消費税の課税事業者・免税事業者の違いと判定方法【図解】
消費税の免税事業者と課税事業者の違いについて、また、判定フローについて、図を使ってわかりやすく解説します。課税売上高…[続きを読む]
「政府による副業の解禁」、「クラウドソーシングの普及」が相まってフリーランス(個人事業主)として働く方も増えたのではないでしょうか。自分の労働が収入に反映されるのは、フリーランスの良い点ですよね。でも、税金ってどうしていますか。
納税は国民の義務です。会社員の場合は会社が行なってくれますが、フリーランスの場合自分で行わなければなりません。でも、税金ってどうやって払えばよいのでしょうか?
この記事では、「フリーランスが払う税金の種類」と「納付方法・期限」をご紹介します。
目次
税金は大きく2種類に分けられます。国へ納める「国税」と地方自治体へ納める「地方税」です。
「国税」と「地方税」の中で、さらに税金の種類が細かく分けられています。
まず、フリーランスが払うべき税金を確認しましょう。
※フリーランスというと法人の方も含まれますが、この記事では「フリーランス=個人事業主」という前提で解説をさせて頂きます。
まず、国税である①所得税、②消費税についてです。
個人の所得に対して課税される税金です。確定申告とは、この「所得税」を確定させ必要な税金を納付する手続きを指します。
所得税の税率は、所得が高くなるほど税率が上がる「超過累進課税」方式で決められます。
また、2011年の東日本大震災の被災地復興を目的とした「復興特別所得税」が導入されました。
「復興特別所得税」は通常の所得税とは異なる税金という扱いになるため、所得税とは別で課税されます。
商品やサービスを消費する際に納付する税金です。日頃の買い物で意識するため、1番馴染みのある税金ではないでしょうか。
フリーランスの場合、売上に消費税が含まれているということを意識しましょう。ただし、売り上げが1千万以下の場合は「免税事業者」という扱いになるため課税対象から除外されます。
次に地方税である③住民税、④事業税、⑤固定資産税についてです。
住民票がある自治体へ納める税金です。所得税と同様に所得によって税率が決まります。
住民税の特徴として「後払い」であることが挙げられます。年に一度納付書が届き、一括または分割を選択し納付します。
事業内容によって税率が区分されている税金です。事業税には、「事業主控除額」という控除があります。所得が290万円を超えていない場合、事業税はかからないというものです。また、文筆業やカメラマンなど一部の事業は事業税の対象外となります。
家や車、土地などにかかる税金です。税率は一律1.4%と決められています。
固定資産税の金額は、市町村が決定する「固定資産評価額」という数値に固定資産税(1.4%)をかけることで計算できます。
税金には様々な種類があることは分かりましたが、どのように納めるのでしょうか。
会社員の場合は、会社が代理で行ってくれます。しかし、フリーランスの場合は、自分で行わなければなりません。次は、税金の納め方、納付期限を確認しましょう。
確定申告とは、申告者の納税額を決定する手続きのことです。対象となる税金は①所得税、②消費税、③住民税、④事業税です。例え同じ年収だとしても、家族構成や必要経費で納めるべき税金は変わってくるため個別で申告する必要があります。
所得税及び復興特別所得税は毎年2月16日から3月15日の期間に、税務署へ提出します。消費税は、課税対象期間の翌年3月31日が提出期限です。
申告義務があるのに期限までに申告しなかった場合、加算税や延滞税などのペナルティがあるため注意しましょう。
確定申告には以下の3種類があります。
白色と青色の違いは、控除と事前申請の有無です。
さらに青色の場合は、帳簿のつけ方で控除の額が変更してきます。複式簿記で帳簿をつければ、65万円の控除が受けれますが、その分、帳簿のつけ方は複雑となります。
複式簿記で帳簿をつける場合は、会計ソフトを利用しましょう。
簡易簿記の記帳は専門家でなくとも、作成が可能ですが複式簿記を作成する場合は専門的な知識が必要です。しかし、税理士さんに相談するにはお金もかかってしまいます。
そんな時に役立つのが、会計ソフトです。よく利用されている会計ソフトを「インストール型」「クラウド型」それぞれご紹介します。
「やよいの青色申告」とは、Windows専用のインストール型会計ソフトです。
最近はMacユーザー向けにクラウド型の会計ソフトも多く販売されています。しかし、クラウド型はブラウザ上で操作するため入力内容の反映に時間がかかるというデメリットがあります。入力項目が2、3個であれば問題ないかもしれませんが、確定申告は1年間の経費を全て入力しなければなりません。
人によっては数百に渡る入力で、反映時間を待っていたら入力作業がストレスになってしまいます。
その点「やよいの青色申告」は、インストール型であるため、入力がすぐ反映されストレスなく作業を進めることが可能です。
「MFクラウド」とは、クラウド型会計ソフトです。クラウドの利点として、データをクラウド上に保存するためインターネットに接続可能な端末であれば、どこからでもアクセス可能な点が挙げられます。
さらに、ネットバンクやクレジットカードと連携しており事前に登録しておけば自動でデータを読み取り複式簿記へ記帳することもできます。
申告・納税期限は確定申告と同様の3月15日です。確定申告で計算した所得税を支払います。
申告・納税期限は3月31日です。
「開業後2年以内」もしくは「売り上げが1000万以下の場合」は納める必要はありません。
確定申告後、前年度の所得を元に住民税が計算され次年度の6月から納付がスタートします。
住民税の納付方法は、一括又は分割払いを選ぶことができます。
確定申告時に納税額を決定します。事業税の対象者である場合は8月に納税通知書が送られてきます。
事業税は8月と11月の2回に分けて納税します。
1月1日時点で所有している固定資産に対し、各自治体によって納税額が決められます。確定申告において、固定資産税を経費とすることも可能です。都道府県によっては一括納付も可能ですが、基本的に年4回の分割払いで納付します。
税金以外にも払うべきなのが社会保険ですね。社会保険は大きく「健康保険」「年金保険」の2つに分けられます。
フリーランスと会社員で払える保険が異なりますが、どのような違いがあるのでしょう。
健康保険は「健康保険」「国民健康保険」の2つに分けられます。これは加入者が選べるものではありません。サラリーマンは「健康保険」へ加入し、サラリーマンに属さない人たちが「国民健康保険」へ加入します。
「健康保険」の場合、保険料の半額を会社が負担してくれ、被扶養者に対して保険料はかかりません。「国民健康保険」の場合は、全額自己負担であり、扶養者が増えると保険料は増加します。
傷病手当金とは、病気や怪我によって働けなくなった期間、賃金(正確には標準報酬)の3分の2を支給してくれる制度です。支払われる期間は最長1年6ヶ月です。
「健康保険」の場合、傷病手当金を受け取れますが「国民健康保険」の場合は受け取ることができません。
国保組合とは、職能団体が運営している国民健康保険の組合です。多くの組合で、所得に関わらず保険料を定額に設定しています。組合員だけでなく、その家族も加入可能です。
年金保険は「厚生年金」「国民年金」の2つに分けられます。健康保険と国民保険はセットになっています。
「健康保険」に加入しているサラリーマンは「厚生年金」に加入し、「国民健康保険」に加入している人は「国民年金」へ加入することになります。
会社員は「国民年金」と「厚生年金」の2種類の年金がもらえますが、フリーランスの場合「国民年金」のみを納付するため将来貰える年金の額が少額となってしまいます。
しかし、国民年金基金という年金を上乗せする制度を利用すれば、将来受け取る年金の金額を増やすことができます。更に、国民年金基金への掛け金は全額控除対象となるため節税にもなるお得な制度です。
将来への備えとして、フリーランスへオススメなのが小規模企業決済です。サラリーマンの退職金積立制度のようなもので、月額1000円から70000円の範囲内で掛け金を設定できます。
掛け金に関しては全て控除の対象となり、月ごとの変更も可能という特徴があります。
税金の種類、納付方法を説明しました。しかし、確定申告の作成や自身の管理が漏れている税金がないか心配になることもありますよね。
そんな時は、専門家を頼ってみましょう。税金で困った時の相談先をまとめてみました。
確定申告は各地域の税務署へ提出し、税務署の職員が確認を行います。
そのため、確定申告で困った時はまず税務署へ相談しましょう。確認してくれる人へ相談し、了承を得られたら安心ですよね。
税務署への相談は、わざわざ税務署へ行かずとも電話で相談することが可能です。
さらに1年中相談を受け付けてくれているので、確定申告をする前に相談し書類の整理を済ませた上で申告期間を迎えることが可能となります。
確定申告の期間になると、無料相談会を実施している場合があります。
特に2月23日は税理士記念日であるため、無料相談会が多く開かれます。具体的な場所や日程は月初めに各税理士会のWebサイトへ記載されるのでチェックしてみましょう。
「フリーランスが払う税金の種類」と「その払い方」についてご紹介しました。
会社員であれば、税金に関して会社が全て行ってくれる税金の納付。フリーランスの場合は、計算も納付も全て自分でしなければならず、申告しなかったらペナルティまであるのが恐ろしいですね。
「申告方法がわからなかった」「期限を知らなかった」など言っても、納付のルールを破ったら加算税や延滞税が課されてしまいます。
知識が無いことで不利になることがないよう、キチンと学び税金への不安を無くしましょう。