ヤマト運輸のキャッシュレス決済運賃、大解剖
2019年10月1日、消費税が10%に引き上げられましたが、「ヤマト運輸」では、新たに「キャッシュレス決済運賃」が導入されました。
宅急便などの費用をキャッシュレスで支払うと、少しだけお得になります。
目次
1.ヤマト運輸の各種料金
2019年9月4日にヤマト運輸では公式リリースとして、消費税率引き上げに伴う運賃・料金などの改定について発表しました。
【外部サイト】ヤマト運輸:「消費税率引き上げに伴う運賃・料金等の改定について
~「キャッシュレス決済運賃」の新設と「デジタル割」割引額拡大などサービス拡充~」
ここには料金改定によって、各種サービスに必要な金額がどのように変化するかが細かく記載されています。
まずはこのヤマト運輸が行なった料金改定について詳しく理解していきます。
(1)宅配便、宅配便コンパクト
「宅配便、宅配便コンパクト」の料金については、現行の基本料金に対して消費税率が10%加えられることになりました。
しかし、決済方法に応じて消費税の追加額に違いが生じます。
こちらのサービスでは「現金決済」と「キャッシュレス決済」の2つに対応しており、消費税率の追加分に関しては以下のような仕組みとなりました。
現金決済
現金決済の場合、現行の基本運賃に消費税率を10%追加後、1円単位を切り上げた10円単位で算出します。
例えば、現行の基本運賃が「550円」とすると
消費税10%を加えて、【基本運賃】550円+【消費税10%】55円=【改定後運賃】605円となります。そのうえ、1円単位が切り上げられるため「605円→610円」となります。
キャッシュレス決済
キャッシュレス決済では現行の基本運賃に消費税率を10%追加、1年単位で算出します。1円単位で料金が定められるので運賃は【基本運賃】550円+【消費税10%】55円=【改定後運賃】605円になります。
つまり、料金改定後はキャッシュレス決済を使った方がお得になるということです。宅配便などを頻繁に利用する人にとっては、これだけでもそれなりの差が生じるでしょう。
(2)宅配便オプション料金・宅配便以外の商品
ヤマト運輸が実施している宅配便に対するオプションサービスには「クール宅急便」や「宅急便タイムサービス」「空港手数料」などがありますが、これらのオプション料金については、現行の基本運賃に消費税10%を加えた1円単位で設定されています。
宅配便以外の商品についても同様です。
(3)包装資材
包装資材については現行の料金に消費税率を10%を加えて、10円単位で設定されます。
これについては原材料費などの高騰もあり、一部の包装資材の料金が改定される予定にもなっています。
2.キャッシュレス決済運賃の使い方
ここまでの内容で明らかなのは、「キャッシュレス決済でヤマト運輸を利用するとお得になる」ということです。
その他の料金改定についてはどうしようもありませんが、宅配便に関してはキャッシュレス決済を使うことで少しだけ運賃を安く抑えることができます。
しかし、人によってはキャッシュレス決済の使い方がわからない人も多いでしょう。ヤマト運輸がどのキャッシュレス決済に対応しているかも調べなければなりません。
ここでは、ヤマト運輸でキャッシュレス決済を利用する方法を詳しくまとめます。
(1)直営店持ち込み、ドライバー集荷
ヤマト運輸の直営店に宅配物を持ち込んで運賃を支払う場合には、
- クロネコメンバー割
- 電子マネー
- スマホ決済
のいずれかを利用して支払うと、キャッシュレス決済運賃が適用されます。
「クロネコメンバー割」はヤマト運輸の宅配便送料の支払いに使える独自のプリペイド型電子マネーです。
電子マネーについては以下のものに対応しています。
- nanaco
- 楽天Edy
- WAON
- 交通系ICカード(Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけん)
ドライバーに家まで来てもらい宅配物を集荷するサービスを利用する際にも、同様に上記のキャッシュレス手段を利用できます。
ただし、これらは、発払いのみで利用できますので、着払いではキャッシュレス決済運賃が適用されません。
PayPay、LINE PayなどのQRコードは?
残念ながら、ヤマト運輸の運賃の支払いに、PayPay、LINE PayなどのQRコード決済を利用することはできません。
今の所、対応予定もないようです。
ただし、コンビニであればQRコード決済を利用できます。
(2)宅配便は、スマホで送れる!
ヤマト運輸で9月3日からスタートした「宅配便は、スマホで送れる!」サービス。
概要を説明すると、従来の送り状などを手書きで記載していた部分をスマホ入力で行えるようになり、そのままコンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート)や直営店から発送できるという内容になっています。
これまで手書きで行なっていた面倒な手続きを全てスマホ上で行えるようになった便利なサービスで、LINEを使った住所入力などにも対応します。
こちらのサービスについては支払いもスマホで行えるようになっています。
対応している支払い方法は:
【オンライン決済】
- Apple Pay
- クロネコペイ(クレジットカード)
- キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済、auWALLET)
【店頭決済】
- クロネコメンバー割
- 電子マネー(nanaco、WAON、楽天Edy、交通系ICカード)
これまで以上に便利でスマートに宅配便が送れる上に、数多くのキャッシュレス決済に対応しています。
(3)取扱店、コンビニではNG
ここまでに、ご紹介したキャッシュレス決済運賃は、取扱店、コンビニでは適用されません。
「取扱店」とは、直営店以外で、ヤマト運輸の宅急便サービスを扱っている店舗のことです。街の衣料品店やお米屋さんなどで、たまに扱っていたりします。
キャッシュレス決済運賃は適用されないものの、コンビニであれば、QRコード、電子マネーなどのキャッシュレス自体は利用できますので、便利でしょう。
3.割引サービスが増える!
消費税の引き上げに伴い全体的に料金が値上げされたヤマト運輸の料金改定。
かろうじてキャッシュレス決済を使うことで安く抑えることはできますが、それでも値上げしていることには変わりありません。
しかし、ヤマト運輸では、これらの料金値上げと同時に「割引サービスの拡充」も実施します。
お得な割引を使いこなせば増税分をカバーすることもできるでしょう。
(1)「デジタル割」割引額が大きくなる!
アプリやLINEを使って送り状を作成し、ヤマト運輸直営店にある店頭端末「ネコピット」で発行するという仕組みのサービス。
この「デジタル送り状」を利用したり、「宅配便は、スマホで送れる!」を利用した場合
に適用される「デジタル割」の割引額が「50円」から「60円」に変更されます。
【参考外部サイト】「らくらく送り状発行サービス」
(2)クロネコメンバー割の1回あたりのチャージ下限金額を改定
先ほども少し触れましたが、ヤマト運輸での宅急便送料の支払いに利用できる独自のプリペイド型電子マネー「クロネコメンバー割」。プリペイド型ということで現金チャージして使うタイプなのですが、その1回当たりのチャージ下限金額が「5,000円」から「3,000円」に変更されます。より気軽にキャッシュレス決済が利用できるようになります。
クロネコメンバー割では、そもそも利用するだけで宅配便の運賃が「10%OFF」になります。(クロネコメンバー割BIGでは15%OFF)。
これを機にお得なクロネコメンバー割を使ってみてください。
【参考外部サイト】「クロネコメンバー割」
(3)「宅急便センター受け取りサービス」割引額の拡大
日本全国約4,000箇所にある宅配便センターを利用した「宅配便センター受け取りサービス」。荷物を指定の宅配便センターに送り、そこで受け取るというサービスですが、こちらを利用した際に適用される割引の金額が「54円」から「60円」に変更されます。
【参考外部サイト】「宅急便センター受け取りサービス」
まとめ
消費税増税に伴い、ヤマト運輸の料金が改定されました。
下記の方法で支払うと、キャッシュレス決済運賃が適用され、現金で支払うより少しだけ運賃が安くなります。
- 直営店持ち込み、ドライバー集荷:クロネコメンバー割、電子マネー
- オンライン決済:Apple Pay、クロネコペイ(クレジットカード払い)、キャリア決済(auかんたん決済、ドコモ払い)