消費者金融とは? 初めて借りる前に知っておきたい賢い使い方

消費者金融

年度の変わり目で、何かとお金が出ていくことが多い季節になりました。最近では、花粉症でこの季節だけ薬代が嵩んで大変だという人も増えていますし、コロナ禍は家計のやり繰りにも影響を与えています。

貯金がない時、気になるのが消費者金融です。

かつては「サラ金」と呼ばれて、「一度借りてしまったら最後、借金まみれになるのでは?」と、漠然と怖い印象を持っている人が多いようです。けれども、最近は消費者金融を取り巻く規制も厳しくなり、正しく使えば決して怖いものではありません。

今回は、消費者金融が初めての人・不安な人に知って欲しい「賢い消費者金融の使い方」を分かり易く説明します。

1. そもそも消費者金融とは?

消費者金融と聞くと、多くの人が連想するのは「サラ金(サラリーマン金融の略)」ではないでしょうか? このように連想イメージが偏っている感がありますので、この記事では「消費者金融を正しく理解すること」から始めたいと思います。

1-1.消費者金融とはどんなローン?

消費者金融とは、『一般の消費者を対象にした消費資金のローン』で、以下の3つの特徴があります。

  • 住宅ローンや自動車ローンと違って借りたお金の使い道は自由
  • 借入限度額(与信)の範囲内であれば必要に応じて何度でも、繰り返し利用と返済が出来る(与信の範囲であれば、自由に何度でも好きな期間だけ借りることが出来る)
  • 担保が不要

一般的に、金融機関からお金を借りる時は、その使途(目的)を聞かれます。そして、担保が確保できるかどうか、返済期間はどれくらい必要なのか、借りる人の返済能力は借入額に相応しいかなどを審査します。

ですから、お金が必要になってすぐにお金を借りることは簡単なことではないのです。

しかしながら、一般的に私たちは1か月に1回お給料を貰い1か月に1回家賃を払って、残った給料の範囲内で生活をしていますので、予想外の出費が嵩むとその月の生活費が足りなくなることはよくあることです。

そして、その度、借入審査をしていては金融機関も効率が悪いので、「いつでも好きな時に好きな期間、この金額ならば貸しても良いですよ」と決められるのが与信と呼ばれているもので、その与信内の借入限度額であれば、気軽にお金を借りることが出来るので消費者金融と呼ばれているわけです。

与信はどうやって決まる?

この与信は、一般的に年収の額、勤続年数、勤務先や仕事の内容に応じて決まられます。ですから、毎月お給料が入ってくるサラリーマンは比較的与信を貰い易いので、「サラリーマン金融(サラ金)」と呼ばれるようになったようです。

特に問題がなければ、1年以上の勤続年数があり年相応の収入があれば、毎月の生活費程度の与信は貰えるはずです。必要になれば、すぐにお金を手にすることが出来るので、金欠の時には便利です。

1-2.消費者金融は「怖い」もの?

とても便利なはずの消費者金融ですが、直感的に「怖い!」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか?

それは、お金を借りることは、多かれ少なかれ悪いことであるという教育を日本人は受けているからです。これに対して、「お金を借りることが出来るのは信用があるということ」と前向きに捉える考え方をする文化を持つ国もあります。考え方の根幹が違うのです。

なお、消費者金融については金融庁が厳しい規制をしているので、決まったルールに基づいて運営されています。ですから、消費者金融は正しく利用すれば決して怖いものではありません。

1-3.消費者金融を正しく使うってどういうこと?

消費者金融は、借りる人が強い意志を持って、必要な金額を必要な期間だけ、返済できる範囲で借入をする限りは、便利なものです。

そして、このような使い方が、消費者金融の正しい使い方になります。

  • ①消費者金融では 利用目的は問われない
    ……けれど、利用するのは急な出費などの本当に必要なときだけ!
  • ② 消費者金融では返済は自由にできる
    ……けれど、計画的に返済する!
  • ③消費者金融なら 限度額の範囲であれば、何度でも借りることが可能
    ……けれど、予想できる出費については計画的に貯金を備えておいて、消費者金融をあてにしない!

正しい使い方の例

  • お友達の結婚式に2回参加したから足りない分だけ借りる!
  • 7月にはボーナスが貰えるから、貰ったら直ぐに返済する!
  • 秋に結婚するお友達のご祝儀は夏のボーナスを貯めておく!(もう借りない)

危ない使い方の例

  • 好きなファッションブランドの新作がたくさん出ていて選べないからお金を借りる
  • 返済を強制されないからといってだらだら借り続ける
  • 次の新作発表の時も消費者金融でお金を借りる

無計画な高額品の購入やギャンブルのために借りるわけではなく、自分できちんと計画を立てて利用する分には、消費者金融を過度に怖がる必要はありません。

2.消費者金融を借りる前に知るべき必須知識

ネットには、消費者金融からお金を借るためのノウハウが溢れていますが、この記事では、借りる前に、賢く利用するために理解しておくべき基本知識を説明したいと思います。

2-1.消費者金融の返済方法は?

消費者金融では、その時に借りている残高に応じて、毎月返済すべき返済額が決まります。これを「約定返済」といいます。

また、臨時収入などでお金に余裕がある時などは約定返済に加え、いつでも好きな時に追加で返済をすることが可能です。これを「随時返済」といいます。

ローンを利用する前に約定返済の金額を必ずチェックしよう

約定返済額の算出方法には複数の異なる計算方法があり、事業者によってその計算方法が違いますので毎月の返済金額も違います。まず借りる前に、いくら借りたら毎月いくら返済しなければならないのかを、その事業者のHPで必ず確認をすることが必要です。もし見つからなければ電話で聞けば教えてくれます。

この返済額が無理だと思ったら、消費者金融からお金を借りることはやめましょう。なぜならば、もし期日に返済が出来ない場合には延滞利息を支払う必要があり返済額が増えてしまうからです。

そして、約定返済の時には、借入残高に応じた支払利息を支払った残りの金額しか借入元本が減らない仕組みになっていることを覚えておいてください。

まめに随時返済をして借入元本を早く減らそう

賢く消費者金融を利用するためには、借入元本を早く減らすことが必要です。

そのためには、お金に余裕があると感じた時に、まめに随時返済をすることです。随時返済は、最低額(多くはATM機能の関係で1,000円)を定めている事業者もありますが、基本的に自由な金額を返済することが出来ます。

約定返済額以外の返済は、優先的に元本返済に充当されるので、随時返済を利用することが賢い使い方となります。(ただし遅延補償金などがある場合にはそちらに充当されることになりますので注意が必要です)

また、随時返済で完済したい場合には、その段階での利息額を計算してくれるので、問い合わせをして確認した利息額を加えた総額を支払うことで完済することが出来ます。

なお、事業者は随時返済を勧めてくれることはないことも覚えておきましょう。

2-2.支払利息の金利はどのくらい?

消費者金融は、借りる金額が多ければ多いほど支払利息の利率は下がります。一般的に、初めて消費者金融で借りる人は、借入額が2万円から5万円程度であることが圧倒的に多いのですが、その場合にはその事業者が定める利率の中で一番高い利率になるのが普通です。

そして、完済をすると借入限度額(与信)は上がり、借入額が多くなると基本的に利率は下がります。

消費者金融の広告で見かけることが多いと思いますが、『金利3%~18%』と利率に幅があるのを見ると、「きちんと返済したら、次は金利が下がるのかな?」と期待する人も多いと思います。残念ながらそれは違うのです。借入金の総額が増えるほど金利が下げるのであり、返済をきちんとして優遇されるのは、金利ではなく借入限度額(与信)なのです。

つまり、たくさん借りれば金利が下がるだけなのです。

この時に気を付けないといけないのは、借入限度額が上がったことで、ついつい必要ではないお金を借りてしまうことです。その時に金利が下がるということで気を良くしてしまう人が多いのが、残念な実態なのです。これは賢い使い方ではありません。

2-3.クレジットスコアリングとは?

「Lineポケットマネー」や「J-Score」など、個人情報に基づき金利を決定する新しいクレジットスコアリングを採用する事業者も出てきています。それぞれの事業者のHPを見ればわかりますが、ユーザーにライフスタイルや職業、英語スキル、健康状態など多岐に渡る質問をして、その結果を基に金利を決めるものです。

基本的に、質問に答えればスコアは上がりますので、少し面倒ですが消費者金融事業者の金利よりも低い金利でお金を借りることが出来るケースが多いようです。

向き不向きがあるので、時間がある時に一度チェックをしておくと良いかもしれません。

3.消費者金融の「賢い借り方」は「賢い返済」のこと

賢い借り方とは、言い換えれば賢い返済の仕方です。

消費者金融に関する情報サイトなどでは、「いかに借りやすいか?」を比較しているものが多いですが、お金を借りる切実さが深刻であれば、借り易さはシンプルに早く借りることしかありません。その時は、早く借りることに目が眩んでしまうと思いますが、借りたものは返済する必要があり、その返済が早く進めば返済額も少なくなる訳で、それが賢い借り方になります。

このことを具体的な数字を使って説明をしたいと思います。

3-1.6万円を借りた時の返済金額シミュレーション

お友達の結婚式が重なりご祝儀のため金欠になってしまい、6万円を借りたケースの返済額を見てみましょう。金利は18%としています(このケースは簡易的な利息計算を使っていて、すべて月末に返済をしていると仮定しています。実際の利息は日割計算となることに注意してください)。

① 6万円を借りて約定返済額3,000円だけで返済をするケース

毎月3,000円だけきちんと返済をしていれば、催促をされることもないので一番楽な方法です。この場合には、24か月目に返済が終わり、支払利息総額は11,827円、支払総額は71,827円となります。

返済1~6ヶ月までの借入残高
1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月
約定返済額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
利息分 900 869 837 804 771 738
元本返済分 2,100 2,132 2,163 2,196 2,229 2,262
借入残高 57,900 55,769 53,605 51,409 49,180 46,918
返済7~12ヶ月までの借入残高
7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月 11ヶ月 12ヶ月
約定返済額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
利息分 704 669 634 599 563 526
元本返済分 2,296 2,331 2,366 2,401 2,437 2,474
借入残高 44,622 42,291 39,925 37,524 35,087 32,613
返済13~18ヶ月までの借入残高
13ヶ月 14ヶ月 15ヶ月 16ヶ月 17ヶ月 18ヶ月
約定返済額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
利息分 489 452 413 375 335 295
元本返済分 2,511 2,548 2,587 2,625 2,665 2,705
借入残高 30,103 27,554 24,968 22,342 19,677 16,972
返済19~24ヶ月までの借入残高
19ヶ月 20ヶ月 21ヶ月 22ヶ月 23ヶ月 24ヶ月
約定返済額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
利息分 255 213 172 129 86 -
元本返済分 2,745 2,787 2,828 2,871 2,914 2827
借入残高 14,227 11,440 8,612 5,741 2,827 0

② 6万円を借りて、約定返済3,000円に加えて毎月5,000円ずつ随時返済もするケース

ケース①と同じで約定返済は3,000円ですが、毎月1回飲み会を我慢して5,000円ずつ随時返済を加えたものです。この場合には、9か月目に返済が終わり、支払利息総額は4,761円、支払総額は64,761円となります。

1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月
約定返済額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
利息分 900 869 762 653 543 431 317 202 85
元本返済分 2,100 2,132 2,238 2,347 2,457 2,569 2,683 2,798 2,915
随時返済
(元本返済)
- 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 5,000 2,761
借入残高 57,900 50,769 43,530 36,183 28,726 21,157 13,474 5,676 0

3-2.約定返済だけでは誘惑が多い!

一般的に約定返済を続けていれば、事業者から催促の連絡が来ることはありません。そして、「随時返済をすると得ですよ!」と連絡が来ることもありません。約定返済が3,000円くらいであれば、そのうち返済をしているという意識もなくなってしまうかもしれません。

けれども、事業者からは、毎月きちんと返済をしていると「借入限度額を上げます!」という連絡が来ることがあります。その連絡を受けた時に、たまたま金欠だと、借入をしている感覚が薄れていると、ついつい追加でお金を借りてしまう人も少なくないのが実情です。

このように、消費者金融に限らず、カードローンと呼ばれている消費者金融と同じように借入が出来る金融機関も、細く長く利用者を囲い込もうとします。

ですから、賢い使い方とは、賢い返済の仕方であり、毎月1回飲み会を我慢して、随時返済をして、このような誘惑を受けないようにするのが一番なのです。

4.初めての消費者金融におすすめの会社

一度も消費者金融からお金を借りたことがない人は、この記事を読んで、「言っていることは分かったけど、では、どこから借りたら良いの?」と思っているはずです。

金利だけでなく返済のしやすさも重要

一般的に、金利は高いより低いほうが良い訳で、最初に借りるのは大抵の人は10万円以下の少額であるので、適用金利はその事業者が提示する一番高い金利であると考えてください。ですから、「では、その一番高い金利が低い事業者が良いのね!」と考えてしまうかもしれません。それは正しいのですが、もう一つ参考にしてもらいたいことがあります。

その事業者のHPのQ&Aのところで、以下の3つの質問をチェックしてみてください。

  • 『返済はどのようにするのですか?』
  • 『一括返済はできますか?』
  • 『随時返済はできますか?』

そして、それを読んでよく分からなかった場合には、その事業者から借りるのは止めるべきです。

個人的に、この説明が分かりやすいと思うのは、LINEポケットマネーとオリックス銀行です。新生銀行系のレイクも比較的わかりやすいかもしれません。消費者金融では、アイフルが比較的分かりやすいとは思いますが、消費者金融は全体的に分かり難いと感じます。

なお、オリックス銀行はとても分かりやすいですが、100万円以下の借入の場合には、金利が高く、相対的に審査に時間がかかると思われるので、その意味ではお勧めしません。

どの事業者が分かりやすいのかについては、その人の経験値によって違いがあり、人によって違うので、必ず自分で読んでみてください。

LINEポケットマネーについて

LINEポケットマネーは、Lineアプリを使っている人であれば、金利も下がる可能性があり(独自のクレジットスコアリングを採用しているため)、Q&Aが全体的に分かりやすいはずですし、何よりLine Payで返済が出来るので、返済が分かり易いという意味では、多くの人にとって身近だと思います。

けれども、現在、Lineの情報管理の問題が浮き彫りになっていますので、その推移を見て、自分で納得してから利用することをお勧めしたいと思います。

最後に

ここまでお伝えしてきたように、消費者金融は正しく使えば決して怖いものではありません。

ただし、消費者金融やそれに類するカードローンは、使い続けると、お金を借りているという感覚がマヒし易いので、その点は注意が必要だということは、すべての事業者に関して言えることですので注意してください。

そして、このお金を借りていることを忘れないようにするのが賢い借り方だと覚えていて欲しいと思います。

執筆
荒井 薫(あらい かおる)
労働省→公認会計士→コンサルタント→事業会社CFO&国際ブランド付きプリペイドカード事業の立ち上げをやりました。子供の頃から物書きになりたかったため、書く感性を磨きながら、皆さんに様々な情報をお伝えしていければと思っています。
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