としては損をしてしまうという感覚があるのです。
(2)作業に手間がかかるから
次に店舗がクレジットカード払いを拒否する理由として挙げられるのが、対応に手間がかかることです。
もちろん店舗側としてもキャッシュレスに対応しておく必要性は理解しているでしょう。
しかし、現金払いに慣れてしまっているため、支払い方法を増やすことで機器の操作方法を覚えることを面倒と感じている方も多いです。
また年齢の若いスタッフが多い店舗であれば比較的すぐ機器の操作に慣れることができますが、年齢層が高ければ苦手意識から取り入れることを避けてしまうことが考えられます。
(3) すぐに現金を手にしたいから
クレジットカード払いを拒否する理由として、すぐにお金を手元に欲しいという理由も挙げられます。
現金はすぐにお金を手にできますがクレジットカード払いではすぐに手元に確保できません。
月末締めの翌月払いといった形で、支払ってもらった金額は遅れて入ってくるので、すぐお金が必要となる場合はデメリットとなってしまいます。
2.クレジットカードの利用を拒否されるケースとは
今では現金以外の支払い方法を選択できる店舗は多くなっており、入り口やレジ付近に使用できるクレジットカードブランドや電子マネーを表記しています。
しかしクレジットカード払いに対応しているにも関わらず、場合によっては拒否されるケースも発生しています。
ここからは、クレジットカードの利用を拒否されるケースについて考えられるものを紹介していきます。
(1) 飲食店であり得るケース
飲食店でクレジットカードの利用を拒否される理由の一つは、混雑時のトラブル防止です。
駅の地下にある飲食店やオフィス街では、お昼時には多くのサラリーマンが訪れ、レジも混雑する可能性が高いです。クレジットカードの読み取りに手間取ったり、エラーが続いたりすると、会計がうまく進まず人で溢れかえってしまうことが想定されます。
そのため、お釣りのやり取りなど面倒な部分はありますが、確実に会計を済ましていける現金のみという対応を取っているお店があります。
またクレジットカードの読み取り機によっても処理速度は異なりますが、カード会社と通信する以上、どうしても一定の時間はかかってしまいます。
(2) 利用可能な金額を設定されるケース
クレジットカードでの支払いを拒否される理由として、少額決済の場合が挙げられます。
店頭やレジなどで「クレジットカード払いは◯◯円以上でなければ使用不可」といった案内がされており、これは店舗側が手数料を取られるのを嫌がっているためです。
多くみられるのが「ランチタイムは現金払い」といったもので、上記で説明した混雑時のトラブルを避ける目的の店舗もありますが、手数料と両方の理由で拒否している店舗も少なくないでしょう。
3.クレジットカード払いによるトラブル
クレジットカードを決済に使う方は多くなっていますが、便利な反面トラブルも発生しています。
ここからはクレジットカード払いによる代表的なトラブルを紹介していきます。
(1) 金額が高くなった
先程説明した通り、クレジットカードを支払いに使うと決済手数料がかかりますので店舗側は避けたがる傾向があります。
そのため、クレジットカード払いを伝えると手数料分を上乗せした金額を請求されるといったトラブルが発生しています。多くみられるケースではありませんが、手数料を嫌がる店舗では実際に発生しており、上乗せしていない金額での支払いを希望する場合は現金払いでと主張してきます。
原則としてクレジットカードの手数料は店舗が支払うことになっていますので、消費者側は関係ありません。
詳細は4の加盟店規約についてでご説明します。
(2) ポイントが付与されない
クレジットカード払いにすることで、本来獲得できるポイントが付与されないといったトラブルも発生しています。
これはどういう意味かというと、クレジットカード払いを拒否するために決済に使用しても支払い金額分のポイントは付与されないと嘘をつくことです。
お客様側としては、ポイントを目的としてクレジットカード払いを希望する方も少なくありません。
そのため手数料の支払いを避けたいがために、ポイント対象外としているトラブルも稀に発生しています。
しかし、例外として家電量販店やスーパーなど独自ポイントを発行している店舗で購入する場合があります。
よくあるケースとして、クレジットカードを利用して購入した場合、店舗独自のポイントが減らされてしまったケースなどです。
こちらはあくまで店舗独自のポイントなので、クレジットカードを利用したから店舗独自のポイントが付かなかった、という場合でも後述する規約違反とはなりません。
そのため、このような場合で買い物をする場合はクレジットカードを利用したほうがいいのか、その他の支払方法を利用したほうがいいのかを比較して利用するようにしましょう。
4.クレジットカードの加盟店規約について
クレジットカードの支払いを可能にしている加盟店は、必ず契約するにあたり加盟店規約に同意しています。
お客側としては店舗がルールを守っているか確認するため、逆に店舗側は違反とならないために、規約はどういった内容になっているか把握することが大切です。
ここからは、クレジットカードの加盟店規約について一般的な内容や違反している場合の対処法などを説明していきます。
(1) 一般的に書かれている内容とは
まずクレジットカードの利用規約には基本的に、信用販売の方法が記載されています。
これは手数料を上乗せすることや、正当な理由なく代金の支払い方法について要求することを禁止しているものです。加盟店として存在するからには支払い方法からクレジットカードを除外することはできず、差別的な対応をしてはいけません。
法律ではないため取り締まることはできませんが、ルール違反となるため、お客側からするとカード払いを拒否されても従う必要はありません。
(2) 加盟店規約に違反している場合の対処法
クレジットカード払いを拒否された場合、先程説明したように法律で取り締まることはできませんが、規約違反となるため、ルールを守ってカード払いに対応してもらうように交渉することもできます。
店舗側が一切要望に応えてくれない場合は、クレジットカード会社に通報するのもひとつの対処法です。
クレジットカード会社に連絡をすると、店舗側に対してきちんと対応するよう指導をしてくれます。
(3) お店への罰則はあるのか
クレジットカードの規約違反となる行為を行った場合、基本的にはカード会社からの指導が入ります。
しかし指導が入ったにも関わらずクレジットカードでの支払いを拒否するようであれば、カード会社によっては取引を中止する場合もあります。店舗側はクレジットカードの利用にあたり契約を結ぶ際、きちんと利用規約に目を通し理解しておきましょう。
まとめ
クレジットカードを利用して支払う方は、今後キャッシュレス化が進むにあたり確実に増えるでしょう。
ポイントを獲得できたり還元を受けられたりとお得になる可能性が高いですが、店舗側からすると現金に比べて手数料がかかり、利益を圧迫するため、拒否するところも少なくありません。
特に少額決済であれば嫌がる店舗は多いですが、クレジットカードの利用規約には支払いに応じなければいけないと定められているのが一般的です。
いくら主張しても店舗側がカード決済を行ってくれない場合は、カード会社に連絡をして指導に入ってもらうことで解決できる可能性があります。加盟店としての義務を果たすことが求められますので、例え拒否をされても従う必要はありません。
対処できるように、利用規約などルールを頭に入れておくことが大切です。