年末調整で国民健康保険の控除証明書が不要なのはなぜ?

年金

年末調整では、いろいろな控除を受けるために、基本的には、控除証明書が必要です。

ただ、国民健康保険料については、控除証明書は不要です。なぜでしょうか? その理由を簡単に説明します。

生命保険料は保険会社が決定するので証明書が必要

まず、生命保険料控除について簡単に触れておきますと、生命保険料は保険会社が決定して、契約者から保険料を払ってもらいます。

保険契約は、保険会社と契約者の間でされるものであり、生命保険料をいくら払ったかの情報は、個人情報保護の対象です。税務署や市区町村は、保険会社から直接情報を得ることができません

そこで、保険料を支払ったことの証拠として、保険の契約者が保険会社から控除証明書を受領のうえ、会社や税務署などに提出する必要があるのです

会社は年末調整の情報を税務署に報告し、税務署はその情報を市区町村に通知します。そして、市区町村で住民税の計算を行います。

保険会社 ⇒ 保険の契約者 ⇒ 会社、税務署など ⇒ 市区町村

国民健康保険料は市区町村が決定するので証明書は不要

一方、国民健康保険料は、その人が住んでいる自治体(市区町村)が決定して、国民健康保険の加入者に、金額が記載された納付書を送付します。

ということは、市区町村は、その人が国民健康保険料をいくら支払ったか知っていますので、控除証明書は不要です。税務署と市区町村は情報を連携していますので、税務署も知ることができます。

市区町村 ⇒ 加入者 ⇒ 会社、税務署など ⇒ 市区町村

後期高齢者医療保険料、介護保険料の場合も控除証明書は不要です。

【参考】国民年金保険料は証明書が必要

参考までに、国民年金保険料については、控除証明書が必要です。

国民年金保険料は日本年金機構が決定し、加入者に納付書を送付します。市区町村と日本年金機構は連携しておらず、直接、情報を入手することができないため、控除証明書が必要になります。

日本年金機構 ⇒ 加入者 ⇒ 会社、税務署など ⇒ 市区町村

国民年金控除証明書

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服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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