年末調整を間違えた時の訂正・修正の仕方を徹底解説
年末調整の書類を書き間違えた時、書類の提出後に内容の誤りに気付いた時、どうやって訂正・修正すればいいのか具体的お伝え…[続きを読む]
年末調整書類の記入は何かと用語がわかりにくかったり、書き方に迷う部分も多く、面倒な作業ですよね。この記事では年末調整書類の「配偶者の有無」欄について、基本の記入ルールと迷いやすいケースの対処方法をお伝えします。
目次
年末調整の際に会社に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には右上部分に「配偶者の有無」を記入する欄があります。
この欄の記入方法の基本ルールは次の2つです。
扶養しているかどうかや収入の有無に関係なく、民法上の配偶者がいれば「有」、いなければ「無」です。
夫、妻、どちらから見ても同じです。
それでは、以下のような場合にはどのように記入すべきでしょうか?
配偶者の有無については収入などに関係なく年末時点で今年の配偶者が居るかを記入するので、共働きでも「有」で問題ありません。
前述のように収入などに関係なく配偶者の有無を記入しますので、扶養を受けている方の年末調整であっても配偶者「有」と記入します。
年内に死別した場合は「無」と記入します。
ただし年内に死別した配偶者が控除の要件を満たしている場合は、配偶者控除(配偶者特別控除)の適用を受けることが出来ます。その際は中段の「源泉控除対象配偶者」欄に必要事項を記入します。
年内に離婚した場合は「無」と記入します。この場合は要件を満たしていても配偶者控除(配偶者特別控除)を受けることは出来ません。
事実婚の場合は「無」と記入します。
最近は事実婚でも、いろいろな場面で夫婦としてみなされるケースが増えていますが、税金上は事実婚は夫婦とみなしません。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」において配偶者に関する記入を間違えた場合どのような影響があるのでしょうか?
例えば配偶者控除の対象になる配偶者が居るにも関わらず、誤って「無」としてしまった場合、心配になるのは「配偶者控除を受けられなくなるかも?」というところだと思います。
こちらについては、会社側の実務を考えると実際にはそこまで心配はいらないものと考えられます。
というのも、会社に提出する年末調整の書類はそのまま税務署に送られるわけではなく、会社側で、従業員から提出された年末調整書類をもとにして控除の情報などを別途、書類にまとめて税務署に提出するのです。
配偶者控除についての申告内容は「扶養控除等(異動)申告書」の中段にある「源泉控除対象配偶者」の欄や「配偶者控除申告書」をもとに作成されるため、「配偶者の有無」の欄で「無」に〇をしてしまっていても「源泉控除対象配偶者」の欄や「配偶者控除申告書」に正確な情報を記載していれば控除の申告に影響が出る可能性は低いでしょう。
逆に、配偶者がいないのに「配偶者の有無」欄で「有」に〇をしたところで、「源泉控除対象配偶者」の欄や配偶者控除申告書に何も記入しなければ配偶者控除が適用されることはありません。
もっとも、だからといって「書き間違えたまま出しちゃったけど大丈夫だろう」と安心してしまうのはおすすめできません。年末調整の書き間違いに気づいたときは会社の担当者に確認のうえ、必要であれば修正を行うことをおすすめします。
書類を会社に提出する前に記入ミスに気がついた場合は二重線で訂正すればOKですが、書類提出後にミスに気付いた場合は人事部など担当者にその旨を連絡し訂正を行いましょう。
年末調整は翌年1月31日、または源泉徴収票の発行前であれば提出した会社内でのやり直しが出来ます。
翌年2月以降あるいは源泉徴収票の発行後は社内での修正が出来ませんので、控除を受けるためには確定申告を行う必要があります。
扶養控除等(異動)申告書の「配偶者の有無」欄で意図的に嘘をついても大きな影響が出ることは考えにくいですが、「配偶者控除申告書」で嘘をついてしまうと税金の金額に大きな差が出てしまうため、影響は大きいです。2024年は定額減税も関わってきます。
年末調整の申告内容は会社から所轄の税務署に提出され、事実確認が行われます。
例えば独身なのに配偶者がいると偽って配偶者控除を受けようとした場合は、所轄の税務署から会社に問い合わせが入り確認されるためすぐに発覚してしまうでしょう。
ご自身の信用にも影響を与えるため、年末調整は事実に基づいて申告するようにしましょう。