デビットカードとキャッシュレス・ポイント還元のすべて

キャッシュレス決済といえば、クレジットカード、電子マネー、QR決済などが思い浮かびますが、忘れてはいけないのが「デビットカード」です。

決済手段としてはあまりポピュラーではありませんが、デビットカードも2019年10月1日から始まった「キャッシュレス消費者還元事業」の対象決済手段となっています。利用によっていつもよりも多いポイントが貰えるので、詳しく調査していきましょう。

1.デビットカードって何?

そもそも「デビットカード」は何ぞや?というところから解説していきましょう。

「デビットカード」は「銀行口座とカードを紐付け、カードを使って支払いをすると同時に銀行口座から支払金額が引き落とされる」という仕組みの決済手段です。

クレジットカードは利用金額を翌月まとめて「後払い」し、電子マネーは基本「前払い」、それに対して、デビットカードは「即時払い(リアルタイムペイ)」とも呼ばれています。

 

クレジットカード

デビットカード

電子マネー

QR決済

前払い(プリペイド/チャージ)

×

×

即時払い(リアルタイムペイ)

×

×

後払い(ポストペイ)

×

2.消費税10%に増税後、デビットカードを使うメリット・デメリット

デビットカードには、消費税10%に増税後どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

(1)メリット

デビットカードのメリットとして挙げられるのは以下の2つです。

  • 事前登録不要、受け取りの際に手続き不要
  • 審査がない、15歳から作ることができる

2019年の増税とともに開始したキャッシュレス消費者還元事業では、加盟店登録した店舗で指定のキャッシュレス決済で2%もしくは5%のポイントが還元されます。

しかし利用する決済方法によっては面倒な手続きが発生することはあまり知られていません。

例えば、suicaやpasmoのような交通系マネーは事前に公式サイトに登録しないとキャッシュバックされないものが多く、また楽天Edyの場合、還元時に自動で振り込まれず、受け取りの手続きが必要です。

しかしデビットカードの場合は、基本エントリー不要で、また還元されたポイントの受け取り手続きもほとんどの場合不要です。

また、「これからデビットカードを作りたい」という方には「審査がない」という点も見逃せません。

クレジットカードのように「後払い=借金」をする形を取らないため、カード発行の際に「支払い能力」などを審査する必要がありません。そのため年齢制限が設けられていないことも多く、15歳から作れるというメリットがあります。

クレジットカードのように限度額が設定されていると高額なお買い物ができませんが、デビットカードでは銀行口座に必要な残高さえ入っていれば使えるので便利です。

(2)デメリット

デビットカードのデメリットは以下の2点です。

  • 一部の高速道路やガソリンスタンドで使えない
  • 分割払いができない

一部の高速道路やガソリンスタンドでは、デビットカードに対応していないことがあります。

特にガソリンスタンドは多くのお店がキャッシュレス消費者還元事業の加盟店となっていますが、デビットカードの場合その恩恵を受けられなくなってしまいます。

そのためデビットカードをメインにして、車に乗る場合には別途現金やクレジットカードを用意しておく必要があると言えます。

また、分割払いなどに対応していないことも注意が必要でしょう。

(3)増税後、デビットカードはこんな人におすすめ

以上の点からデビットカードがおすすめできる人はこのようになります。

  • クレジットカードが作れない/使えない
  • 借金をしたくない人
  • 管理しながらお金を使いたい人

カード発行に審査が必要ないという点で考えれば、クレジットカードの審査に通らない人にとっては有効な決済手段となります。

特に、自己破産などして「ブラックリスト」に載ってしまった場合は、クレジットカードを作ることができません。しかしデビッドカードなら、持つことができます。

外部参考サイト

即時払いの仕組みを採用しているので、口座残高以上に使いすぎることもなく、借金もしません。高校生ぐらいでも安心して持たせることができます。

また、デビットカードも利用明細などが確認できるため、家計をしっかりと管理しながらお金を使うことができます。

 

3.デビットカードはキャッシュレス還元事業でポイント還元されるの?

そして今一番気になるのが10月1日に始まった「キャッシュレス消費者還元事業」でのポイント還元です。デビットカードはこちらの還元事業において、対象の決済手段となっているためポイント還元がなされます。

ポイント還元率は5%または2%、還元上限は概ね15,000円/月に設定されています。還元方法は多くの場合、紐付けた銀行口座への付与、還元時期は利用日の翌月が多いです。

ただしソニー銀行の還元時期は決済の3か月後になっていたりカード発行をしている銀行によって還元方法や還元時期などが異なる場合があるので、よく確認しておきましょう。

また還元上限が15,000円/月となっているので、デビットカードであれば30万円までのお買い物に対して5%のポイント還元(2%なら75万円)が受けられることになります。

ここで紹介するのは以下の8社です。

  • イオン銀行
  • 楽天銀行
  • セブン銀行
  • ソニー銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • GMOあおぞら銀行
  • 住信SBIネット銀行

(1)イオン銀行

還元方法:イオン銀行普通預金口座に還元
還元時期:1か月の利用金額(毎月11日~翌月10日)に応じた還元金額分を月末に口座に
還元
対象カード:イオン銀行CASH+DEBITカード、イオンデビットカード、イオン銀行J-Debotサービス
URL:https://www.aeonbank.co.jp/aeoncard/cashless/

(2)楽天銀行

還元方法:楽天銀行の口座に還元
還元時期:利用日翌月25日
対象カード:楽天銀行プリペイドカード、楽天銀行ゴールドデビットカード(Visa)、楽天銀行シルバーデビットカード(Visa)、楽天銀行ベーシックデビットカード(Visa)、楽天銀行パンダデビットカード(JCB)、楽天銀行デビットカード(JCB)
URL:https://www.rakuten-bank.co.jp/card/cashless/?l-id=card_top_z_190902_CO981

(3)セブン銀行

還元方法:当社デビットサービスを利用し、口座から引落された金額に応じて、還元相当額(2%または5%)を口座に入金
還元時期:本事業の対象加盟店で商品・サービス等を購入する際
対象カード:セブン銀行デビット付きキャッシュカード:スタンダードカード、ボノロンキャッシュカード、トラディショナルカード
URL:https://www.sevenbank.co.jp/personal/account/jcb_debit/cashless/

(4)ソニー銀行

還元方法:ソニー銀行普通預金口座に還元
還元時期:利用日の三か月後
対象カード:Sony Bank WALLET、タカシマヤプラチナデビットカード、ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET ※2019年9月発行予定
URL:https://moneykit.net/visitor/info/info190830_01.html

(5)みずほ銀行

還元方法:利用金額に応じたポイントを付与し、当該ポイント相当額を利用者の口座に入金*還元時に1ポイントが1円に自動的に交換される
(J-Coin Pay:J–Coin Pay残高に入金)
還元時期:数日後(J-Coin Pay:利用日の翌月末)
対象:みずほJCBデビット、みずほWallet、J-Coin Pay,みずほデビットカードサービス(J-Debit)※みずほ銀行のクレジットカードは還元対象ではない
URL:https://www.mizuhobank.co.jp/retail/oshirase/cashless/index.html

(6)三井住友銀行

還元方法:口座に付与
還元時期:利用日の翌月末
対象:SMBCデビット
URL:https://www.smbc-card.com/mem/cardinfo/cardinfo4010244.jsp

※【キャンペーンあり】デビットカードではありませんが、三井住友銀行が「2019年9月2日~12月27日にクレジットカード新規申し込み」で、ご利用金額の20%キャッシュバックキャンペーンを行っています。具体的には33333円を利用すると6666円無料でプレゼントされます。

これを機にデビットカードからクレジットカードに乗り換えることもおすすめです。

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(7)GMOあおぞら銀行

還元方法:口座に付与
還元時期:利用日の翌月25日ごろ
対象カード:Visaデビット付キャッシュカード
※券面は個人黒カード、個人白カード、法人黒カード
URL:https://gmo-aozora.com/information/cashless/

(8)住信SBIネット銀行

還元方法:口座に付与
還元時期:利用日の翌月下旬
対象カード:ミライノデビット(Mastercard)ミライノデビット(Visa)
URL:https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/creditcard/cashless.html

 

銀行

還元方法

還元時期

対象カード

イオン銀行

口座に付与

利用日の当月末

・イオン銀行CASH+DEBITカード

・イオンデビットカード

・イオン銀行J-Debotサービス

楽天銀行

口座に付与

利用日の翌月25日

・楽天銀行プリペイドカード

・楽天銀行ゴールドデビットカード(Visa)

・楽天銀行シルバーデビットカード(Visa)

・楽天銀行ベーシックデビットカード(Visa)

・楽天銀行パンダデビットカード(JCB)

・楽天銀行デビットカード(JCB)

セブン銀行

口座に付与

利用日から15日以内

・セブン銀行デビット付きキャッシュカード:スタンダードカード

・ボノロンキャッシュカード

・トラディショナルカード

ソニー銀行

口座に付与

利用日の3日後

・Sony Bank WALLET

・タカシマヤプラチナデビットカード

・ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET

みずほ銀行

口座に付与

利用日の数日後or翌月末

・みずほJCBデビット

・みずほWallet、J-Coin Pay

・みずほデビットカードサービス(J-Debit)

三井住友銀行

口座に付与

利用日の翌月末

・SMBCデビット

GMOあおぞら銀行

口座に付与

利用日の翌月25日

・Visaデビット付キャッシュカード

住信SBIネット銀行

口座に付与

利用日の翌月下旬

・ミライノデビット(Mastercard)

・ミライノデビット(Visa)

5.まとめ

キャッシュレス決済によるポイント還元制度がスタートし、これからのお買い物で意識し始める時期かと思います。クレジットカードやQR決済が一般的ではありますが、デビットカードも非常に便利な決済手段なので、ぜひ使ってみてください。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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