スマホの電池が切れたらモバイルSuicaは使える?
JR東日本が提供している交通系電子マネーのSuicaには、カードタイプだけでなくスマホで使えるモバイルSuicaといわれるサービスがあります。
カードとは違いスマホを使い決済が行われるため、電源が切れてしまった場合はどうすればよいのか疑問に思う方もいるでしょう。
そこで今回はモバイルSuicaを使用するにあたり、電源が切れても使える場合や完全に使えない場合を説明します。加えて、改札内で使えなくなった場合の対処法や、電池切れへの備えなども紹介していきます。
目次
1.電池切れ後も使える場合
モバイルSuicaはスマホを使って決済を行うサービスのため、スマホ自体の電池が切れてしまうことは避けなければいけません。
しかし、モバイルSuicaで消費する電力は非常に少ないため、スマホの電源が切れてしまっても使える場合があります。
ここからはiPhoneとAndroidそれぞれの、電源が切れてしまった後でもモバイルSuicaを使える場合について紹介していきます。
1-1.iPhoneの場合
iPhone XS以降のiPhoneには予備電力機能が付いています。
予備電力によって電源が切れてしまっても最大5時間はモバイルSuicaを使い決済が行えます。
予備電力が付いている機種は以下の通りです。
- iPhone XS
- iPhone XS MAX
- iPhone XR
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
エクスプレスカードについて
予備電力機能を使用する際の注意点は、SuicaをエクスプレスカードとしてiPhoneに設定しておく必要があるという点です。
Suicaをエクスプレスカードに設定すると、Touch IDやFace IDの認証なしに、iPhoneをかざすだけで決済が完了します。
充電が必要な状態でサイドボタンを押すと、Suicaがエクスプレスカードに設定されているか確認できます。
ただし、この操作は予備電力を大幅に消費するので、注意してください。
エクスプレスカードの詳しい設定方法はこちらをご覧ください。
1-2.Androidの場合
Android端末の場合も、電源が切れてしまってもバッテリー残量が少しでも残っていれば使用できます。
またiPhoneとの違いとして、Androidでは電源がオフになっている場合でもSuicaの使用ができます。
移動中に電源が切れそうになった場合は、電源をオフにするというのも一つの手でしょう。
2.完全に使えない場合
ここまで電源が切れてしまった場合でもSuicaが使える例を説明しましたが、もちろんどのような状況でも使用できる訳ではありません。
ここからは、スマホの電源が切れてしまった際、完全に使えないケースを紹介していきます。
2-1.iPhoneの場合
iPhoneでSuicaが使えないのは以下のときです。
- 予備電力も切れてしまった場合
- 電源がオフの場合
- Suicaをエクスプレスカードに設定していない場合
2-2.Androidの場合
iPhoneとは違い、電源がオフでも使用できますが、完全に電池切れとなったらモバイルSuicaは使えません。
3.改札内で使えなくなった場合の対処法
モバイルSuicaを使用中、改札内にいるにも関わらず使えなくなった場合はどうすればよいのでしょうか。
ここからは、改札内でモバイルSuicaが使えなくなった場合の対処法を紹介していきます。
3-1.窓口で精算する必要がある
改札内にてモバイルSuicaが使えなくなった場合、駅係員に申し出て精算をする必要があります。
精算金額は乗車駅からの運賃を現金にて支払うので、窓口へ向かいましょう。
3-2.後日入場記録を削除
係員に申し出て現金で精算をしても、入場記録はそのままになっています。
そのままだと次回モバイルSuicaを使う際に退場記録がないのでエラーとなり、改札を通過できません。
そのため、スマホの電源がオンになったら係員に事情を説明して入場記録を削除してもらいましょう。
3-3.よくある質問
スマホの充電が改札内で切れてしまった場合の、よくある質問をまとめて説明します。
現金で精算をした金額は、後日返金されるのか?
モバイルSuicaの不具合によって使えなくなった訳ではないので、定期区間内であっても支払った運賃を後日返金するといった対応はありません。
JRの入場記録が残っている場合、私鉄の駅で入場記録を取り消せるか?
JRと私鉄はそもそも会社が違いますので、他社の入場記録を消すことはできません。JRで入場した場合はJRで対処してもらいましょう。
入場した駅を申告するときに嘘をついたら?
これは詐欺罪にあたるため犯罪です。
仮に嘘がばれた場合は、通常の運賃と、その二倍の増運賃を合わせて支払うことと規定されています(旅客営業規則264条)
第264条 旅客が、次に該当する場合は、当該旅客の乗車駅からの区間に対する普通旅客運賃と、その2倍に相当する額の増運賃とをあわせ収受する。
- 係員の承諾を受けず、乗車券を所持しないで乗車したとき。
- 別に定める場合を除いて、乗車券に入鋏を受けないで乗車したとき。
- 第167条の規定によって無効となる乗車券(偽造の乗車券を含む。)で乗車したとき。
- 乗車券改札の際にその呈示を拒み、又はその取集めの際に引渡しをしないとき。
- 乗車する列車を指定した定期乗車券を使用して指定以外の列車に乗車したとき。
4.電池切れに備える
スマホの充電が切れてしまうと、現金で精算をしたり、駅員に申し出て入場記録をキャンセルしたりと面倒な作業が発生します。
ここからは、スマホの電池切れを起こさないための対策や、もし充電が切れてしまった場合でも対処できる備えについて紹介していきます。
4-1.バッテリーを節約する
iPhoneでは、低電力モードにすることでメールの取得や自動ダウンロードといった機能に制限がかかり、スマホの電池にかかる負担を軽減できます。
Androidにもバッテリーセーバーという、同様の機能があります。
ただし、これらの機能でスマホの稼働時間は長くなりますが、スマホの使用に制限がかかりますので処理速度が遅くなる場合があることも把握しておきましょう。
4-2.不要な通信を切る
そして機内モードを活用する方法も、充電を長持ちさせるにはおすすめです。
機内モードにするとスマホが電波を探さなくなりますので、通常時に比べて電力の消費を抑えてくれます。
同様に、Bluetoothや位置情報サービスなどの、不要な通信は切っておきましょう。
4-3.画面の明るさ設定等を見直す
充電を長持ちさせる方法として、画面の明るさ設定を見直すことも非常に効果的です。
また画面の明るさ設定とともに、ディスプレイ表示が消灯するまでの時間を短くすることも重要です。
4-4.モバイルバッテリーを持ち歩く
そしてスマホの充電切れを防ぐ、または充電が切れても再充電するためにモバイルバッテリーを持ち歩くという方法もおすすめです。
モバイルバッテリーは繰り返し充電をして使用できるものもありますので、一台持っておくと何かと役立ちます。
モバイルSuicaの件だけでなく、そもそもスマホの充電が切れると面倒なことが多いと想定されるため、モバイルバッテリーを所持することも検討してみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
モバイルSuicaを使っている場合、カードとは違いスマホの充電が切れてしまうと現金で支払ったり入場記録をキャンセルしてもらったりしなければいけません。
AndroidやApple PayのSuicaは、スマホの電力をあまり消費しないため予備電力で何とか使用できる可能性もありますが、完全に使えなくなる場合ももちろんあります。
スマホの設定を変更して電力の消費を抑えるといった対策も行いつつ、モバイルバッテリーを所持して電源切れにならないよう充電しておくことも重要です。