賞与手取り額計算ツール
※社会保険料率、雇用保険料率を令和6年3月1日~の値に変更いたしました。 ※社会保険、雇用保険に加入していないケース…[続きを読む]
この記事では、ボーナスの額面が35万円の場合に、手取りがいくらになるのか、税金や社会保険料の計算方法から分かりやすく解説します。
目次
ボーナスの手取り額は、次の3つの条件によって変動します。
「ボーナス支給月前月の給与」については健康保険料などを引く前の金額で、定期代などの交通費は含みません。
こうした条件によって、ボーナス35万円の手取り額がどのようにかわってくるのか、以下の表をご覧ください。
※2024年6月時点の最新の税率・保険料率で計算しています。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
15万円 | 286190円 | 292283円 | 298375円 | 298375円 |
20万円 | 286190円 | 292283円 | 292283円 | 292283円 |
30万円 | 280097円 | 286190円 | 292283円 | 292283円 |
40万円 | 267911円 | 274004円 | 280097円 | 286190円 |
50万円 | 249633円 | 255726円 | 261819円 | 267911円 |
さきほどご覧いただいた39歳以下の表より全体的に手取りの金額が下がっているのは、40歳以上になると「介護保険料」も天引きされるようになるためです。
前月給与 | 扶養親族0人 | 扶養親族1人 | 扶養親族2人 | 扶養親族3人 |
---|---|---|---|---|
15万円 | 283135円 | 289163円 | 295190円 | 295190円 |
20万円 | 283135円 | 289163円 | 289163円 | 295190円 |
30万円 | 277107円 | 283135円 | 289163円 | 289163円 |
40万円 | 265052円 | 277107円 | 277107円 | 283135円 |
50万円 | 252996円 | 252996円 | 259024円 | 265052円 |
ご覧の通り、ボーナスの額面が35万の場合の手取りは、額面のだいたい70~85%程度になります。
それでは、ボーナスから天引きされる15~30%のお金は何に消えているのでしょうか。
次の章では、ボーナスから引かれる税金と社会保険料の計算方法を説明します。
ボーナス・賞与の手取り額は、税金と社会保険料を引いて計算します。
ボーナスから天引きされる社会保険料には次の4つがあります。
それぞれ金額を計算して最後に合計します。
健康保険料の金額は[ボーナスの金額] × [健康保険料率] ÷ 2で求めます。
今回のモデルケースでは次のように計算します。
介護保険料の金額は [ボーナスの金額] × [介護保険料率] ÷ 2で求めます。
協会けんぽの場合、保険料率は全国一律で1.6%です(2024年6月時点)。
厚生年金保険料の金額は[ボーナスの金額] × [厚生年金保険料率] ÷2で求めます。
2024年12月時点で、保険料率は18.3%です。
雇用保険料の金額は[ボーナスの金額] × [雇用保険料率]で求めます。
雇用保険料は業種によって保険料率が異なります。
「一般の事業」の場合、従業員分の雇用保険料率は0.6%です(2024年6月時点)。建設業、農林水産業、清酒製造業の場合は0.7%となります。
ここまでの計算をふまえると、今回のモデルケースでボーナスから天引きされる社会保険料は全部で54,810円ということになります。
ボーナスから引かれる税金(=所得税)の金額は、次の式で求めます。
源泉徴収税率は、扶養親族の人数と、前月の給与から社会保険料を控除した後の金額で決まります。
家族を養っている人、給与が低い人ほど税率は低くなり、逆の場合は税率が高くなる仕組みです。
税率は「賞与に関する源泉徴収税額の算出率の表」に一覧になっていますので、こちらを参照して確認します。
今回のモデルケースのように、毎月の給与が30万円の場合、社会保険料を控除すると約25万4千円となりますので、扶養家族は0人の列で、なおかつ、25万4千円が間に入る行を探し、左端にある税率を参照すると、税率は6.126%であることが分かります。
あとは、税金と社会保険料を引けば、手取り金額が出ます。
ここまでの計算結果を表にまとめると次のようになります。税金も勿論高額ですが、厚生年金保険料がより高額になっていることが分かります。
項目名 | 金額 |
---|---|
健康保険料 | 17,465円 |
介護保険料 | 2,800円 |
厚生年金保険料 | 32,025円 |
雇用保険料 | 2,100円 |
所得税 | 18,109円 |
手取り額 | 277,501円 |
なお、こちらの動画でも、ボーナスの手取り額の計算方法も説明しています。
賞与の手取り額を計算するツールもありますので、ご自由にご利用ください。
世間の人たちがどのくらいボーナスをもらっているのか、自分のボーナスが高いのか安いのかは気になるところですよね。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」では、ボーナスの1人当たりの平均支給額は、2023年夏が397,129円、2023年冬が395,647円という結果になりました。
これをふまえると、ボーナス35万円はほぼ平均的(やや低め)な金額だと言えます。
ただし、ボーナスの支給額は業種にかなり左右されます。下表をご覧ください。
例えば電気・ガス業、情報通信業のように、ボーナスの支給額が平均で70万をこえるような業種において、ボーナス35万はかなり低めだといえますし、逆に飲食業等でボーナス35万はかなり高額だといえます。
2023年夏季ボーナス | 2023年冬季ボーナス | |
---|---|---|
鉱業,採石業等 | 551,276円 | 581,210円 |
建設業 | 540,695円 | 499,260円 |
製造業 | 535,180円 | 523,946円 |
電気・ガス業 | 745,209円 | 803,194円 |
情報通信業 | 708,645円 | 713851円 |
運輸業,郵便業 | 387,908円 | 411,790円 |
卸売業,小売業 | 358,409円 | 367,165円 |
金融業,保険業 | 667,956円 | 645,024円 |
不動産・物品賃貸業 | 656,400円 | 548,808円 |
学術研究等 | 690,847円 | 630,490円 |
飲食サービス業等 | 59,978円 | 69,234円 |
生活関連サービス等 | 186,583円 | 170,269円 |
教育,学習支援業 | 522,001円 | 535,395円 |
医療,福祉 | 270,804円 | 290,826円 |
複合サービス事業 | 425,769円 | 459,608円 |
その他のサービス業 | 238,013円 | 239,074円 |
【出典】
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」
・厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等」