新型コロナウイルスで奨学金を返済できない、どうすればいい?

奨学金 返済

新型コロナウイルスの影響で、収入が減少し、日々の生活だけで精一杯という方も増えているかと思います。

そんな中でも奨学金の返済日は淡々と近づいてきます。

そこで頭を抱えてしまっている方、奨学金の返済が苦しい方に向け、奨学金にはどんな救済策があるのかを紹介していきます。

1.奨学金に救済策はあるのか

現在、政府から様々な対応策が検討され、各団体からは支援策が打ち出されています。

そこで、大学、大学院時代にお世話になった人も多いであろう「奨学金」の返済が難しい場合、支援策はあるのでしょうか。

結論としては、日本学生支援機構奨学金からは新型コロナウイルス独自の支援策は発表されていません。

では返済が難しいという人でも、今まで通り返済を続けなければならないのかというと、そうでもありません。

今回の新型コロナウイルスでの支援策はありませんが、日本学生支援機構奨学金では元々収入が低い方向けに、月々の返済額を減額する「減額返還」や一定期間支払いを待ってくれる「返済期限猶予」といった救済策を用意しています。

今回はその救済策について解説していきます。

なお、奨学金の返済を滞納していると、催促・取り立てが行われたり、連帯保証人に請求がいったりします。最悪の場合、訴訟や強制執行もありえます。その詳細については、下記の関連サイトで解説しています。

関連サイト

返済できないからといって放置せず、救済策を申請することが大切です。

2.減額返還制度

ここからは、上記で紹介した日本学生支援機構奨学金が用意している返済の際の支援策うち、「減額返還制度」とはどのような制度なのか、対象者や手続き方法について解説していきます。

※正式名称は「返還」ですが、わかりやすいよう「返済」と記載する場合があります。

減額返還とは

減額返還制度とは、文字通り、毎月の返済額を当初の返済額から減額し、返還することです。

減額返還制度は、災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な方の中で、当初約束した割賦金を減額すれば返済可能な方が対象です。

減額返還制度では一定期間、当初約束した返還月額を減額して、減額返還適用期間に応じた分の返還期間を延長します。

当初決められた、毎月の返済額から減額するため、無理なく返還を続けることができます。

なお、1回の願出(ねがいいず、ねがいで)につき適用期間は12か月で最長15年(180か月)まで延長可能です。

願出は一年ごとのため、次の年も減額返還制度を利用したいと考える場合は、再度願出が必要です。

対象者

対象者は以下の通りです。

経済的事由の場合は、目安として所得証明書等の年間収入金額325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額225万円以下)です。なお、本人の被扶養者について1人につき38万円を収入・所得金額から控除することができます。
つまり、世帯が一人の場合、給与所得のみであれば325万円以下、給与所得以外の所得がある方は225万以下です。
 
世帯が自分だけではなく、自分以外にも養っている人がいる場合、自分の所得から一人当たり38万円を減額することができます。
 
その他にも
  • 願出及び審査の時点で延滞していない※1
  • 口座振替(リレー口座)加入者である※2

といった適用条件があります。そのため自分が各種条件を満たしているのかを確認しましょう。

※1もし延滞してしまっている場合は、延滞を解消することによって申し込みが可能となります
※2リレー口座の手続きが済んでいない方はこちらからお手続きください

必要書類

手続きに必要な書類は以下の通りです。

なお、必要書類に関しては個人の経済状況や置かれている状況によって異なるため、全て紹介することができませんが、それぞれリンクを挿入しましたので、自分に必要な書類を揃えましょう。

提出

その後、作成した書類を以下の住所に送付すれば手続きは完了です。

〒119-0385
独立行政法人日本学生支援機構 猶予減額受付窓口

注意点

注意点として以下の方は減額返還制度を利用することができません。

平成29年度以降採用の第一種奨学金「所得連動返還方式」選択者
上記の場合、奨学金の返済額が収入によって決定するため、減額返済を利用できないようです。

3.返済期限猶予

次に先ほどと同様に「返済期限猶予」について解説していきます。

返済期限猶予制度は「一般猶予」と「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」の二種類に分類されます。

※正式名称は「返還」ですが、わかりやすいよう「返済」と記載する場合があります。

3-1.一般猶予

まずは大半の人が該当するであろう、「一般猶予」について解説していきます。

一般猶予とは

一般猶予とは、災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合に、現在返還が困難であるため、一定期間返還期限の猶予を申し出ることにより、返済を持ってもらえる制度です。

所定の書類を提出し、審査により承認された期間について、返還の猶予ができます。

こちらは先ほど紹介した「減額返還」とは異なり、承認された場合、期間中奨学金を返済する必要はなくなります。

適用期間後に返還が再開され、それに応じて返還終了年月も延期されます。 ただし承認されない場合もあるため、その場合は返還を継続する必要があります。

また、こちらは減額返還制度とは異なり、延滞している方でも申請することができます。

期間は、一度の申請で1年の猶予が認められており、その後最大で10年まで返済の猶予が可能です。

なお、災害、傷病、生活保護受給中、産前・産後休業および育児休業、一部の大学校在学、海外派遣の場合は10年の制限はありません。

対象者

一般猶予に関しては、対象者が多岐にわたるため、こちらではすべてを紹介することができません。

そのため、自分が対象となるのかを調べてみるとよいでしょう。

例として経済的に困難な場合、給与所得が年間300万円以下、給与所得以外の所得がある場合、必要経費控除後の年収が200万円以下といった条件があります。

その他にも対象となる条件は多数ありますので、ご確認ください。

参考:【日本学生支援機構】一般猶予

必要書類

手続きに必要な書類は以下の通りです。

※一般猶予に該当する申請理由に関しては多岐にわたるため、自分がどういった理由で返済が難しいのか、調べてから書類を作成しましょう。

提出

最後に減額返還制度と同じように、作成した書類を以下の住所に送付すれば手続きは完了です。

〒119-0385
独立行政法人日本学生支援機構 猶予減額受付窓口

3-2.猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予

こちらはすでに対象となる人が決まっているため、簡単に説明します。

猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予とは

猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」とは、猶予年限特例(平成29年度以降採用者)又は所得連動返還型無利子貸与奨学金(平成24~28年度採用者)を貸与終了後、一定の収入・所得を得るまでの間、願い出によって、一定期間返還期限を先延ばしする制度です。
参考:【日本学生支援機構】猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予
簡単に言うと、日本学生支援機構にて第一種奨学金を貸与した方の中でも、さらに家計が厳しい方が奨学金を借りた時、将来の返済を考え、進学を断念することがないように、一定の収入を得られるようになるまでは無期限で返済期限を延長してもらえる制度になります。
 
詳細を確認したい方はこちらをご覧ください。
 
参考:【日本学生支援機構】猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金

自分が対象かどうか確認するには

では自分が上記で説明した条件の対象となっているかどうかを確認するためにはどうしたらよいのでしょうか。

確認する方法としては、二つあります。

一つ目は、貸与を開始する際に配布された、奨学生証の右上に〔猶予年限特例〕又は〔所得連動返還型無利子奨学金〕という文言があるか確認する方法です。

二つ目は、貸与が終了する際に配布された貸与奨学金返還確認票の右上に〔猶予年限特例〕又は〔所得連動返還型無利子奨学金〕と印字されているかどうかを確認する方法です。

対象者

次の条件をともに満たす人が対象となります。

  • 平成24年4月以降の第一種奨学金採用者(大学院を除く)である。
  • 家計支持者の所得金額(父母共働きの場合は父母の合算額)が次の金額となる。
    ①給与所得のみの世帯・・・年間収入金額(税込)が300万円以下
    ②給与所得以外の世帯・・・年間収入金額(税込)から必要経費(控除分)を差し引いた金額が200万円以下

4.その他の個別奨学金は?

最後に、「日本学生支援機構」以外の奨学金に返済の支援策は発表されているのでしょうか。

貸与型の奨学金には、大きく分けて「大学独自のもの」、「民間団体のもの」、「各自治体もの」の三種類があります。

しかし、現在いくつかのホームページを閲覧したところ、返済に対して何か支援をしているといった情報は見受けられませんでした。

そのため、どうしても返済が難しいといった場合は、自分が返済している奨学金に問い合わせてみるとよいでしょう。

5.まとめ

奨学金の返済は毎月定額でかかってくるため、今の状況では返済が難しくなるかと思います。

しかし、奨学金は次の世代の原資になっています。

また、奨学金を延滞することにより、信用情報にも傷がつき、クレジットカードやローンを組む際にも影響してしまいます。

今はいつも通りの返済が難しい場合でも、各種支援策を利用し、延滞はしないようにしましょう。

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