WeChat Pay(微信支付)の特徴は?導入方法やメリット

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Alipay(支付宝)と並んで中国のモバイル決済市場を独占しているWeChat Pay(微信支付)。インバウンド需要を狙う日本の店舗にとっても導入が求められるスマホ決済サービスでもあります。

WeChat Pay(微信支付)は、スマホ決済サービスとしてどのような特徴があるのか。また、導入のメリット、Alipay(支付宝)との違いについて解説していきます。

1.WeChat Pay(微信支付)の概要について

まずは、WeChat Pay(微信支付)は、どのような企業が運営しているスマホ決済サービスなのかを知っていきましょう。

(1)WeChat Pay(微信支付)とは?

中国にある大手IT企業「テンセント」。こちらの企業は中国最大のメッセンジャーアプリ「微信(WeChat)」を2010年から提供しています。ユーザー数は13億人を超えるといわれており、200の国と地域で使用されている世界規模のSNSでもあります。

そんな「テンセント」が2013年より開始したサービスが「WeChat Pay(微信支付)」です。銀行口座決済を中心としたQR/バーコード決済でもあり、個人送金機能なども併せ持っています。

2015年からは日本でも導入が開始され、Alipay(支付宝)と並んで、中国人旅行者の利用を促進しています。

SNS・メッセンジャーアプリから誕生したスマホ決済サービスという意味では、日本の「LINE」-「LINEPay」のようなイメージが近いと言えます。

(2)SNS発としての強み

WeChat Pay(微信支付)は、SNS機能を強みとして持っており、決済機能と連動した店舗情報の発信、お得な情報やクーポンの配布、ユーザー投稿型の口コミや写真のシェアなどによる宣伝機能があります。

2.WeChat Pay(微信支付)のユーザーのメリットや利用状況

スマホ決済サービスとして、WeChat Pay(微信支付)にはどのようなメリットがあるのでしょうか。中国などでの利用状況とも併せて解説していきます。

(1)利用者のメリットは?

中国のモバイル決済市場では、アリババ・グループが提供する「Alipay(支付宝)」とテンセントが提供する「WeChat Pay(微信支付)」がシェアを独占しており、この2社で市場の9割を独占しているといわれています。

WeChat Pay(微信支付)は、Alipay(支付宝)に次ぐ、2位のシェアを獲得しており、中国国内では、100万店で導入されており、利便性も高いです。

アプリ1つの中にSNS機能、モバイル決済機能、個人送金機能などのサービスが利用でき、SNS機能を利用したクーポン配布やお得情報の配信にメリットを持っています。

(2)決済方法は?

WeChat Pay(微信支付)の決済方法は、QR/バーコード型となっており、スマホで表示させたQR/バーコードを店員が読み取る形で決済を行います。

(3)中国での普及状況

中国国内では約6億人ものユーザーが利用しているといわれています。また、中国のモバイル決済市場規模はここ4年で22倍にも膨れ上がっており、2017年には市場規模が約3500兆円にまで成長するなど、世界一のキャッシュレス大国として今後も拡大を続けていくことが予想されます。

また、中国のモバイル決済企業では、国内だけではなく海外への普及の拡大を目指しており、日本でも導入が広がっています。

3.日本のお店がWeChat Pay(微信支付)を導入するメリットは?

中国のキャッシュレス2大巨頭のうちの1つ「WeChat Pay(微信支付)」ですが、日本の店舗でも導入が広がっています。WeChat Pay(微信支付)を日本のお店が導入するメリットにはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

(1)中国人観光者のインバウンド消費が狙える

WeChat Pay(微信支付)のユーザー数は中国国内で約6億人いるといわれており、日本を訪れる中国人観光客も多いことから、インバウンド消費を狙うことができます。

中国ではスマホ決済が当たり前になっていることから、日本への旅行でも馴染みのスマホ決済サービスが利用できるというのは、大きな強みになるでしょう。

日本を訪れる中国人旅行者の数は年々増加しており、訪日観光客の約26%を占めます。消費額では、全訪日旅行者の約38%を中国人が占めるということもあり、WeChat Pay(微信支付)の導入が明らかなメリットになることは確実にいえるでしょう。

日本では、すでにエディオンや日本交通、イオン、ロフトなど約7000店舗がWeChat Pay(微信支付)の導入を開始しています。

(2)SNS機能を生かした宣伝効果

WeChat Pay(微信支付)の強みは、SNS機能を活かした情報拡散にあります。日本に来る中国人旅行者にとってみれば、日本のお店の情報はあまり多くないはずです。

そんな中で、WeChat Pay(微信支付)からお得な情報やユーザーの口コミなどを知ることができれば、他店よりも選ばれる確率を上げることができるでしょう。

また、一度訪れたお店の情報を発信したり、お得なクーポンなどを配布することによって、リピート客を狙うことも可能です。

(3)日本人でも使える

ちなみにWeChat Pay(微信支付)は日本人でも利用可能です。電話番号とクレジットカードによってユーザー登録が行えるのですが、実際に利用するとなると、中国国内の銀行口座が必要だったり、他のWeChat Pay(微信支付)ユーザーから送金してもらうしかないので実用性は低いと考えられます。

(4)AliPay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)の違いは?

ここで、AliPay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)の違いを明らかにしていきましょう。どちらも中国の大規模スマホ決済サービスですが、母体となる企業が異なるので、サービスの内容についても違いが現れています。

まず、AliPay(支付宝)は、中国のIT企業「アリババ・グループ」が提供するスマホ決済サービスで、ECサイトなどで有名です。AliPay(支付宝)は、通常のお買い物だけではなく、日常生活の中で財布が必要となるあらゆる場面で利用できる強みを持っています。

例えば、お買い物に加えて、公共料金や携帯料金の支払いなど、あらゆる支払いを可能とし、より財布に近い機能を強化しています。

WeChat Pay(微信支付)は、「WeChat(微信)」というSNSが母体になっているスマホ決済サービスでもあり、SNSを活かした情報拡散機能に強みを持っています。店舗の情報発信やクーポンの配布、口コミの投稿など、ユーザー間やユーザーと店舗の間で利便性を高めていけるサービスでもあります。

4.WeChat Pay(微信支付)の導入方法は?

WeChat Pay(微信支付)の導入方法について見ていきましょう。具体的に、WeChat Pay(微信支付)の導入を検討されている方は、どのようなルートで申し込みを行い、どのような仕組みで決済が行われるかなどを知っておきましょう。

(1)導入プロセス

WeChat Pay(微信支付)の導入は、代理店を通じて行います。
たとえば、下記のような代理店があります。

【参考外部サイト】一般社団法人ウィチャットペイ推進協議会

代理店に申込書を提出し、加盟店審査、そして、決済の際に必要となる端末を準備するだけでOKです。あとは、専用アプリをインストールすれば導入完了です。

(2)導入費用

導入費用や決済手数料などについては、代理店によって異なるので、問い合わせをしてみてください。ただ、導入に必要となるのは、決済用のタブレットと専用アプリのみなので、すでに他のスマホ決済サービスを導入している店舗にとっては、導入ハードルが低いといえます。

(3)決済プロセス

スマホ決済によって行われた取引では、利用金額が利用者の口座からテンセントグループに引き落とされ、代理店に送金されます。代理店から店舗に売上げが振り込まれるというプロセスとなります。

(4)LINE Payの導入でWeChat Pay(微信支付)が利用可能

2019年には、国内のスマホ決済サービス「LINE Pay」がWeChat Pay(微信支付)に対応する予定となっています。

LINE Payを導入するだけで自動的にWeChat Pay(微信支付)に対応することができるので、導入ハードルもさらに低くできるでしょう。

PayPayがAliPay(支付宝)との連携を行なっているように、中国と日本のスマホ決済サービスが連携を深めていく流れがおきています。

まとめ

中国のSNSから生まれたスマホ決済サービス「WeChatPay(微信支付)」。店舗にとっては、集客に向けた効果的な宣伝が行える機能を持っているので、インバウンド消費を狙った導入には、かなりのメリットがあります。

観光地や観光客がよく訪れる店舗の事業者の方は中国のスマホ決済サービスの導入を検討してみてください。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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