「クレジットカードの審査に落ちた…」落ちた理由と対策とは

クレジットカード 泣く

初めてクレジットカードに申し込んでみたが、なぜか落ちてしまった...。落ちてしまった原因もわからず、もやもやする...。
クレジットカードはなぜ落ちてしまったのかを知るこができないので、なおさらだと思います。
今回はそんな方に向けて、あなたが落ちてしまった原因と次こそ審査に通るための改善方法をご紹介します。

1.審査の仕組み

クレジットカードの審査は機械による「自動審査」と、人の目で見る「手動審査」に大別されます。細かい審査基準はカード会社によって違いますが、一般的には自動審査後に申し込み内容に応じて手動審査となります。
また、ほとんどのカード会社は安定した収入がある人を好む傾向が強いです。つまり芸能人やYouTuberで年収は高いが浮き沈みがある人より、安定した人の方が審査に通過しやすいです。(決して芸能人やYouTuberが審査に通過しないという訳ではありません)

(1)自動審査

まず、自動審査についてですが「キャパシティ」と「キャピタル」という観点で点数化(スコアリング)します。

キャパシティとは支払い能力のことを指しており、継続的に返済が可能かを判断します。
カード会社は安定した収入の人を好む傾向があるので、職業や勤続年数を重視していることが多いです。そのため公務員や上場企業などは、給与が安定して入るのでキャパシティが高いと評価されるでしょう。その他にも年収や借入の返済状況も見ています。

またキャピタルとは資産のことで、この判定が高い方が信用度があると評価されます。カード会社の過去の経験で、守るものが多い方が返済が滞りにくく、滞っても貸倒れのリスクが低いという実績があるためです。ここでいう資産とは不動産や預貯金だけではなく居住区分や居住年数、家族構成などを含みます。

(2)手動審査

自動審査に通過した人は手動審査へと回されます。手動審査ではカード会社が保有している申込者の情報や外部の情報をもとに、カード発行の可否を判断します。

手動審査でチェックする点は主に自動審査では判断が難しい、

  1. 申し込みの妥当性などから潜在的な遅延リスク
  2. 不正申し込みではないかの確認
  3. 法的要件を本当にクリアしているか

などを見ています。
それらの判断には「自社情報の確認」「個人信用情報の開示」「在籍確認」などを行います。それぞれの内容は以下の通りとなります。

【自社情報の確認】

カード会社は過去の申し込み情報や利用履歴、遅延情報など全て保有しています。そのため審査では申込者が過去に遅延や貸し倒れなどを起こしていないかの確認を行います。
その結果、過去にトラブルを起こしていたと判明すれば、審査に落ちる可能性が高くなります。

【個人信用情報の開示】

カード会社は自社カード会員の情報を「個人信用情報機関」に登録をする義務があります。
登録されている情報には住所、氏名、電話番号などの「属性情報」以外に、直近2年間の支払い状況や過去5年間の延滞・貸倒れ・自己破産情報などの「支払い情報」があり、個人信用情報機関に登録されている情報を「個人信用情報」と呼びます。

個人信用情報はすべてのカード会社が閲覧でき、新規申込を受け付けると、申込者の個人信用情報を必ず確認します。
そのため延滞や貸倒れといった金融事故は、すべてのカード会社がわかるようになっています。

【在籍確認】

在籍確認とは、申込者が申告した勤務先に在籍しているかを確認するため、カード会社が勤務先に電話をかけることをいいます。最近は個人信用情報機関やその情報が統合され、カード会社に情報の登録が義務付けられ、情報の精度があがったことにより、在籍確認を行わずにクレジットカードを発行することが増えています。

2.審査に落ちる理由

これまで審査に落ちた経験がある方は、なぜ審査に通過しなかったのか疑問に思う方も多いでしょう。
クレジットカードとは信用に対して発行されるカードです。
そのため、今までの信用情報(クレジットヒストリー)が十分ではない方は信用情報の不足が原因になっているとも考えることができます。

具体的には、過去に遅延により個人信用情報に傷がついていることや、勤務形態や年収と借入残高のバランスがカード会社の審査基準を満たしていないことなど様々な原因が考えられます。

(1)支払い能力(キャパシティの問題)

審査では、申込者の属性情報を点数化(スコアリング)して評価していることが多いです。
この場合は、点数が基準を満たしていないと審査に通過できません。カード会社によって項目の比重は異なりますが、どのカード会社も審査で見ているポイントはほとんど同じです。
審査に落ちる原因はいくつも考えられますが、代表的なものを紹介します。

職業が不安定

一般企業の方でも十分クレジットカードを作ることはできます。
ただし、正社員と比較するとアルバイトや派遣社員などは審査が通過しにくくなります。その他にも自営業の方は、倒産や資金繰りなどの観点から延滞や自己破産リスクが高いため、会社員と比較すると審査に通過しにくいです。

年齢が若すぎる、高齢すぎる

若すぎる場合はほとんどが入会基準を満たしていない場合が多いです。高齢すぎる場合は病気や認知症、死亡といった理由により支払いが困難に陥るリスクが高まるため、審査が厳しくなる会社もあります。

勤続年数が短い

同じ会社に長く勤めている方が審査は有利になります。転職を短期間で繰り返している方は収入が途切れることがあり、収入が安定しないことから、リスクが高いと見られる場合もあります。

借入金額が多い

収入に対してキャッシングやカードローンの残高が多いと審査が不利に働くことがあります。カード会社から見たときに遅延リスクが高いと判断されやすくなるだけでなく「支払可能見込額調査」や「総量規制」といった法的な要件にもひっかかりやすくなります。

 支払い見込み額とは…支払い可能見込み額=年収ー生活維持費ークレジット債務
参考URL 日本クレジット協会https://www.j-credit.or.jp/customer/sales_law/pdf/sales-law3_2013.pdf
総量規制とは…過度な借入れから消費者を守るために、年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています。
参考URL
https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/

(2)所有資産(キャピタル)の問題

万が一遅延が発生した場合、カード会社は通知を送ったり自宅を訪問したりしますが、転居が多い場合はそれらが困難になるおそれがあります。そのため、転居が多いとリスクが高いと判断されます。また短期間で転居を繰り返している場合は、トラブルを起こしやすいと想定されます。

(3)手動審査での問題

一枚目の審査に落ちてしまう方はクレジットヒストリーの不足が原因であることが多いです。
クレジットヒストリーとは、今までの分割での支払いの履歴であり、クレジットカード以外にも家賃の支払いや携帯電話の分割払い、公共料金の支払い等も含まれます。
これらの支払い履歴であるクレジットヒストリーが存在しない、または傷がついている方というのは審査に通過しにくくなっています。

もしローンなどで一括弁済を求められた経験がある、自己破産や債務整理をした経験があるという場合は、社外情報でも5年間記録されるので審査の通過は難しいでしょう。

(4)クレジットカード会社の問題

カード会社の中でも審査基準が分かりにくい会社が存在します。通常発行においては、各カード会社毎に会員の属性と過去の返済実績に基づき、審査基準を作成しています。しかし新興カード会社の場合は今までのデータの蓄積が少ないことから、一般的には問題がないと考えられる人が審査に通過しないことがあります。

(5)その他の問題

直近で複数申し込んでいる

その他に考えられる理由として「直近で複数申し込んでいる」というケースです。どこかのクレジットカードの審査で落ちたらからといって、短期間で複数申し込むと「資金繰りに困窮している」「他で審査に落ちたから申し込んできたのかも」「不正申し込み」と疑われてしまう場合があります。

入力ミス

他には申込書の記載や入力を誤った場合もあります。その場合、実在しない人物とみなされるかもしれません。

不正利用

稀にあなたの名義が第三者に悪用されていることもあります。第三者があなたの名義でクレジットカードを申込み、購入して支払いをしないといった事例もあるので、そのような疑いがある場合は外部信用情報機関に問い合わせてみましょう。もし身に覚えのない申込や利用があった場合は、申請すれば不正の情報を削除してもらうことができます。

補足 特に2枚目以降の発行で落とされる理由は?

すでにクレジットカードを持っている方が、新たに追加で入会しようとしたが審査に落ちる場合があります。理由として考えられることは第1に「支払い遅延」です。
次が、リボ払いや分割払いの利用です。リボ払いや分割払いそのものが審査に悪影響があるわけではありませんが、多用して残高が積み重なるとマイナスの印象となります。特段問題ないのに、支払可能見込額がひっかかって、やむを得ず審査否決になる場合もあります。

その他に、あまりにもクレジットカードを保有していると、審査がマイナスに働く事もあります。1枚ごとの利用可能枠は少なかったとしても、10社のクレジットカードを持っていたら大量のお買い物ができます。自己破産を予定している人が破産前に一気にクレジットカードで浪費をするという事例もあるので、リスクと思われてしまう可能性があります。

3.審査に通るためには

これまでの理由を踏まえて、どのようなことに気をつければ審査に通過しやすくなるかを記載していきます。

(1)支払い能力(キャパシティ)の問題への対応

まず、キャパシティに問題がある場合は、審査難易度の低いクレジットカードに入会してジットヒストリーを作ることです。
代表的なクレジットカード会社別に審査難易度を分類しましたので、参考にしてみてください。カードのステータスや年会費によって難易度は変わるので参考程度とお考えください。

  • 【高難易度】DinersClub、AMEX
  • 【中難易度】JCB、三井住友カード、三菱 UFJ ニコスなどの銀行系
    オリコ、ジャックス、アプラスなどの信販系
  • 【低難易度】楽天カード、イオンカードなどの流通系
    アコムなどの消費者金融系

(2)所有資産(キャピタル)の問題への対応

キャピタルの問題については、勤続年数はもちろんですが所属部署や役職、預貯金なども記入する欄があればきちんと記載して損は無いです。記入必須項目ではないからとってその項目を飛ばすと、実は審査にマイナスに働くこともあります。

(3)手動審査での問題への対応

手動審査では、主に自社情報と外部信用情報の延滞履歴です。この対応方法は、過去に延滞した記憶のあるカード会社は諦めて、それ以外の会社に申し込むようにしましょう

もし自己破産や債務整理といった金融事故を起こした方は申し立てをした日ではなく、認定を受けて外部信用情報に登録された時から5年間待つ必要があります。焦って5年経過する前に申し込むと、申し込んだカード会社に金融事故の経歴がバレてしまいます。
今後も審査が通過しにくくなってしままうので、焦らずに5年間待つことが肝心です。

(4)上記以外の問題への対応

審査に落ちたからといって短期間に複数申し込むことは控え、既に複数のクレジットカードを保有している場合は使っていないクレジットカードがあるはずなので、使っていないものは解約した方がよいです。

多額のキャッシングやカードローン、リボ払いの残高がある場合は返済をしてから申し込んでみてください。一概には言えませんが、目安としては残高を年収の3分の1以下に減らすと審査の通過率があがるでしょう。

4.まとめ

クレジットカードは自動審査と手動審査の2つの工程があり、見ているポイントは支払い能力(キャパシティ)と所有資産(キャピタル)により返済が可能であるかです。しかし審査は様々な理由により判定され「こうしたら審査に通過する」とは言えません。
共通して言えることは「信用を積み重ねることが最も重要」ということですが、自分の工夫で審査の通過率をあげることも可能です。
クレジットカードを申し込んだが審査に落ちてしまったと悩んでいる方は、自身に当てはまる内容がないか確認してみて、次にクレジットカードを申し込む時の参考にしてみてください。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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