ゆうちょPayの特徴と使い方、支払い方法:口座から即時引き落とし

ゆうちょPay 使い方

銀行系のスマホ決済サービスとして注目されている「ゆうちょPay」。利用者数の多い、ゆうちょ銀行から誕生したサービスということもあり、どのような戦略を取ってくるのか気になるところです。

今回は、そんなゆうちょPayについて特徴や使い方を詳しく解説していきます。

1.ゆうちょPayの特徴やメリットは?

(1)ゆうちょPayとは?

5月8日にアプリのリリースがスタートした「ゆうちょPay」。

ゆうちょPayは、ゆうちょ銀行がGMOペイメントゲートウェイ社と連携して誕生したスマホ決済サービスです。

決済方法には、「QRコード」が採用されています。ゆうちょ銀行の口座を持っていれば利用することができ、審査や年齢制限などもありません
利用代金は紐づけたゆうちょ銀行の口座から即時に引き落とされます。

銀行系のスマホ決済・キャッシュレスサービスとしては、みずほ銀行が中心になって運営している「Jコインペイ」などがあります。

(2)ゆうちょ銀行口座は必要?

ゆうちょPayは、利用に関して、ゆうちょ銀行の口座を必要としています。

ですので、ゆうちょ銀行の口座を持っていないと、ゆうちょPayを利用することはできません。

(3)他銀行との連携は?

ゆうちょPayは、GMOペイメントゲートウェイ社との連携によって誕生したサービスとなっています。

GMOペイメントゲートウェイ社は、横浜銀行の「はまPay」や、福岡銀行・熊本銀行・親和銀行の「YOKA!Pay」を運営しており、ゆうちょPayの導入に関しても他行との相互連携が打ち出されています。

現状としては、横浜銀行や福岡銀行との連携を進めており、熊本銀行、親和銀行、りそなグループなどとの相互連携が予定されており、決済サービスだけではなく、銀行としての利便性を高める連携が期待され、さまざまなサービスの拡大が進んでいるとのことです。

当初利用可能な店舗は約1万カ所となる見込みです。

(4)支払いの仕組みは?

ゆうちょPayの支払いの仕組みとしては、利用客がスマホ画面に表示された「QRコード」を提示して、お店側が読み取ることによって決済を行います。

「バーコード決済」の導入は予定されていません。

また、利用金額に関しては、登録したゆうちょ銀行の口座から即時に引き落とされ、利用の通知メールが届きます。

イメージとしては、デビットカードに近い形になることが考えられます。
利用金額に関しても、自分で限度額を設定できるので、使いすぎの心配もいりません。

(5)ゆうちょPayを使ったキャッシュアウトも可能

ゆうちょPayで展開されるサービスは、スマホ決済だけではありません。
他行との相互連携を生かしたサービスも予定されています。

例えば、GMOペイメントゲートウェイ社が運営している「銀行Pay」の仕組みを活用することで、東急線各駅での券売機で銀行預金が引き出せる「キャッシュアウト」サービスの開始が提供されます。

スマホ決済だけでは対応できない、現金が必要な場面でもゆうちょPayを使えば、便利に預金を引き出すことが可能となります。

(6)使えるお店は?

ゆうちょPayが使えるお店を見ていきましょう。加盟店の数が多ければ、それだけで利便性が高くなります。

現状、ゆうちょPayが使えるお店は以下のURLから確認できます。

【外部サイト】ゆうちょPayが使えるお店・払込取扱票(請求書)・路線|ゆうちょ銀行

それぞれのサービスの概要としてはこのようになります。

名称 サービス内容
お店・施設 店頭でのお買い物・お食事などで、
コードを読み取ってお支払い
払込取扱票(請求書) 各種料金などの払込取扱票(請求書)に
掲載されたコードを読み取ってお支払い
キャッシュアウト 東急線各駅(東京・神奈川)の
駅券売機での貯金のお引き出し

主なゆうちょPayが使える場所としては、以下のようなお店などがあります。

  • ドラックストア:キタムラ、welcia、ハックドラッグ、ダックス、マルエドラッグなど
  • 家電量販店  :ヤマダ電機、ベスト電器、エディオン、ケーズデンキなど
  • その他小売  :IKEUCHI ORGANIC(株)、有限会社トヨクニ、芝田タオル株式会社

リリース段階では、加盟店の数が少ない印象もありますが、今後拡大予定となっている部分でもあります。現状公開されているものでは、以下の加盟店が利用開始予定となっています。

開始時期予定 店名
5月中旬 松屋
6月ごろ MINI STOP、TOKYU HANDS、
和民、座・和民、ミライサガ、三代目鳥メロ
炉ばたや銀次、焼肉ホルモンもつ☆りき等
7月ごろ Joshin
8月ごろ Wendys First Kitchen、はなまるうどん
9月ごろ Kiosk、サーティワンアイスクリーム、
ポプラ、生活採家、くらしはうす、スリーエイト

(7)キャンペーンは?

2種類のキャンペーンがあります。

(1)ゆうちょPayデビューキャンペーン

ゆうちょPay デビューキャンペーン【画像引用元】ゆうちょ銀行:ゆうちょPay

ゆうちょPayアプリをスマホにインストールし、初期設定まで完了した先着100万名に、現金500円プレゼントの、「ゆうちょPay デビューキャンペーン」が行われます。

登録した、ゆうちょ銀行の総合口座に振り込まれる形です。

対象人数に達し次第、終了する予定です。

対象期間:2019年5月8日(水)〜2019年9月30日(月)

(2)Twitterフォローキャンペーン

ゆうちょPay公式Twitterフォロー&リツイートキャンペーン、第1弾と第2弾が用意されています。

<第1弾>

ゆうちょPayの公式アカウントをフォローし、対象ツイートをリツイートするだけで応募完了
抽選で各月10名にAmazonギフト券10万円分が当たる

対象期間:2019年3月1日(金)〜2019年4月30日(火)

<第2弾>

ゆうちょPayの公式アカウントをフォロー、対象ツイートをリツイートして応募完了
抽選で各月2000名に有名アイスクリーム店や有名コーヒー店などのデジタルギフトが当たる

対象期間:2019年5月8日(水)〜2020年3月31日

2.ゆうちょPayの使い方を解説

次に、ゆうちょPayの使い方を解説していきます。登録方法など、始める上で必須となるものから、具体的な支払いのやり方まで詳しく見ていきましょう。

(1)登録方法

▼まずは、App storeもしくはGoogle Playから「ゆうちょPay」アプリをダウンロードします。

https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.japanpost.jp_bank.YuchoPayapp

https://itunes.apple.com/jp/app/id1453364627?l=ja&ls=1&mt=8

以降は、Androidアプリの場合の説明です。

▼アプリを起動し、「ご利用を始める」をタップ、「アカウント登録」を選択します。

▼メールアドレスとログインIDを設定します。設定したメールアドレスに6桁の確認コードが届くので、その数字をアプリに入力します。

▼アカウント情報を登録します。「お名前」「生年月日」「性別」「電話番号」「職業」「ゆうちょ銀行のご利用目的」を入力します。

▼アカウント設定の次は、「口座設定」に移ります。「口座内容を入力」をタップします。

▼口座情報設定画面から「口座設定に進む」をタップし、口座情報・暗証番号を入力していきます。

▼口座振替申し込みをすれば「初期設定」が完了となります。

(2)チャージ方法

ゆうちょPayでは、現金チャージの機能はありません。支払い方法は、ゆうちょ銀行口座からの即時引き落としのみに対応しています。

イメージ的には、スマホ版デビットカードといった感じです。

(3)支払い方法

支払い方法を解説します。ここでは、ゆうちょPayの「バーコード読み取り」「QRコード読み取り」「払込取扱票(請求書)払い」の3つを解説します。

【バーコード読み取り】

▼アプリを起動します。

▼支払い方法で「コード表示」を選択し、中央のアイコンをタップします。

▼取引暗証番号6桁を入力します。(※iOSのみTouch ID/Face IDの利用可能)

▼表示されたコードをお店側に提示し、読み取ってもらえば支払い完了です。

【QRコード読み取り】

▼アプリを起動します。

▼支払い方法で「コード読取」を選択、カメラが起動します。

▼カメラで提示されたコードを読み取ります。

▼支払い内容が表示され、金額などを確認し、スライドによって支払いを進めます

▼取引暗証番号6桁を入力すれば、支払い完了です。

【払込取扱票(請求書)払い】

▼払込取扱票(請求書)に記載されている、支払いコードを確認(※ゆうちょPayに対応している場合、ゆうちょPayのロゴが掲載されています)

▼アプリを起動し、支払い方法で「コード読取」を選択します。

▼以下、【QRコード読み取り】と同様

(4)利用履歴の確認方法

アプリのメニュー画面にある「ご利用履歴」をタップすることで、これまでにゆうちょPayを利用した履歴が確認できます。

ここでは、「各月の利用履歴」のほかにも、「今月の利用総額」「本日の利用総額」「今月の利用率(利用総額/利用上限金額)」「前月の利用率」などの利用状況も詳しく確認できるようになっています。

(5)加盟店の探し方

スマホ決済サービスの多くは、アプリ内に加盟店一覧を確認できる機能を備えていたり、マップ機能を取り入れて、地図上に加盟店が表示されるなど、便利な機能を有しています。

しかし、ゆうちょPayは、アプリ内で加盟店を探す機能はありません。公式サイトを確認してください。

【外部サイト】ゆうちょPayが使えるお店・払込取扱票(請求書)・路線|ゆうちょ銀行

(6)キャッシュアウト機能

ゆうちょPayの目玉機能でもある「キャッシュアウト」。東急線各駅(東京・神奈川)の自動券売機から、ゆうちょ銀行口座の現金を引き出せます。

(※世田谷線・こどもの国線を除く 2019年5月時点)

スマホ決済が使えない場所でも、スマホ1つで現金が引き出せるので、現金とキャッシュレスのいいとこ取りといったところでしょうか。銀行系スマホ決済サービスならではの機能です。

この「キャッシュアウト機能」の利用方法をまとめていきます。

▼アプリを起動し、メニューから「キャッシュアウト」を選択します。

▼引き出す金額を入力し、「コード発行」をスライドします。(引き出し金額は10,000円、20,000円、30,000円)

▼取引暗証番号6桁を入力

▼自動券売機を操作し、スマホに表示されたQRコードをかざします。

▼自動券売機から現金を受け取って完了です。

利用可能時間は、毎日5:30から23:00となっています。

手数料については、2019年6月30日までは「無料」、それ以降は2020年1月3日まで108円、2020年1月14日からは平日8:45~18:00以外の手数料が216円となります。

詳しくは以下のページから確認してください。

【外部サイト】ゆうちょPay キャッシュアウト利用手数料一覧

(7)解約方法は?

ゆうちょPayは、アプリ内での解約、アプリ削除に伴うアカウント削除などに対応していません。

ゆうちょPayを解約するには、ゆうちょ銀行、郵便局の預金窓口で「即時振替サービス廃止届」を提出し、利用廃止の手続きが必要となります。

これらに関しては、以下のページから確認できます。

【外部サイト】各種ご請求用紙のダウンロード|ゆうちょ銀行

3.ゆうちょPayを利用する上での注意点は?

ゆうちょPay注意点やデメリットについてまとめていきます。スマホ決済サービスを利用する上で気になる部分がある人はチェックしてください。

(1)加盟店は少ない

リリース直後とはいえ、他のサービスと比較しても、加盟店の少なさは目立ちます。リリース時点でコンビニで使えない、今後導入されるとしても「ポプラ」「MINISTOP」と大手コンビニ3社で使えないのは不便かもしれません。

今後徐々に拡大していくと考えられますが、利便性と直結する部分だけに改善を期待します。

(2)セキュリティ面は?

ゆうちょPayのセキュリティ面では、「取引暗証番号6桁」の入力を課している点があります。

取引暗証番号の入力が必要なのは、「支払い」「キャッシュアウト」「アプリ起動時(一定時間経過している場合)」「設定変更時」です。番号を4回間違えるとアプリがロックされます。ロックされた場合や、忘れた場合はサポートデスク(0120−387−186)に問い合わせが必要です。

また、利用上限額などの設定も可能となっています。

(3)不正利用時の補償は?

スマホを紛失または盗難され、ゆうちょPayを不正利用された場合、ゆうちょPay側からの補償はありません。対応としては、通信会社への連絡、緊急停止サイトからのアカウント停止が必要となります。

ゆうちょPayは、クレジットカードを連携させて利用するサービスではないため、自己責任によるスマホ紛失・盗難に関しては責任を取らない方向のようです。

(4)スマホ機種変更時は?

機種変更したスマホにゆうちょPayアプリをダウンロードし、ID/パスワードを入力してログインすれば、引き継いで利用できます。

(5)利用可能アカウント

複数口座による複数アカウントの利用はできません。1人につき1アカウントまで利用可能です。

4.ゆうちょ銀行がキャッシュレスに参入する意味とは?

ゆうちょ銀行 logo(Wikipediaより引用)

キャッシュレス業界にさまざまな企業が新規参入をする中、遅れた形でリリースされることになったゆうちょPayですが、ここにきて、ゆうちょ銀行がキャッシュレスに参入する意味はどこにあるのでしょうか?

考えられる点としては、ゆうちょ銀行には現時点で預貯金を含めた資産が200兆円を超える規模であり、キャッシュレス業界に参入することで、これらの資産を積極的に活用してもらえると予想されています。

キャッシュレス参入段階で、潜在的なユーザーが利用できる資産を持っているという点では「auPay」と共通しています。auPayでも、au walletなどの残高が1000億円規模であると言われており、それらの資産が利用を促進すると言われています。

ゆうちょ銀行の場合は200兆円を超える規模ですから、さらにスケールの大きな話になってきます。
そして、利用者数という意味でも、ゆうちょ銀行は全国各地に銀行を構えており、利用者も多く、潜在的なユーザー数はかなりの数にのぼることが考えられます。

サービスを展開していく中で、加盟店を増やしていき、銀行特有の利便性を高めていけば、他のスマホ決済サービスに負けない魅力があります。そういう意味では、キャッシュアウト機能による差別化は存在感を放ちます。

現状として、キャッシュレスだけで、全ての買い物に対応できるわけではなく、現金が必要な場面は出てきます。
その中で、ゆうちょ銀行の口座から現金を引き出す機能を持っているゆうちょPayには、他のスマホ決済サービスにはない強みがあるといえるでしょう。

まとめ

ゆうちょPayの使い方や特徴をまとめてみました。

印象としては、お堅い企業が作った真面目なスマホ決済サービスという感じです。

利便性においては、少しインパクトに欠ける部分もありますが、セキュリティ面などはしっかりしていそうなので、安心してスマホ決済サービスを利用したい方におすすめです。

監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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