TOYOTA Walletとは?チャージ方法やポイント還元など

TOYOTAwallet

キャッシュレス決済が浸透し始め、さまざまな決済アプリが誕生しているなか、自動車メーカーのトヨタから「TOYOTA Wallet」が発表されました。

ここでは、注目を集めているTOYOTA Walletの特徴や使用できる決済方法、今後の展望などを紹介していきます。

1.TOYOTA Walletで使える決済方法や特徴

TOYOTA Walletは現時点ではiOS版のみ提供されており、Android版は2020年春以降の提供開始を予定しています。「TOYOTA Wallet」では、以下の3つの決済方法が利用可能です。

(1)TOYOTA Wallet残高

TOYOTA Wallet残高はプリペイド型の電子マネーです。TOYOTA Wallet残高は銀行やクレジットカードでチャージした金額を、iD加盟店(Apple Pay利用)・Mastercard加盟店で利用することができます。読み取り機にかざすだけで支払いが完了するコンタクトレス仕様で、国内のみならず海外でも利用できることから使い勝手の良い決済方法といえるでしょう。

(2)TS CUBIC Origami Pay

トヨタファイナンスが発行しているバーチャルクレジットカードで、トヨタ販売店とOrigami Pay加盟店にて利用できます。1,000円毎に2ポイント獲得でき、貯まったポイントは車検や車の購入などに使用可能です。

TS CUBIC Origami Payを利用するには、TOYOTA Walletアプリをダウンロードしてからトヨタ販売店で手続きを行います。一部、申し込みができないトヨタ販売店が存在するため、TS CUBIC Origami Payの公式ホームページにある「お近くのトヨタ販売店を探す」をタップして検索したのち、確認・問い合わせすることをおすすめします。

(3)銀行Pay

銀行口座からの即時引き落とし型電子マネーです。銀行Pay加盟店にてコード決済で支払いができ、デビットカードのように銀行口座から即時引き落としされます。

今後、紐付けられる銀行口座は増えることが期待されていますが、現時点で登録できる銀行口座は三井住友銀行のみです。

(4)オンラインショップでも決済できる

TOYOTA Walletは、Apple Payに対応しているオンラインショップで利用することも可能です。支払い方法で「Apple Pay」を選択すると、TOYOTA Walletで決済ができます。

また、Apple Payに対応していない場合は、TOYOTA Walletの「設定・その他」から「お支払い方法の設定・変更」を選択し、「iD・Mastercardコンタクトレス」を選び、「お支払い方法の設定・確認」から「番号を確認する」を選択します。その後オンラインショップ上でカード番号など情報を入力すると、決済可能です。

  TOYOTA Wallet残高 TS CUBIC Origami Pay 銀行Pay
支払い方式 事前にチャージ
(プリペイド)
後払い
(クレジット)
即時引き落とし
(デビット)
支払い方法 カードリーダーにかざして決済 QRコード・バーコード QRコード・バーコード
利用できる店舗 iD加盟店(Apple Pay利用)
Mastercardコンタクトレス加盟店
Mastercard加盟店(ネット)
Origami加盟店 銀行Pay加盟店

2.TOYOTA Wallet残高へのチャージ方法

上記で紹介した3つの決済方法のうち、もっとも使い勝手が良いのは、iD・Mastercard加盟店で利用することができる「TOYOTA Wallet残高」でしょう。

TOYOTA Wallet残高へのチャージ方法には、クレジットカードを利用する方法と、銀行Payを利用する方法の2種類があります。

クレジットカードを利用するチャージ方法では、VISA/Mastercardが利用可能です。
銀行Payを利用すれば、クレジットカードがなくても銀行口座からチャージ可能です。
アプリ内のホーム画面上「iD / Mastercardで支払う」から「+チャージする」をタップすることでチャージが可能です。

カード残高上限は5万円です。

3.ポイント還元も対象

2019年10月1日~2020年6月30日の期間で行われている、キャッシュレス・消費者還元事業でのポイント還元も対象です。対象の店舗で利用する、2%または5%のポイントが還元されます。

ポイント還元方法、還元時期は以下のとおりです。

  ポイント還元方法 ポイント還元時期
iD / Mastercard TOYOTA Wallet残高に加算 利用の翌月末までに順次還元
(利用した時期により、利用日の
翌々月に加算される場合がある)
TS CUBIC
origami pay
利用金額から減算 利用した請求と
同月または翌月以降に還元
銀行Pay 入金口座の残高に加算 利用日から2ヵ月以内に順次還元

4.TOYOTA Walletの今後の展望について

発表されたばかりのTOYOTA Walletですが、今後どのように利用の幅が広がり、またどのように使うことができるようになるのでしょうか。TOYOTA Walletの今後の展望について、詳しく見ていきましょう。

(1)Android向けアプリの提供

現状ではiOS版のみTOYOTA Walletに対応していますが、2020年の春以降にAndroid版も提供が開始される予定です。あわせてアプリ自体の機能面も拡充していく予定と発表されていることから、今後も新しい情報は随時チェックしていきましょう。

(2)トヨタグループ内外のモビリティサービスと連携していく予定

TOYOTA Walletは「どこでも・誰でも使える」をテーマに掲げている決済サービスです。全国に5,000店舗以上あるトヨタ販売店だけでなく、トヨタレンタカーやTOYOTA SHAREなどのグループとも連携していく予定です。

さらにグループ外の企業とも連携を図り、MaaS(Mobilitiy as a Service)のベースを構築する目的もあります。MaaSとは電車やバスなど各事業者それぞれに対してではなく、すべて一度で支払いができるようにすることで利便性を向上させようという考え方です。公共交通機関の使い勝手がより良くなる可能性を秘めていることから、TOYOTA Walletには注目が集まっています。

(3)利用者との接点強化

上述したようにさまざまなサービスで決済ができることから、TOYOTA Walletを通して利用者との接点を強化することも狙いのひとつにあります。さらに、トヨタ販売店で提供されているサービスとTOYOTA Walletによるデジタルサービスを併せることで、「どこでも・誰でも使える」というテーマ通り、それぞれの生活に寄り添った決済サービスが提供されます。

5.トヨタがキャッシュレス決済を開発する意味

ここからは、自動車会社であるトヨタがなぜキャッシュレス決済開発に力を注いでいるのか、その理由について見ていきましょう。

2019年10月1日からのキャッシュレス化により、2%ないしは5%の還元が受けられることから現金以外の支払い方法に注目が集まっています。

トヨタがキャッシュレス決済を開発した理由は、車自体に決済システムを導入して自動でパーキング料金が支払えること、また車での移動中にさまざまな場所で決済に使用できることから、交通渋滞の緩和やトヨタの車両をベースにしたネットワークの構築をすることです。

今後、サービスが使える範囲を拡大することでモビリティ社会の基盤作りの足掛かりとするため、キャッシュレス決済の開発を進めているという側面もあるでしょう。

まとめ

TOYOTA Walletは大きく分けてプリペイド・クレジット・デビットという決済方式があり、iOSだけでなく将来的にAndroidにも対応していくことからさらに利用者は増えることが考えられます。決済手段としてはもちろん、カーシェアやレンタカーなどの移動サービス・公共交通機関・車両への搭載により、MaaSの基盤構築の足掛かりとなることも期待できるでしょう。

時代のニーズに沿っているため、決済手段として世の中に普及していく可能性は高くなっています。新しく誕生したサービスであるため、発表される情報は随時チェックし、情報収集に努めてみてはいかがでしょうか。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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