年末調整の保険料控除欄が足りない時はどうすればいい?

年末調整 保険料控除申告書

年末調整書類ではちょっとしたことで記入に迷うことがよくあります。この記事では生命保険など、各種保険に入っている方むけに、保険料控除申告書の「記入欄が小さすぎる&少なすぎる問題」を解決していきます。

この記事ではこんな疑問にお答えします!

  • 生命保険料控除の記入欄が足りない時はどうすればいい?
  • 保険会社の名前が長すぎて欄に入りきらない時はどうすればいい?

1.生命保険料控除の記入欄が足りない時はどうすればいい?

年末調整で支払った生命保険料の控除を受けるためには、「給与所得者の保険料控除申告書」に、記入してそれぞれの保険会社から受け取った控除証明の書類と一緒に勤務先に提出します。

その際に子供や配偶者などの家族の分の保険料を支払った場合は、合算して控除を受けることが出来るので、あわせて記入します。

ただ、保険料控除申告書の記入欄は、枠数が限られています。一般の生命保険料が4枠、介護保険料が3枠、個人年金保険料が3枠となっています。

保険料控除申告書 生命保険

家族などの分を記入すると枠数が足りないことがありますが、このような場合は以下のようにすると良いでしょう。

(1)保険料控除申告書をもう1枚用意する

1つの方法は、保険料控除申告書をもう1枚用意してそちらに転記することです。例えば今ある用紙をコピーして使う、国税局のホームページからダウンロードする、勤務先の人事や経理の担当者にもらうなどの方法が考えられます。

2枚めの用紙には、書ききれなかった保険料の明細を記入して、1枚めの用紙にホチキスなどで止めてまとめて提出します。この際「合計額」は、1枚目にすべての合計額を記入し、2枚目以降は空欄にしておきましょう。

(2)別紙を添付する

書ききれなかった分をまとめて内訳書として、別紙に記入する方法もあります。用紙や様式の指定などはありませんので、ルーズリーフなどでもかまいません。

記載すべき項目は、保険会社名・保険期間・契約者の氏名・新旧の区分、払い込み保険料、控除の区分など保険料控除申告書と同一です。別紙は申告書とまとめてホチキスなどで止めて提出します。

2.加入している全ての保険を記入しなくてもいい?

複数の保険に加入している場合はすべての保険契約を記入したほうが良いでしょうか? 実は、年末調整で支払った生命保険料を控除出来る金額には限りがあります。金額が高い順に記入していき、控除の上限を超える分については記入する必要はありません。

一般の生命保険料控除について旧契約※では、「一般」と「個人年金」の区分の生命保険料のそれぞれの支払いが年間10万円を超えると控除額が上限の5万円となります。新契約※では、「一般」・「介護医療」「個人年金」の区分の生命保険料のそれぞれの支払いが年間8万円を超えると控除額の上限が4万円となります。

旧契約と新契約の生命保険料控除はそれぞれ合算することが出来ます。

新契約の控除上限額と、控除上限となる保険料支払い額

区分 控除額上限 控除上限となる保険料支払額
一般 4万円 8万円
介護医療 4万円 8 万円
個人年金 4万円 8万円

旧契約の控除上限額と、控除上限となる保険料支払い額

区分 控除額上限 控除上限となる保険料支払額
一般 5万円 10万円
個人年金 5万円 10万円

ご自身が支払った保険料は、生命保険会社などから年末調整の時期に送られてくる控除証明書の「申告額」などの欄で確認することが出来ます。

※旧契約とは、平成23年12月31日以前に締結した生命保険契約を指します。
※新契約とは、平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約が該当します。

3.保険会社の名前が長すぎて欄に入りきらない時はどうすればいい?

保険会社の名前が長すぎて欄に入りきらない場合は略称を記入して差し支えありません。略称についても特にルールはありません。下記にいくつか例をあげましたが、加入している生命保険会社のホームページの「よくある質問」などに略称を掲載している生命保険会社もあります。

生命保険会社の略称の記入例

  • 三井住友海上あいおい生命保険会社……略称「MSA生命」「あいおい生命」
  • アメリカンファミリー生命保険会社……略称「アフラック」
  • 東京海上日動あんしん生命保険株式会社……略称「あんしん生命」

まとめ

年末調整の記入欄が足りない時の対処法について、重要ポイントをおさらいしましょう。

  • 年末調整の保険料控除欄が足りない場合は勤務先で新しい用紙をもらうか、国税庁のホームページなどからダウンロードして印刷するのがベター
  • 生命保険料の控除の上限は決まっているので全ての生命保険契約を記入する必要はない

さらに最後に注意点になりますが、記入の際に1つの欄に複数記入する(欄を線で割る)などの方法もありますが、会社によってはルールはが決まっている場合がありますので、念の為ご担当者に確認をおすすめします。また、1つの欄に詰め込みすぎて読めなくなってしまうこともあるので、注意が必要です。

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監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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