年末調整の添付書類の貼り方は?糊付け・ホッチキスのどれがいい?
年末調整では、保険会社から送られてきた保険料控除証明書など、添付書類の提出が必要なケースもあります。その際に、どのように添付をすればよいのでしょうか。
糊付け・セロハンテープ・ホッチキスなど、決まりはあるのでしょうか。年末調整業務の経験から、大量の添付書類を保管することを踏まえたうえで、解説していきます。
目次
1.年末調整の添付書類を貼る場所
年末調整には、いくつかの書類がありますが、そのうち、次の2つの書類の裏には、添付書類の貼付け欄があります。
- ①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- ②給与所得者の保険料控除申告書
①扶養控除等申告書の添付書類
扶養控除等申告書の裏の左側のほうに、「~書類の添付箇所」という欄があります。
扶養控除等申告書に添付するのは次のようなものです。
- 源泉徴収票(転職した場合に前職のもの)
- 勤労学生の証明書
- 親族関係書類・送金関係書類(海外在住の場合)
②保険料控除申告書の添付書類
保険料控除申告書の裏の左側のほうに、「証明書類の添付箇所」という欄があります。
保険料控除申告書に添付するのは次のようなものです。
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 国年年金保険料控除証明書
- 小規模企業共済掛金払込証明書
2.添付書類を提出する方法
添付書類を貼る箇所を紹介しましたが、その前に、添付書類を提出する方法としては、いろいろあります。
- 申告書の裏に貼る
- 別のA4用紙に貼る
- クリアファイルに入れる
結論からいうと、添付する方法に特に決まりはありません。
会社から、どの方法で提出するのか指示があれば、それに従いましょう。もしくは、会社に確認してみたほうが良いでしょう。
特に指示がなければ、自分で考えて添付することになりますが、その際に考慮するポイントは
- バラバラにならないこと
- 保管しやすいこと
です。
会社では、大勢の従業員の書類を大量に扱いますので、バラバラになって他の人と紛れてしまうと非常に困るのです。まずは、とにかく、バラバラにならないように、「これは私の書類ですよ」とわかるようにすることです。
あとは、長期間、保管しやすいかどうかという点ですね。会社では、7年間は保管が必要です。従業員から提出してもらった書類一式を、クリアファイルに入れたり、パンチで穴をあけてパイプ式のファイルに入れたりします。分厚くなるので、かさばらないようにしてくれると助かります。
別のA4用紙に貼るのがオススメ
ということで、大量の書類を扱う部門の視点で考えると、申告書の裏に貼るよりは、別のA4用紙に貼るのがオススメです。
貼る書類が1枚なら良いのですが、大量にある場合、ペラペラの申告書の裏に大量に貼ると、重みで申告書が破れてしまったり、貼った書類がとれてしまったりするからです。
また、会社では、申告された内容と、添付書類を見較べて正しいか確認するのですが、添付書類が裏に貼ってあると、表と裏を交互に見返さなければならず、けっこう大変です。
別のA4用紙にきれいに並べて貼ってあれば、申告書を横に置いて見較べやすいのです。
クリアファイルでの提出もあり
最近は、インターネットを利用してオンラインで年末調整書類を作成・提出する会社も増えています。後で添付書類だけ、郵送・手渡しで提出することも多いでしょう。
添付書類を用紙に貼り付けるのも面倒ですので、クリアファイルに一式を入れて提出するのも良いでしょう。
会社のほうで保管する際に作業する必要はありますが、逆に貼り方を統一できるので、保管しやすかったりします。
3.糊付け・セロハンテープ・ホッチキス、どれが良い?
さて、申告書または他のA4用紙に貼る場合ですが、糊付け・セロハンテープ・ホッチキスのどれで貼るのが良いでしょうか?
これも正解はないのですが、筆者個人の考えでいうと、糊付けが一番いいかなと思います。
糊付けは、バラバラになりにくく、薄い
しっかり糊付けしてあると、長時間経過しても、はがれませんし、ホッチキスのようなゴツゴツ部分もなく薄いですので、とにかく保管がしやすいのです。
ただし、しっかりと糊付けすることが大切です。端のほうだけ適当に糊付けしてあると、はがれてしまうこともあります。逆に、糊を使いすぎて、紙がぐにゃぐにゃになっているのも、害はありませんが、見た目がちょっとという感じですね。
スティックのりを使えば、のりは薄く伸びますので、きれいに貼りましょう。
セロハンテープは、はがれやすい
使うセロハンテープの質にもよると思うのですが、安いセロハンテープだと、長期間経過すると、粘着力がなくなって、ポロッとはがれたりします。また、ある一端だけしか貼っていないと、書類をまくったときに、はがれやすくなります。
セロハンテープは貼るのは楽ですが、長期間の保管にはあまり向かないかな、というのが個人的な印象です。
ホッチキスの針は錆びやすい
これも、使うホッチキス針の質にもよると思うのですが、安いホッチキスの針だと、長期間経過すると、錆びてしまいます。そして、周囲の紙を腐食したり、ひどいと、針が途中で欠けてとれてしまうこともあります。
また、ホッチキス針の部分は、ゴツゴツしているので、ファイリングしたときに、針の部分の厚みが出てしまいます。
ということで、糊付け・セロハンテープ・ホッチキスを比較するなら、しっかりと糊付けするのが一番いい方法かなと思います。
4.貼り方にも工夫を! 厚みを均等に
申告書の裏には、「添付箇所」という欄がありますが、ここに全部まとめて貼ると、重くなってとれやすくなったり、分厚くて保管しにくくなるばかりか、また、非常に見にくいです。
裏面に記入されている説明文は隠れても良いですので、こんな感じに、なるべく重ならいように均等に貼ると薄くなりますので、とれにくいですし、保管もしやすいです。そして、添付書類の確認もしやすいです。
控除証明書の必要な部分だけ切り離してもOK
控除証明書は、たいていハガキ形式で送付されてきますが、ハガキは紙が厚いので、添付書類として貼ると厚みがでます。
控除証明書で必要なのは、保険の種類や、保険期間、保険料などが記載されている部分だけですので、そこだけ切り離して貼り付けてもOKです。
5.WEBでの提出の場合は、添付書類は必要?
近年では、freee、MFクラウド、奉行など、年末調整もできるクラウドシステムが普及しており、従業員がWEB上で申告するケースも増えています。
このようなWEBシステムでは、各種の控除証明書をスキャンまたは写真に撮ってアップロードすることが可能です。
その場合、原本の控除証明書は、別途、会社に郵送が必要です。会社に指示に従ってください。
電子データがあれば添付書類不要
多くの保険会社、金融機関などが控除証明書を電子データで提供しており、電子データを取得して提出することも可能です。その場合は、その電子データで証明できますので、紙面の控除証明書は不要です。会社に郵送する必要はありませんが、念のため、自宅で保管しておくと良いでしょう。