中・低所得者に5万円の給付金|対象者・金額・いつもらえる?

給付金

先日、国民民主党が、中低所得者向けに、5万円の給付金を支給する案を、発表しました。
これを受けて、5月20日、高市首相は、補正予算案の編成を検討すると表明しました。

今までは、主に住民税非課税世帯と子育て世帯のみ給付金が支給されてきましたが、現役世代に給付金が支給される可能性が高まっています。

現状でわかっている範囲で最新情報をお伝えしていきます。

1.給付金の対象者・金額・支給時期・申請方法など

(1)対象者

今回の給付金の対象者は、中低所得者、つまり、現役世代です。

今までの給付金は、主に、高齢者を中心とした、住民税非課税世帯、また、子育て世帯が対象でしたが、今回の給付金は、働いている現役世代が、主な対象となります。

中低所得者ということは、所得制限があることになります。

具体的な所得の基準は、まだ発表されていませんが、2026年の所得税の基礎控除が、年収665万円、所得489万円を基準に、大きく金額が変わることを考えると、このあたりが基準になるのではないかと推測されます。

年収の壁 178万円の壁 基礎控除

(2)いくらもらえる?

報道によれば、国民民主党は、現金5万円の案を提言しています。

そして、約6000万人の給与所得者に対する給付で、予算案は3兆円規模となっています。ただ、政府内での検討はこれからになりますので、詳細は不明です。

また、働く人を中心に支援するため、年収によって、金額が変わる可能性もあります。

給付金 給付付き税額控

年収の壁を超えると、手取りが減ってしまう人に対して、給付額を増やし、手取リの減少を抑える案があります。具体的には、年収106万円くらいを超えて、社会保険料の負担が発生する人、また、年収119万円を超えて、住民税が発生する人に対して、金額を増やします。

一方、一定金額を超えたら、給付金を減額します。

(3)いつもらえる?

財源を確保するため、今年度の補正予算案を編成することになります。今年は2月に衆院選があり、そこから国会が開会していますので、閉会する7月17月までの成立を目指すと思われます。

給付金が支給されるのは、早くても9月以降になると想定されます。

(4)申請方法

政府は、支給までのスピードを重視しているため、プッシュ型になると想定されます。つまり、自治体がすでに把握している口座に、自動的に振り込まれます。

マイナンバーカードに紐付けた、「公金受取口座」を登録している人は、何もしなくても、『◯月◯日に振り込みます』というハガキが届くだけで完了、という流れになるでしょう。

公金受取口座の登録がまだの人は、マイナポータルで登録しておくことをお勧めします。

2.給付金の財源は?

いつも給付金の話になると、財源があるのかが問題になりますが、どうなのでしょうか。

(1)国の税収は毎年増加中!

こちらは、1990年度と2025年度の、国の税収の比較です。消費税の増税とともに、大きく税収が増えました。2025年度は、もともと77.8兆円の予定でしたが、2.9兆円増えて、80.7兆円の税収になりました。

財務省 一般会計税収推移

こちらは、財務省の「一般会計税収の推移」のグラフですが、2026年はさらに税収が増える見込みです。インフレで消費税も増えて、税収は83.7兆円の予想です。

財務省 税収推移

2020年、コロナ禍のときと比較すると、23兆円も税収がアップしています。割合でみると、約38%アップ、複利を考慮した年間の利回りでは、約5.5%アップです。

(2)税収が約10兆円の上振れ

近年のインフレ率は約3%ですが、仮に、税収アップがインフレ率と同じだとすると、2025年時点の税収は70.5兆円となりますので、約10.2兆円、上振れていることになります。つまり、政府は十分にもうかっており、財源があるわけです。

実際、昨年、石破首相は、2万円給付の財源として、「税収の上振れ分を国民にお返しする」、という説明をしていました。
ところが、参院選で自民党が大敗し、給付金の案がなくなったため、税収の上振れ分を、国民に返す機会はなくなってしまったのです。

毎年の税収の上振れ分が蓄積されていますので、財源はあると考えて良いでしょう。

3.なぜ、給付金を支給する?

ところで、なぜ、突然、給付金を支給するという案が出てきたのでしょうか?

そもそも、昨年まで、国民民主党の玉木代表は、「所得税減税で手取りを増やす」と言っていましたし、高市首相は、「給付金はやりません」と明言していました。
なぜ、ここで、給付金なのでしょうか。

(1)物価高騰対策

まず、物価高騰対策です。

物価高については、2022年以降、海外のインフレの影響を受けて、国内でも物価が急上昇しました。特に、生鮮食品の物価上層が著しく、ピークでは、前年同月比で20%を超えたこともありました。

直近の2026年3月でみると、物価上昇は落ち着いてきており、全体では1.5%です。しかし、食料は3.6%と、生活の負担は依然として大きく増加していることがわかります。

また、2026年2月、アメリカとイスラエルが、イランへの軍事攻撃を開始しました。
光熱費は、現在のところ、下がってきていますが、今年の夏以降、再度、上昇することが予想されます。

加えて、2024から2025年にかけて、主食であるコメ価格が高騰し、わずか2年で2倍以上になりました。
現在は、米の価格高騰は止まったものの、高い価格で推移しています。

このような状況の中で、国民民主党の提言では、現金給付だけではなく、電気・ガス代の値下げと、水道の基本料金免除も盛り込んでいます。

(2)中低所得勤労者の負担軽減

次に、中低所得、勤労者の負担軽減という目的があります。

日本総研の翁百合氏によれば、年収540万円程度までは、日本の共働き、子育て世帯の負担率が、経済協力開発機構(OECD)平均を上回ります。

特に負担が重いのが、年収300万から、400万円程度の世帯です。保険料負担に合わせて、食料品などの消費税の負担も、重いものとなっています。

【出典】時事ドッコムニュース「「簡易型」から早期導入へ 中低所得勤労者の負担軽減―給付付き控除・国民会議

(3)消費税減税は時間がかかる

では、なぜ、食料品の消費税の減税をしないのでしょうか。その理由は、減税は、時間がかかるみたいだからです。

現在の与党である、自民党と、日本維新の会は、今年2月の衆院選の公約として、飲食料品の消費税を2年間ゼロ、という公約を掲げていました。

しかし、検討してみたら、レジメーカーが、レジの改修に1年かかるというのです。
ただ、1%、2%とかの税率であれば、半年程度で可能みたいです。これが、嘘か本当かはわかりません。

消費税ゼロというのは、消費税をなくすのではなく、税率を0%にするという意味ですので、個人的には、「0%という設定にすればいいよね」と思います。
私は、以前、システムエンジニアをしていたことがありますが、0%と1%で、期間に半年も差がでるシステムなんて、見たことがありません。

いずれにしても、政府はこれを理由に、消費税減税はすぐには難しい、という論調になっています。

(4)給付付き税額控除も時間がかかる

消費税減税以外に、もう一つ、給付付き税額控除の案もありますが、こちらも時間がかかるみたいです。

自民党は、2月の衆院選の公約として、給付付き税額控除の制度設計を進めることも、公約として掲げていました。

給付付き税額控除とは、わかりやすくいうと、現金給付と税額控除が一緒になったもので、全員同じ金額の恩恵を受けられます。

給付金 給付付き税額控除

たとえば、給付付き税額控除の金額は4万円だとします。所得が多く、所得税が多い人は、4万円分、所得税が減税されます。これが、税額控除です。
所得が少なく、所得税が2万円しかない人は、2万円分、所得税が減税されますが、引ききれない2万円分は、現金で支給されます。
所得がほとんどなく、非課税の人は、4万円分、現金で支給されます。結果として、全員同じ金額になります。

ところが、こちらも検討が遅れているようです。

ちなみに、2024年に、1人当たり4万円の定額減税がありましたが、税金を引ききれない分は、後日、給付金が支給されましたので、給付付き税額控除と似たものです。

個人的には、2年前にできたのに、今できない理由がないと思うのですが、不思議ですね。

結局のところ、現金を配るのが一番早い、という結論になりつつあるようです。

4.給付金は、国民が反対しているのでは?

さて、給付金は、国民が反対しているのに、なぜやるの、と思う人もいるかもしれません。

確かに、昨年の参院選で、自民党は大敗し、国民の理解を得られなかったとしています。しかし、本当にそうなのでしょうか?

個人的には、自民党が大敗した理由は、給付金ではなく、当時の石破首相に対する人気が、なかっただけかと思います。

現代は、自分の利益が最優先の時代です。政府がお金を支給すると言っているのに、日本のことを考えたら自分はいらない、などという聖人君子のような人が、日本に大勢いるとも思えません。

実際、私が運営しているYouTubeチャンネル「ZEIMO」で、給付金に関するアンケートをとったところ、5月22日時点で、反対は3割で、残り7割は賛成という結果になっています。賛成の中でも、国民全員に給付金を支給すべき、という意見が一番多いです。

YouTube アンケート 給付金

アンケートは引き続き実施していますので、ぜひご意見をお寄せください。こちらのQRコードか、概要欄のURLよりアクセスできます。

アンケートはこちらから

結局、政府としては、国民が本当は給付金を望んでいることを知っていたのでしょう。

ただ、高市首相は、給付金を実施しないと明言してしまった以上、自民党や政府から、給付金の話をすることは難しかったため、国民民主党に、給付金の提案をさせて、政府が要求を飲む流れにしたのでは、との個人的な推測です。

動画でも解説

同様の内容をYouTube動画でも、さらに多くの図を使って解説していますので、ご覧ください。

東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP®(日本FP協会認定)、日商簿記検定1級。
税理士試験 財務諸表論 科目合格。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を10年以上担当。
税金やお金に関することが大好きで、関連記事を2000本以上、執筆・監修。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
著書「届け出だけでもらえるお金大全」「知れば知るほど得する年金の本
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