よくわかる、すまい給付金①誰がいつもらえるの?条件は?

三世代住宅

ここ数年上昇を続けていた住宅価格に、下げ止まりの兆候が見られます。長丁場となりそうな「withコロナ」を見据えて、今のうちにステイホームに快適な家への買換えや購入を考えている人も多いかと思います。

通常、不況時ほど、住宅購入者には様々なメリットが用意されています。住宅ローン減税以外にも「すまい給付金」というものがあるのはご存知でしょうか?

住宅ローン減税の恩恵が今一つである、比較的低収入で住宅購入をした方が受給対象者になる可能性が高い給付金です。
どのような人がいつ貰えるのでしょうか?前半、後半「申請方法と必要書類を徹底解説」に分けて、2部構成で分かり易く解説します。

まず、前半パートでは、すまい給付金の概要と、誰がいつもらえるのか?という条件面について解説します。

1.すまい給付金とは?

すまい給付金は、その内容も受給手続きも理解が難しいと言われています。その理由は、住宅ローン減税があまりにも良く知られているために、住宅ローン減税を念頭において関係資料や説明サイトを読んでしまうからだと思われます。

すまい給付金は、住宅ローン減税とは別物であり、その給付目的が全く異なります。この点を理解すると、「自分が受給対象者なのか?」、「必要な手続きはどのようなものなのか?」がスムーズに理解できます。

最初に重要な点は、すまい給付金は国土交通省(以下、国交省と省略)が実施する事業であるということです。
そして、その目的は、『住宅購入の際の消費税増税による負担額を軽減するために、一定の所得以下の人を対象に、所得額に応じて10万円~50万円(住宅購入にかかる消費税が10%の場合)を支給するもの』です。

【参照】国土交通省:すまい給付金とは

1-1.すまい給付金の重要ポイント

ここでは、すまい給付金について分かり易くポイントで説明します。

ポイント①
住宅購入の際、土地は消費税が掛かりませんが、建物に対しては消費税が課せられます。住宅は高額なため、消費税増税による影響額は大きくなります。

ポイント②
一般的に収入が少ないと、消費税負担の負荷は大きくなります(いわゆる、「消費税負担の逆進性の問題」)。従って、一定の所得以下の人を対象として、所得が少ない人ほど受給できる金額が高くなります。

ポイント③
すまい給付金は、購入した住宅の所有権比率に応じて、居住する所有者個人が受給することになります(夫婦共有名義であれば夫と妻が貰えます)。

ポイント④
すまい給付金を受給出来る住宅には、住宅ローン減税より厳しい制約条件が課せられています。そして、その条件は、新築住宅と中古住宅によって違います。また、住宅購入者が、住宅を現金で購入した場合には、別途さらに制約条件が課せられています。

1-2.すまい給付金の受給条件の要点

すまい給付金を受給するためには、次の2つの条件があります。詳細は、別途、解説します。

  • ① 一定の所得以下の人で、購入した住宅の所有権を有する人
  • ② ①を満たした上で、一定の制約条件を満たした住宅を居住用に購入した人

2.すまい給付金の受給期限と窓口等について

すまい給付金は、国交省が、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を軽減するために設けた期間限定の公的事業です。平成26年4月から開始されて、令和3年12月までに住宅の引渡しが完了して、所有者が入居した住宅に対して支給されることとなっています。

また、すまい給付金の受給申請手続きの期限は、対象となる住宅の引渡しが完了してから1年以内(ただし当面は1年3ヶ月以内)となっています。

すまい給付金は、その申請書類の書き方そのものが難しいわけではなく、受給対象になるかどうかの判断が複雑であることと、申請書類に添付する書類が普段見慣れないものであることから、その書類を入手することに慣れていないことが、受給手続きのハードルを上げています。

2-1.すまい給付金についての問い合わせ先

すまい給付金は、国交省が管轄する公的事業ですが、国交省は一般市民を対象とした相談窓口等となる出先機関を持っていません。そのため、国交省は、すまい給付金に関する支給手続きを行う事務局を設けています。

すまい給付金 事務局
お問い合わせ窓口
ナビダイヤル:0570-064-186(通話料がかかります)
受付時間
9:00~17:00(土・日・祝含む)
※PHSや一部のIP電話からは045-330-1904

また、市町村区役場や税務署は一切関与していないので、必要書類を取りに行くために市役所や町役場に行っても、すまい給付金に関する説明を受けることは出来ません。
そのため、国交省は、日本全国にすまい給付金の相談を引き受けるサポートセンターを設けています。

2020年7月現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、サポートセンターの機能を一部縮小しているところがあります。本来であれば、サポートセンターに行けば、書類の書き方などについて対面で説明を受けることが出来るのですが、当面はサポートを希望する場合は、事前に電話で問い合わせをすることとされています。

サポートセンターは全国に設置されています。
こちらのサイトがその一覧になります。

【参照】すまい給付金事務局:サポートセンターの一覧

2-2.すまい給付金の申請書類提出先

すまい給付金の申請書類の提出は、郵送での提出と申請窓口へ持参する2つの方法があります。

申請窓口の一部はサポートセンターが兼ねている所があるので、混乱しやすいのですが、サポートセンターと申請窓口は別であり、申請窓口は、申請書類を持参すると記入されている項目と添付書類が不足していないかなどの確認をした上で、申請書類を受け取ってくれる窓口となっていて、全国に設置されています。

【参照】すまい給付金事務局:すまい給付金申請窓口一覧

※申請書類の確認等には時間がかかるので、予め予約をしてから持参をすることをお勧めします。

また、サポートセンターのアドバイスを受けて申請書類の記載内容と添付書類に問題がないと判断出来る場合には、郵送による提出が便利です。

すまい給付金申請書類郵送先
〒115-8691
赤羽郵便局 私書箱38号 すまい給付金申請係      

【郵送する際の注意事項】
※郵送のみ受け付けています。宅急便等は使わないでください。
・申請書類は折り曲げ厳禁のため、レターパックでの郵送が便利です。
・送付する封筒には必ず差し出し人の住所・氏名を記入することとなっています。
・料金不足の場合には受領して貰えませんのでご注意ください。

3.すまい給付金の対象について

次に、受給できる対象者と対象となる住宅について分かり易く説明します。

繰り返しになりますが、受給対象者であるかどうかの判断基準は2つです。
一つは、「住宅所有権を持ちその住宅に住む人で一定の所得以下の人」で、もう一つは、「購入した住宅が一定の条件を満たしていること」です。
一つずつ説明をしていきます。

3-1.条件① 住宅所有権を持ちその住宅に住む人で一定の所得以下の人

条件①-1 購入した住宅の所有権を持つ人

住宅の購入手続きをすべて終えて引渡しが完了した後に、住宅の所有権登記手続きをしますので、その登記簿謄本に所有者として氏名が載っている人となります。

条件①-2 その住宅に住む人

その住宅に住む人とは、その住宅の住所に住民票がある人となります。

条件①-3 一定の所得以下の人

この条件が一番難しいので、分かり易く詳しく説明をします。

すまい給付金の受給条件である『一定の所得以下の人かどうか』は、都道府県民税の所得割額を基準に判断します。この『都道府県民税の所得割額』というのは、多くの人にとって初めて聞く単語であり、ここで何を意味するのか理解しない(または理解できない)で止まってしまう人が多いはずです。

すまい給付金のサイトでは、簡易シミュレーションが出来るようになっていますが、普段から確定申告書を書いている人でないと、シミュレーションに必要な項目を正しく理解できなくて、入力金額が間違ってしまう人も少なくありません。

また、すまい給付金のサイトに、「収入額の目安」が書いてありますが、扶養家族の状況や社会保険料の支払額等は一人一人の状況が違うので、この収入額の目途は、かなり大まかな目安に過ぎません。

ここでは、自分が支払っている『都道府県民税の所得割額』がいくらなのか?を正確に把握できる方法を説明します。

3-2.都道府県民税の所得割額を正しく知る方法

都道府県民税とは、住民税の一部です。「住民税=市町村区民税+都道府県民税」となっていて、住民税は、神奈川県や愛知県では若干異なりますが、原則として所得額の10%となります。

そして、私たちは、市町村区役所から、または勤めている会社から毎年6月初旬ごろに「住民税課税決定通知書」という書類を貰っています。この「住民税課税決定通知書」を見れば、都道府県民税の所得割額が書いてありますので、直近で入手した通知書で、その金額を見るのが一番簡単で、一番正しいです。
(実際の受給申請の際には、購入した住宅の時期でいつの所得額が基準になるか決まっています。それに関してはシリーズ後半の記事の「その他の書類の留意事項」で説明をしますので、そちらを参考にしてください。)

では、それはどのようなもので、どこを見れば良いのでしょうか?
この書類は、住んでいる市町村区によって形式が違うのですが、記載されている内容は同じです。その標準フォーマットは総務庁のHPにありますので、そちらが分かり易いです。

住民税 所得割額

このフォーマットを見るとイメージが付き易いと思いますが、所得割額は、

収入-各種控除額=所得
所得×税率=所得割額

で計算されます。そして、住んでいる市町村区がどこかによって、この「税率」が異なり、また、人によって「各種控除額」も異なるので、すまい給付金サイトで用意されているシミュレーションは、あくまでも目安ですと注記されているのです。

けれども、目安のままでは受給対象になるかどうか、またその受給額が正確に分かりません。ですから、一番確実なのは、この「住民税課税通知書」で確認をすることです。
もし、毎年貰っているはずのこの通知書を捨ててしまった場合には、市役所に行って、所得証明書を発行して貰えば、同じように把握することが出来ます。

なお、この所得割額と住宅購入の際に支払った消費税の税率が分かれば、すまい給付金の受給額が分かります。その金額はこちらのサイトで確認してください。

【参照】すまい給付金事務局:給付基礎額 確認表

3-3.条件②すまい給付金の対象となる住宅の条件について

次に、購入した(または購入する予定の)住宅が、すまい給付金の対象となるかどうかの確認をします。その条件は一覧になっています。

すまい給付金

条件のポイント

大前提となるポイントは、すまい給付金は、不動産業者から購入する住宅が対象であるということです。従って、不動産会社が仲介をするだけの個人間売買される住宅は対象外となります。

次のポイントは、住宅ローン減税よりも制約条件が厳しいという点です。

上の表を使って説明をしますが、まず、オレンジ色で囲ってある条件が住宅ローン減税の条件となります。
これに加えて、青色で囲った部分が、住宅ローンを利用して購入した場合の条件になります。これは売買される住宅が一定以上の良質な住宅であることが条件であることを示しています。
そして、最後に赤色で囲った部分が、現金で住宅を購入した場合の条件となります。現金で購入しても対象になるのは、50歳以上であり、かつ新築住宅の場合はより優良な住宅でないと対象になりません。

不動産会社に確認するのがベスト

さて、自分が購入した住宅または購入しようとする住宅が、すまい給付金の対象になるかどうかについては、この大枠の条件だけ頭に入れて、購入する時に不動産会社で担当をしてくれる営業の方に、「この住宅はすまい給付金の対象ですか?」と聞いてください。

不動産会社の担当者は、住宅購入希望者に関して、ローンを組む場合はその収入額を事前に確認します。従って、ざっくりとですが、すまい給付金の対象者かどうかは判断しています。ですから、購入の意思が固まった段階で、その住宅がすまい給付金の対象になるかどうか聞けば、正しい回答が返ってくるはずだからです。

特に中古住宅については、業者から購入する物件しか対象にならないことから、中古マンション等をリノベーションして売却することに積極的な事業者は、このすまい給付金の給付対象となるように、必要な瑕疵保険等への加入を売りにしているところがあります。
(大京穴吹不動産、スターマイカホールディングス、LAホールディングスなど)

業者が売却する中古リノベーションマンションは、内覧するだけでは、すまい給付金の対象になるかどうかは判断が付きませんので、不動産会社に確認をすることが必要です。

なお、不動産会社によると、多くの人が面倒な手続きのため億劫になり、申請期限ぎりぎりになってから不動産会社に問い合わせしてくる人が多いそうです。けれども、すまい給付金の申請に必要な書類の中には、物件引渡しの日までに準備してもらう書類もありますので、不動産会社への問い合わせは、購入を決める際にするようにしてください。
(この書類がどのようなものなのかは後半の記事「添付書類の準備の仕方について」で詳しく説明をしていますので、そちらの記事を参照してください)

4.すまい給付金の対象者だったら、申請書類を入手しましょう!

2つの条件を満たして、すまい給付金を貰えることが分かったら、まずは申請書類をダウンロードしてください。申請書類のダウンロードはこちらになります。

【参照】すまい給付金事務局:申請書類のダウンロード
http://sumai-kyufu.jp/download/

手元に申請書類が用意出来たら、後半の記事「よくわかる、すまい給付金②申請方法と必要書類を徹底解説」では申請手続きについて、徹底的に解説します。

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