夫名義のクレジットカードを妻が使うのはNG!家族カードならOK

普段のお買い物やネットショッピングなどで「旦那名義のクレジットカードを利用して買い物ができれば楽なのに」「夫のカードを使ってしまっても良いのではないか」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

特にサインレスのお買い物やネットショッピングなどでは、他人名義のクレジットカードを使ってしまうことは容易なため、使えるならば使用したいと考える方も多いでしょう。しかし、実際にはたとえ夫や家族であっても、カードの名義人以外が利用することは規約違反にあたってしまいます。

とはいっても、実際には家計の口座が夫名義のものになっている家族は多いでしょう。夫のクレジットカードを、規約違反にならないように他の家族が利用するための方法はあるのでしょうか?

今回は夫名義のクレジットカードを家族が使うことは本当にできないのか、また夫のカードを他の家族が規約違反にならないように使う方法はないのか、詳しく解説していきます。

1.クレジットカードの貸し借りは家族間でもNG!

(1)たとえ家族であっても規約違反になる

結論から申し上げますと、クレジットカードの貸し借りはたとえ家族間であったとしても禁止事項に含まれています。

「家族間なら、クレジットカードの名義人本人が承認すれば問題ではないだろう」と考えることもあるでしょう。しかし、クレジットカードの利用規約には、名義人本人ではない人間がクレジットカードを用いることは禁止だと説明されています。説明した通り、夫婦であっても同じことなのです。

そのため、決済をするときに名義人本人かどうか聞かれていた場合、ウソをついていたということが判明するとクレジットカードの強制解約や利用停止処分になる可能性もあるのです。
これを常習的に行っていたり悪質だと判断されたりしたときには、詐欺罪に問われるケースもあります。名義人本人が、自分の家族に「クレジットカードをもちいることを承認」していたとしても同じことです。

自分の名義であるクレジットカードを、家族や他人に貸してトラブルになった場合、保証の対象にはならないということを念頭においておきましょう。このことについても、クレジットカードの利用規約にかかれています。

(2)規約違反にならないケースとは

上記では、「たとえ妻であっても、夫のクレジットカードを用いるのは規約を破る行為である」ことをお伝えしました。しかし、代理人や使者としてクレジットカードを用いるケースではこの限りではありません。
代理人や使者であるときは、他人がクレジットカードを用いたということではなく名義人本人が用いたことになります。したがって、詐欺罪は成立しないのです。

代理人としてカードを使うためには、カードの名義人が「代理権」を与えていることが必要になります。
ただ「代理権」を与えるためには、例えば寝たきりなどで買い物に行くことができないなどの特段の事情がなければいけないため、代理人や使者としてクレジットカードを用いることはそれほど一般的なことではないと言えるでしょう。

銀行口座であれば、代理人が口座から預金を引き出すことなどができる「代理人カード」を作ることもできますが、クレジットカードにはそのような制度はありません。そのため特段の事情がない場合は、代理人や使者としてクレジットカードを使うことは難しいことも多いと言えるでしょう。

2.これって規約違反?購入者とカードの名義人が違うケース

(1)買い物で他人名義のカードを使用

先ほどもお伝えした通り、クレジットカードの名義人ではない人間が買いものでクレジットカードを用いる事は規約を破る行為です。
とはいえ、実際のところは自分以外の名義のクレジットカードを使うことができているというのが実情です。多くの場合、支払いのときにサインが必要な店舗であっても署名の筆跡までを確認している店舗はほとんどないと言われています。

サインが必要か否かは問題ではなく、他人名義のクレジットカードを利用したことがクレジットカード会社にわかってしまうと補償が利きません。
また、その場では嘘をついたときに分からなかったとしても、クレジットカード会社に他人が使用したことが分かってしまうとカードの返却をもとめられたり、利用停止になる可能性があります。

また、クレジットカードの名義人本人が支払いのときにその場にいないという理由で、代わりに他人がクレジットカードを掲示した際にも名義人本人を呼んでくる必要があります。
たとえば、小さな子どもがいるので夫が子どもをあやしている間に、妻が夫のクレジットカードを掲示したという場合でも、夫を店舗まで連れて来なければクレジットカードを使用できなかったというケースもあります。

(2)ネットショッピングでの他人カード利用

ネットショッピングであっても、名義人でない人がカードを利用することは規約違反となります。

もちろん、クレジットカードの名義人本人がネットショップで品物を購入し、他人にプレゼントとして渡すことは問題ありません。クレジットカードの名義人本人がクレジットカードを利用しているということが大切なのです。

では、家族に勝手にネットショッピングでクレジットカードを使われていたというケースはどうなるのでしょうか?結論は、補償される可能性は低いということになります。
クレジットカードの利用規約にも「名義人は責任を持ってクレジットカードの保管を行うように」との旨が掲示されているからです。クレジットカードの名義人本人が保管を徹底して、対策をするよう心がけましょう。

(3)航空券を搭乗者本人以外が購入

やや話題が異なりますが、航空券を、搭乗者本人とは異なる名義のクレジットカードを用いて購入することは可能です。

「名義人以外が買いものでクレジットカードを用いる事は違反」ですから、航空券を購入した人とクレジットカードの名義人が同一であることが求められます。搭乗する人と、航空券を購入した人が違うケースでも搭乗は可能です。

3.妻名義のカード料金を夫の口座から引き落とせる?

(1)引き落としが可能なカード会社もある

基本的には、名義人の違うカード料金を口座から引き落とす事はできません。クレジットカードと銀行口座の名義人は、原則同じである必要があります。そうは言っても、一部のクレジットカード会社では名義人と口座の名前が異なっていても引き落とす事が可能です。ほとんどの場合、「同姓の配偶者」または「同姓の親子」に限ります。

(2)名義人違いの口座引き落としの手続き

以下では、セディナカードを例に挙げて「妻名義であるクレジットカード料金を夫の口座から引き落とす」ための手続きを紹介します。なお、今後規約の改正により引き落とせなくなる可能性や、持ち物が変更する可能性もありますので念のため注意をしておいてください。

【口座の登録に必要なもの セディナカードの例】

  • 口座名義人の同意
  • 口座振替依頼書への記入
  • 自動払込利用申込書への記入・捺印(ローンの引き落としである場合は必要)

引き落とし口座の設定には、基本的に「口座振替依頼書」への記入が必要です。口座振替依頼書とは、支払うお金を預金口座から自動引き落とししてもらうように銀行に依頼する用紙のことです。

口座振替依頼書は、クレジットカードの支払いのほかガス料金や電気料金など、毎月規則的に生じる料金の支払いに用いられます。
名義の違う口座からカード料金を引き落とす手続きには、前もって登録したい人の名前や生年月日の掲示が必要なカード会社もあります。このように、手続きを行えば名義人が違う口座からカード料金を引き落とす事が可能なカード会社もあります。

4.家族名義で家族カードを作ろう

夫名義のクレジットカードがある場合、家族が合法的に利用するために、手っ取り早いのは、利用したい家族の名義で家族カードを作ることです。

(1)楽天の家族カードの手続き方法

ここからは、楽天の家族カードを例に挙げて手続き方法を解説します。楽天で家族カードを作成する際の条件は、生計を同一にする配偶者、親または18歳以上の子どもです。

楽天の家族カードである場合、カードの年会費が永年無料になります。(※楽天プレミアムカード、楽天ゴールドカードの家族カードは年会費550円(税込)が発生します。)
楽天で家族カードを申し込みする際は、本カードを申し込むときと手順が異なりますので注意しましょう。

まず、「楽天e-NAVI」にログインをします。カードのお申込み、切り替えメニューの「家族カード」を選択して案内に従い入力・手続きをすすめます。手続き完了後、1週間から2週間程度で家族カードが簡易書留にて送付されますので確認をしてください。

楽天カード e-navi

このように、楽天で家族カードをつくる場合はインターネットから簡単に申し込みをすることが可能です。クレジットカード会社によって、家族カードの申し込み方法は異なりますので、各クレジットカード会社に問い合わせをしてください。

(2)家族カードにかかる年会費について

家族カードを持つには、年会費がかかることもあります。
三井住友VISAクラシックカードを例に挙げますと、家族カードの1人目までは初年度年会費が無料ですが、2人目からは、400円または550円がかかります。

ただ、家族1人目までは無料で持てることが多いので各クレジットカード会社をよく確認して申し込むようにしましょう。

(3)家族カードにおすすめのカードは?

引き落とし口座が1つになり、家計の管理がしやすくなる家族カードですが、おすすめの家族カードはどこのものでしょうか?
家族カードは、年会費がかからないものがおすすめです。そのようなカードとしては、主に以下のようなところが挙げられます。

  • 楽天カード
  • セディナカード
  • リクルートカード
  • MUFGカード
  • ライフカード

など。

しかし、楽天カードでも「楽天カード」の年会費は永年無料ではありますが「楽天プレミアムカード」などカードの種類がことなると年会費がかかるような場合もありますので注意しましょう。

まとめ

クレジットカードを使う際には、名義人と利用者が同じであることが必須の条件となります。たとえ家族であっても、名義人と違う人物がカードを使ってしまった場合には補償が利かなくなったり、最悪の場合は詐欺罪に該当してしまう可能性もあるのです。

このようなトラブルの防止のため、また、家族がそれぞれにカードを持っていながら支払いはすべてまとめて行うことができるように、妻や子供が夫名義のカードを使う場合には家族カードを申し込んでおくことをおすすめします。年会費無料の家族カードも多いので、ぜひとも検討してみてはいかがでしょうか。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
プロフィール この監修者の記事一覧
\この記事が役に立った方は是非シェアをお願いします/
  • Pocket