住民税非課税でも10万円もらえない?|臨時特別給付金が支給されないケースとは

この記事では、「住民税非課税世帯等への臨時特別給付金」について、住民税が非課税でも給付金をもらえないケースとはどんなケースか、お話しします。

0.住民税非課税ならみんな10万円貰えるんじゃないの?

今回の給付金が支給されるのは、

  • 令和3年度の住民税非課税世帯
  • 令和3年1月以降に住民税非課税世帯と同じぐらいに月収が減った世帯(家計急変世帯)

のどちらかに当てはまる世帯の世帯主です。

ですが実は、「令和3年度の住民税が非課税」という方でも給付金の支給対象外になるケースがあります。どんなケースなのか詳しくお話ししていきます。

1.世帯全員、他の親族に養われているケース

まずは「世帯全員、他の親族に養われているケース」について。

今回の給付金の支給対象者について、内閣府は、

住民税均等割が課税されている者の扶養親族等のみで構成される世帯は支給要件を満たさないものとする

という決まりを作っています。

どういうことかと言うと、

  • たとえ世帯全員の住民税が非課税でも、
  • 世帯の全員が、
  • お子さんや親御さんなど「住民税課税の親族」の扶養に入っている場合は、
  • 給付金の対象にはならない

ということですね。

例えばご夫婦二人の世帯で、奥さんも旦那さんも住民税が非課税だったとします。

でも、このご夫婦が息子さん(住民税課税の息子さん)から仕送りなどを受けていたりして、息子さんがご夫婦を扶養親族として申告していれば(つまり確定申告や年末調整でご夫婦のお名前を扶養親族として書類に記載していれば)、このご夫婦は住民税非課税世帯でありながら給付金の対象外となってしまいます。

同じように、一人暮らしをしている学生さんや休職中の方が住民税非課税だったとします。

でも、この方が親御さんやご兄弟(住民税課税のご家族)から仕送りなどを受けていたりして、ご家族がこの方を扶養親族として申告していれば、この方は住民税非課税世帯でありながら給付金の支給対象外となってしまいます。

2.世帯分離をしているケース

続いて「2021年12月11日以降の世帯分離で住民税非課税世帯となった世帯」についてみていきます。

今回の給付金の支給対象者について内閣府は、

基準日において同一世帯に同居していた親族について、基準日の翌日以降の住民票の異動により同一住所において別世帯とする世界の分離の届出があったものは、同一世界とみなす

という決まりを作っています。

どういうことかと言うと、2021年12月11日以降にした世帯分離については今回の給付金ではノーカウントになるということです。

例えば「年金暮らしのご夫婦と会社員の息子さんが同居している」という三人世帯で、年金暮らしのご夫婦は二人とも住民税が非課税、会社員の息子さんは住民税課税だったとします。

世帯分離の手続きによってご夫婦と息子さんで世帯をわければ、それまでと同じように同じお家に暮らしながら、

  • ご夫婦二人の住民税非課税世帯
  • 息子さん一人の住民税課税世帯

に分けることができます。ですが、世帯分離の手続きをしたのが2021年12月11日以降という場合、このご夫婦は住民税非課税世帯として給付金を受け取ることはできないということになります。

住民税非課税世帯の中で世帯分離をしたケースについて

今の話は住民税非課税世帯の中で世帯分離をした場合についても同じです。

例えば「年金暮らしのご夫婦とその息子さん(自営業)のご夫婦」という4人の世帯で全員が住民税非課税だったとします。

世帯分離の手続きでご両親夫婦と息子さん夫婦で世帯をわければ、

  • 親御さん夫婦の2人世帯
  • 息子さん夫婦の2人世帯

という風に、二つの住民税非課税世帯を作ることができます。ですが世帯分離の手続きをしたのが2021年12月11日以降であれば、このご家族は同一世帯としてみなされるので、2世帯分の給付金(つまり20万円の給付金)を受け取るということはできません。

世帯分離の時期に関係なく、同居している家族を一家族にカウントする自治体もある

なお、ここまでお伝えしたのはあくまでも内閣府の資料ベースの規定です。給付金の支給条件に関しての最終的な判断は自治体にゆだねられていて、世帯分離をしたケースの扱いも自治体によって異なります。

どういうことかというと、「いつ世帯分離をしたのか」という事には関係なく、

  • 同居している以上は世帯分離をしていても一世帯としてカウントする
  • コロナに関係ない世帯分離で住民税非課税世帯になっても給付金の対象としない

という自治体もあるということです。

3.世帯主が住民税非課税でも同じ世帯に住民税課税の人がいるケース

続いて「世帯主が住民税非課税でも同じ世帯に住民税課税の人がいるケース」について。

このケースは「そもそも住民税非課税世帯ではない」ということになります。

今回の給付金の支給対象となる「令和3年度の住民税非課税世帯」とは、

  • 世帯員全員、
  • 令和3年度の住民税の支払いがない。

という世帯なので、たとえ世帯主が住民税非課税でも他の世帯員が住民税課税では、「住民税非課税『世帯』」とは言えず、給付金の支給対象にもならないということになります。

ただし、令和3年1月以降の世帯員全員の収入次第では「家計急変世帯」として給付金を受給できる可能性もあります。

4.住民税所得割のみ非課税(均等割のみ課税)のケース

続いて「住民税所得割が非課税でも、住民税均等割が課税という世帯」についてです。

このケースも「そもそも住民税非課税世帯ではないケース」といえます。

住民税には「所得割」と「均等割」の二つがあって、基本的には所得割・均等割の二つを両方支払うことになります。

所得割とはざっくり言うと「お金を稼げば稼ぐほど高くなる住民税」で、均等割とはざっくり言うと「その地域に住んでる人が全員一律の金額で支払う住民税」です。

例え話になりますが、携帯電話の料金プランでも、電話をかければかけるほど高くなる通話料と、プランを契約している人が定額で全員支払う基本料金があったりしますよね。

住民税の所得割は携帯電話のたとえで言う「通話料」に、住民税均等割は「基本料金」に似ています。

そして住民税所得割は、利用できる控除が多ければ、金額を安くしたり支払いをゼロ円にする(つまり非課税を目指す)ことも比較的容易に可能です。一方、住民税均等割は、収入を一定以下に下げるか、あるいは事業を行って経費をガンガンにつむかしないと、なかなか非課税にするのは難しいです。

「住民税非課税」というのは一般に、今お話しした「住民税所得割」も「住民税均等割」も、両方非課税の状態を言って、今回の給付金も所得割と均等割の両方が非課税の世帯が対象です。

「所得割が非課税になる条件」より「均等割が非課税になる条件」の方が厳しいので、「住民税所得割は非課税だけど均等割は課税」という人ももちろんいるのですが、所得割が非課税でも均等割が課税であれば、今回の給付金の支給対象にはなりません。

ただし、これはあくまで「国の規定ではそうなっています」という話であって、一部の自治体では独自の予算を組むことで、「所得割のみ非課税の世帯(つまり住民税均等割は課税の世帯)」にも今回の給付金を支給するという方針を決めているところもあります。

5.申請漏れ・確認漏れで給付金が支給されない可能性も!

ここまでお話ししたケースに当てはまらない場合でも、手続きのし忘れなどには注意が必要です。

特に注意が必要なケースを2つお伝えします。

(1)施設に入居中の場合、確認書が手元に届かないまま期限切れになる可能性あり

まず、給付金の支給対象になっていても、施設に入居している場合など、「自宅に確認書が届いていることを知らないまま返送期限が過ぎてしまう」という可能性があります。

こちらは、郵便物の転送手続きをしていないとあり得るケースです。

国の規定では、期限までに確認書の返送がなければその人には給付をしなくても OK となってしまっているので、施設入居中の場合などは特に注意が必要です。

確認書の返送期限は自治体によるのですが、国の基準では「確認書の送付から3ヶ月」が返送期限になっているので、これに準拠する自治体が多そうです。

(2)修正申告で住民税非課税になった場合、確認書が届かない可能性あり

2021年12月10日以降の修正申告によって「令和3年度の住民税非課税世帯」となった場合、自治体から給付金の確認書が届かず、申請が必要になったり、確認書を送付してもらうために問い合せが必要になったりする可能性があります。

このケースについては自治体によって対応が異なっているので、ホームページやコールセンターなどで確認が必要です。

何らかのアクションが必要なのにずっと確認書を待ち続けていると給付金を貰い損ねてしまうということになってしまいかねないので心当たりのある方は一度確認されると良いかと思います。

吉田 美紀
執筆
吉田 美紀(よしだ みき)
早稲田大学文学部卒。2020年5月からZEIMOでの編集・監修・執筆活動を開始。ライフマネー・税金・ポイ活に関する記事を50以上監修。

2021年からはYOUTUBEチャンネル「お金のSOSチャンネル」の運営を開始、チャンネル登録者数1万(※2022年1月時点)。
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