結婚したらマイナンバーの氏名変更も必要!旧姓併記も可能

結婚

結婚をすると婚姻届、転出・転入届などを提出し、姓が変わる人は、運転免許証や銀行口座などの氏名変更を行います。

ところで、マイナンバーカードの氏名変更手続きも必要なことをご存知でしたでしょうか?
また、旧姓を併記することもできます。

マイナンバーの氏名変更手続きや旧姓併記の方法について解説します。

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1.マイナンバーとは?

マイナンバー制度は「マイナンバー法」によって制定されたもので、日本に住民票を持つ人(外国人を含む)全てに12桁の個人番号(マイナンバー)を付与します

番号自体は原則として生涯に渡って同じ番号を使い続けるため、結婚を機に氏名が変わっても番号の変更はありません

(1)通知カード

マイナンバー制度は、まず、2015年10月に「通知カード」が配布されることで開始されました。

通知カード(新宿区HPより画像引用)

通知カードを役所に提出し、所定の手続きを行うことでマイナンバーカードが交付されます。

まだ、マイナンバーカードを持っていないという人は、通知カードだけが手元にあるはずです。

ただし、2020年5月25日以降、通知カードは廃止されたため、通知カードの氏名変更はできなくなりました

婚姻届を出して氏名が変わると、通知カードを利用できなくなるので注意してください。

(2)マイナンバーカード

配布された通知カードを役所に提出すると交付されるのが「マイナンバーカード」です。

マイナンバーカードには下記の情報が記載されています。

  • マイナンバー(個人番号12桁)
  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 性別
  • 顔写真

カード自体にICチップが搭載されており、これを用いてさまざまな行政手続きが可能になります。

結婚をして名前が変わった場合に、マイナンバーカードを所有している人は名前変更の手続きが必要となります。

(3)婚姻届にマイナンバーは不要

婚姻届の提出自体にマイナンバーは不要です。

婚姻届を提出時の必要書類は「写真付きの本人確認書類」や「戸籍謄本」ですので、運転免許証やパスポートがあれば届出ができます。

マイナンバーカードも本人確認書類として利用できますが、「マイナンバー(個人番号)」自体が必要というわけではありません。

2.マイナンバーカードの氏名変更の手続き

それでは、結婚・入籍などを機に名前を変更された方に向けて、マイナンバーカードの氏名変更手続きの具体的な方法を解説します。

どんな場所で、いつまでに、何を用意して、どのような手続きを行うのか1つ1つ確認してください。

(1)場所・期限

まず、氏名変更手続きを行う場所は「市区町村の役所」になります。お住いの自治体の市役所の窓口に行ってください。

また、引越しなどで住所が変わる場合には、転入先の役所で住所変更と並行して氏名変更手続きを行います。

期限は「婚姻届の提出から14日以内」と定められていますが、期限を過ぎても通常通り手続きは行えます。
特に罰則はありません。

追記欄に追記

マイナンバーカードの氏名欄には旧氏名が記載されたままで、追記欄に、新氏名が印字または手書きされます。

マイナンバーカード 追記

追記欄に余白がない場合には、マイナンバーカードの再発行申請が必要となります。

(2)手続きに必要なもの

氏名変更手続きに用意するもの・必要書類は下記の通りです。

暗証番号を忘れてしまったら、窓口で、暗証番号を再度設定します。

本人確認書類については下記のうち1点が必要です(市区町村によって異なる場合があります)。

  • 個人番号カード(マイナンバーカード)
  • 住民基本台帳カード(要写真付き)
  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書(交付年月日が平成24年4月1日以降のものに限る)
  • パスポート
  • 障害者手帳
  • 在留カード

上記の書類が用意できない場合は、「氏名・生年月日」または「氏名・住所」が記載された健康保険証、介護保険証、年金手帳、社員証、学生証、在学証明書、医療受給者証などのうち2点を用意してください。

本人ではなく、代理人が申請する場合は、次の書類も必要です。

  • 委任状(氏名変更する本人の自筆)
  • 氏名変更する本人の本人確認書類

(3)電子証明書の再発行

マイナンバーカードの氏名変更手続きを行うと既存の電子証明書は失効します。

電子証明書の再発行が必要な場合は、市区町村の役所窓口にて、氏名変更と合わせて、電子証明書の再発行の手続きを行います。

再発行には「6〜16桁のパスワードの再設定」が必要となります。

3.マイナンバーカードの旧姓併記の手続き

マイナンバーカードでは、変更後の姓と旧姓を併記できるようになっています。

2019年11月5日から住民票やマイナンバーカードなどで、従来使用してきた旧姓(旧氏)も併記できるようになりました。

(1)旧姓併記について

まず、マイナンバーカードをすでに持っているかどうかによって手続きが異なります。

例えば、これから新規でマイナンバーカードを発行する場合には、氏名欄に旧姓が併記されたカードが交付されるため別途手続きなどは必要ありません。

既にマイナンバーカードを所有している方の場合は追記欄(カード表面、顔写真の右側の空欄)に旧姓が追記されます。
追記欄に余白がない場合には、カードの再交付申請が必要となります。

マイナンバーカード 追記

氏名変更を何度もされている方の場合、過去の氏から1つだけを選んで併記できます。

(2)手続きに必要なもの

マイナンバーカードの旧姓併記手続きには下記のものが必要です。

  • マイナンバーカード
  • 数字4桁の暗証番号(住民基本台帳暗証番号※)
  • 窓口に来る方の本人確認書類
  • 旧氏が記載された戸籍謄本等

暗証番号を忘れてしまったら、窓口で、暗証番号を再度設定します。

本人確認書類には下記のものが利用可能です

  • 個人番号カード(マイナンバーカード)
  • 住民基本台帳カード(要写真付き)
  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のものに限る)
  • パスポート
  • 障害者手帳
  • 在留カード

上記の書類がない場合には、健康保険証、年金手帳、学生証など「氏名・生年月日」「氏名・住所」が記載の書類を2点用意してください。

本人ではなく、代理人が申請する場合は、次の書類も必要です。

  • 委任状
  • 氏名変更する本人の確認書類

(3)戸籍謄本の入手方法

戸籍謄本については、併記する旧姓が記載されているものと現在の姓が記載されている戸籍に至るまで全ての戸籍謄本(戸籍全部事項証明)、除籍謄本(除籍全部事項証明)などが必要です。

除籍謄本
除籍謄本とは、簡単にいうと、戸籍謄本に記載されていた人がすべて抜けて、誰もいなくなり、閉鎖された戸籍謄本のことです。
たとえば、2人が結婚すると、新たな戸籍謄本が作られますが、離婚して、どちらも、元の親の戸籍に戻ったとすると、2人が結婚したときに作られた戸籍謄本は閉鎖され、除籍謄本となります。

これらの戸籍謄本は下記の方法で入手できます。

  • 本籍地の市区町村の窓口
  • 郵送
  • コンビニで発行(除籍謄本は不可)

コンビニ交付は対応している市区町村のみで手続きができるので、自治体の情報を確認してください。

(4)旧姓の削除、再記載

旧姓併記と同様に、旧姓の削除や再記載といった手続きも可能です。

ただし、住民票に旧姓が併記されている場合は、マイナンバーカードにも必ず旧姓が併記されるので削除はできません。

また、旧姓を削除した際には、その後の氏名変更のときに限って、削除後に新たに生じた旧姓から1つを併記できます。

4.結婚後、マイナンバーカードの氏名変更をしないとどうなる?

結婚などで氏名を変更した場合、マイナンバーカードの氏名変更手続きが絶対に必要というわけではありません。

特に罰則規定なども設けられていないのですが、現在の氏名とマイナンバーカードに記載された氏名が異なるため身分証明書としては利用できなくなります

今後、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになるなど、便利な機能が増えていきますので、名前変更手続きをして、カードが機能するようにしておきましょう。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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